送電

重要度 A電気工学・電気設備で出題過去問 58問

送電は、1級電気工事施工管理技士 第一次検定の平成29年度〜令和8年度(10回)のうち10回で出題された論点です(収録911問中58問・重要度A)。出題されるのは電気工学・電気設備です。

要点:架空送電線(コロナ・ねん架・ギャロッピング・雷害対策)、地中送電とケーブル。

覚える要点

  • フェランチ現象は進み電流(線路の静電容量)で受電端の電圧が送電端より高くなる現象で、線路が長い・地中ケーブル系統・軽負荷(進み力率)のときに起こりやすい。「架空電線路のほうが起こりやすい」「遅れ力率で起こりやすい」は誤り
  • たるみはD=WS²/(8T)、実長はL=S+8D²/(3S)。三相の充電容量はQc=ωCV²×10⁻³〔kV·A〕(Vは線間電圧)、充電電流はIc=2πfCE(Eは相電圧)で、インダクタンスは関係しない
  • 架空地線の遮へい角は小さいほど直撃雷の遮へい効果が高く、径間逆フラッシオーバを防ぐため架空地線のたるみは電線より小さくする。鉄塔逆フラッシオーバの防止は埋設地線で塔脚接地抵抗を下げる(架空地線ではない)
  • 相間スペーサはギャロッピング対策、アークホーンはフラッシオーバ時のがいしの保護で、雷害・塩害の対策として出たら誤り。塩害対策は過絶縁・耐塩がいし・はっ水性物質の塗布・活線洗浄で、がいしが汚損するとフラッシオーバ電圧は低下する
  • コロナは外径の大きい電線や多導体(素導体数を増やす)で抑える。多導体は単導体よりインダクタンスが小さく静電容量が大きく、送電容量が大きい。表皮効果は周波数・導電率・透磁率が大きいほど大きく、電線中心部の電流密度は小さくなる
  • 微風振動は軽い電線・張力が大きい・径間が長いと起こりやすく、懸垂箇所の把持部で断線しやすい(ダンパ・アーマロッドで防ぐ)。スリートジャンプは氷雪の脱落による跳ね上がりで単位重量の大きい電線で防ぎ、サブスパン振動は多導体に特有。アルミ線は軽く太いので風雪の影響を受けやすい
  • ケーブルの故障点標定はマーレーループ法(x=2aL/1000)・パルスレーダ法(x=vt/2)・静電容量法(断線)、絶縁劣化診断は直流漏れ電流・誘電正接(tanδ)・部分放電・残留電荷の測定で、両者の入替えが定番。許容電流を増やすには比誘電率・誘電正接の小さい絶縁体を使う
  • 直流送電は電流零点がなく遮断が難しく、交直変換所で高調波・無効電力の対策が要る。再閉路は一時事故の多い架空送電系統で使い(地中系統では一般に使わない)、距離継電器は測定インピーダンスが整定値より小さいとき動作する。電磁誘導電圧は平行長に比例し、中性点の接地抵抗を小さくすると大きくなる

勉強のしかた:10回すべてで3〜8問出る最多の論点で、令和7年度は8問出た。フェランチ現象(ケーブル・進み力率)、たるみと実長の式、雷害対策(遮へい角は小さく、地線のたるみは小さく、逆フラッシオーバは埋設地線)、電線振動の種類と対策、ケーブルの故障点標定と劣化診断の区別が何度も同じ形で出るので、誤りの選択肢を「逆にするとどうなるか」で覚える。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、送電で間違えやすい点を集めました。

  • 令和8年度 No.16:距離継電器:事故点が近いほどインピーダンスが小さい。整定値以下で動作し,事故点までの距離に応じて動作時間を段階的に変える。
  • 令和8年度 No.18:たるみは8で割る,実長は8D²を3Sで割る。
  • 令和8年度 No.19:架空地線=直撃雷の防止,埋設地線=塔脚接地抵抗の低減(逆フラッシオーバ対策)。
  • 令和8年度 No.20:抵抗は長さ・断面積,インダクタンスと静電容量は導体の間隔・半径で決まる。
  • 令和8年度 No.21:許容電流を上げる=損失を減らす・放熱をよくする・許容温度を上げる。
  • 令和8年度 No.23:事故点標定:マーレーループ・静電容量・パルスレーダ。劣化診断:直流漏れ電流・tanδ・部分放電。

この論点の問題

送電系統の保護(距離継電方式など)令和8年度 No.16
架空電線のたるみと実長の近似式令和8年度 No.18
架空送電線路のフラッシオーバ対策令和8年度 No.19
架空送電線路の線路定数令和8年度 No.20
電力ケーブルの常時許容電流の増大令和8年度 No.21
高圧ケーブルの故障点測定法令和8年度 No.23
劣化がいしの検出方法令和8年度 No.24
送電線による通信線の電磁誘導電圧令和7年度 No.9
多導体方式の特徴令和7年度 No.10
送電線の再閉路方式令和7年度 No.16
多導体のサブスパン振動令和7年度 No.18
表皮効果令和7年度 No.19
ケーブルの充電電流令和7年度 No.20
フェランチ現象令和7年度 No.21
架空送配電線路の塩害対策令和7年度 No.22
直流送電方式の特徴令和6年度 No.10
架空送電線路のアルミ電線令和6年度 No.18
架空電線の微風振動令和6年度 No.19
架空送電線路の線路定数令和6年度 No.20
電力ケーブルの送電容量の増大令和6年度 No.21
架空送電線路の雷害対策令和6年度 No.22
送電線による通信線の電磁誘導令和5年度 No.11
ギャロッピング令和5年度 No.21
地中送電線路の充電容量令和5年度 No.22
表皮効果令和5年度 No.23
コロナ放電の抑制対策令和5年度 No.24
送電系統の保護継電器令和4年度 No.19
架空電線のたるみと実長の近似式令和4年度 No.21
架空送電線路のフラッシオーバ対策令和4年度 No.22
フェランチ現象令和4年度 No.23
送電線の再閉路方式令和4年度 No.25
CVケーブルの絶縁劣化診断法令和4年度 No.26
直流送電方式の特徴令和3年度 No.12
スリートジャンプの防止対策令和3年度 No.21
架空地線令和3年度 No.22
架空送電線のアルミ電線令和3年度 No.23
電力ケーブルの許容電流の増大令和3年度 No.24
パルスレーダ法令和3年度 No.26
多導体方式の特徴令和2年度 No.11
架空電線のたるみと実長令和2年度 No.21
架空送電線路のフラッシオーバ令和2年度 No.22
フェランチ現象令和2年度 No.23
微風振動の防止対策令和2年度 No.24
マーレーループ法令和2年度 No.26
架空地線令和元年度 No.21
スリートジャンプの防止対策令和元年度 No.22
表皮効果令和元年度 No.23
通信線の誘導障害の軽減対策令和元年度 No.24
架空送電線路の雷害対策令和元年度 No.25
架空送配電線路の塩害対策令和元年度 No.27
直流送電方式の特徴平成30年度 No.11
架空電線の実長平成30年度 No.21
架空送電線路のフラッシオーバ平成30年度 No.22
線路定数を定める要素平成30年度 No.23
コロナ放電の抑制対策平成30年度 No.24
地中送電線の充電容量平成29年度 No.22
フェランチ現象平成29年度 No.23
CVケーブルの絶縁劣化診断法平成29年度 No.27

同じ分野で出る論点

電気工学・電気設備では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが平成29年度〜令和8年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。