建築施工管理技士とは

建築施工管理技士は、建設業法第27条に基づく国家試験「建築施工管理技術検定」の第二次検定に合格した人が名乗れる称号です。事務所ビル・共同住宅・学校・病院・工場・倉庫といった建築物の新築や改修の現場で、施工計画と施工図をまとめ、山留め・杭・鉄筋・型枠・コンクリート・鉄骨の躯体工事から、防水・タイル・建具・内装の仕上工事までの工程・品質・安全を管理します。試験は、国土交通大臣の指定試験機関である一般財団法人 建設業振興基金が実施しています(土木・管工事の検定を行う全国建設研修センターとは別の機関です)。

  • 次回の試験日2級建築 一次 令和8年度 後期・2026年11月8日(日)、2級建築 二次 令和8年度・2026年11月8日(日)、1級建築 一次 令和9年度・2027年7月18日(日)ごろ、1級建築 二次 令和9年度・2027年10月17日(日)ごろ(「ごろ」は当サイトの見込み。主催者の発表前)
  • 直近の合格率1級建築 一次 46.7%(令和8年度)、1級建築 二次 39.0%(令和7年度)、2級建築 一次 46.9%(令和8年度 前期)、2級建築 二次 32.7%(令和7年度)
  • 合格基準得点が60%以上(第一次検定は、あわせて施工管理法(応用能力)の得点が60%以上)/得点が60%以上
  • 受検料1級 第一次検定 12,300円(非課税)、1級 第二次検定 12,300円(非課税)、2級 第一次検定のみ 6,150円(非課税)、2級 第二次検定のみ 6,150円(非課税)

当サイトでは、1級建築 一次・1級建築 二次・2級建築 一次・2級建築 二次の過去問1794問を、解説つきで無料で解けます。

1級と2級の違い

建設業法施行令第37条で、1級は監理技術者として、2級は主任技術者として必要な知識と能力を判定する検定とされています。1級に合格すると、建築一式工事に加え、大工・左官・とび・土工・コンクリート・石・屋根・タイル・れんが・ブロック・鋼構造物・鉄筋・板金・ガラス・塗装・防水・内装仕上・熱絶縁・建具・解体の工事業を合わせた17業種で、主任技術者にも監理技術者にもなれます。監理技術者は、元請の特定建設業者が下請に出す金額の合計が5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上になる現場に置く技術者です。建築工事業は建設業法施行令第5条の2の「指定建設業」7業種の一つなので、特定建設業の営業所ごとに置く技術者と、建築一式工事の監理技術者は、1級の資格者など(国土交通大臣の認定を受けた者を含む)に限られ、実務経験だけでは務められません。

2級は、第二次検定だけが「建築」「躯体」「仕上げ」の3つの受検種別に分かれ(施工技術検定規則第1条)、合格すると「2級建築施工管理技士(躯体)」のように種別の名前が付きます。主任技術者になれる業種は種別で違い、建設業法施行規則第7条の3では、建築は建築工事業と解体工事業、躯体は大工・とび・土工・コンクリート・タイル・れんが・ブロック・鋼構造物・鉄筋・解体の各工事業、仕上げは大工・左官・石・屋根・タイル・れんが・ブロック・板金・ガラス・塗装・防水・内装仕上・熱絶縁・建具の各工事業です。元請として建物全体の施工を管理するなら建築、躯体や仕上げの専門工事会社なら担当する工事に合った種別を選びます。第一次検定には種別がなく、全員が同じ問題を解きます。

第一次検定に合格すると1級または2級の建築施工管理技士補になります(令和3年度からの制度)。1級技士補で、その業種の主任技術者になれる資格(2級建築施工管理技士など)も持つ人は監理技術者補佐になれ、補佐を専任で置いた現場では、監理技術者は2つの現場まで兼任できます。令和5年7月からは、1級第一次検定の合格後3年の実務経験で主任技術者になれる業種が広がりましたが、この緩和は大工・内装仕上などの専門工事業が対象で、指定建設業の建築工事業には適用されません。経営事項審査の技術職員の評価では、1級が5点(監理技術者資格者証を持ち監理技術者講習を受けた人は6点)、監理技術者補佐が4点、2級が2点です。

第一次検定と第二次検定

第一次検定はマークシート方式で、建築学等(環境工学・構造力学・建築材料)、外構・設備・契約、躯体と仕上げの施工、施工管理法、法規が出題されます。施工管理法には、施工の知識を現場の判断に使えるかを見る問題(1級は応用能力、2級は能力)があり、令和3〜5年度は選択肢から二つ選ぶ形、令和6年度からは五肢択一です。1級はこの応用能力の問題でも60%以上の得点が必要です。学歴・実務経験は問われず、1級はその年度の末日に19歳以上、2級は17歳以上になる人が受検できます。1級は年1回(7月)、2級は前期(6月)と後期(11月)の年2回です。

第二次検定は、令和3年度から記述式とマークシートの組合せです。1級は問題1〜4が記述(経験記述または示された工事についての記述、仮設物の計画や災害の防止、ネットワーク工程表、施工の留意事項)、問題5・6が五肢択一(躯体または仕上げの施工、法規)です。2級は問題1〜3が記述(経験記述または示された工事についての記述、用語の説明、バーチャート工程表)、問題4・5が四肢択一で、問題5は受検種別ごとに別の問題を解きます。令和6年度からの受検資格では、1級は1級第一次検定の合格後に実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上、監理技術者補佐としての経験なら1年以上)、または2級第二次検定の合格後に所定の実務経験を積んだ1級第一次検定の合格者(同じ年度に1級第一次検定を受ける人を含む)、一級建築士試験の合格後に所定の実務経験を積んだ人が受けられます。2級は、2級第一次検定の合格後3年以上、1級第一次検定または一級建築士試験の合格後1年以上の実務経験で受けられます。令和10年度までは経過措置として、令和5年度までの受検資格(学歴ごとの実務経験年数)でも申し込めます。2級の第二次検定は後期の第一次検定と同じ日の午後に行われ、旧受検資格で両方を同じ日に受ける人は、第一次検定が合格基準に届かないと第二次検定を採点されません。

級・検定試験試験時間受検資格合格基準収録問題
1級建築 一次年1回(7月)午前2時間30分(10:15〜12:45)・午後2時間(14:15〜16:15)その年度中に19歳以上になる人(学歴・実務経験は不要)得点が60%以上(第一次検定は、あわせて施工管理法(応用能力)の得点が60%以上)760問
1級建築 二次年1回(10月)3時間(13:00〜16:00)1級第一次検定の合格者で、合格後の実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上、監理技術者補佐の経験なら1年以上)など。一級建築士の合格者も所定の実務経験で受検できる。令和10年度までは旧受検資格でも受検できる得点が60%以上162問
2級建築 一次年2回(6月・11月)2時間30分(10:15〜12:45)その年度中に17歳以上になる人(学歴・実務経験は不要)得点が60%以上800問
2級建築 二次年1回(11月)2時間(14:15〜16:15)2級第一次検定の合格後の実務経験3年以上(1級第一次検定の合格者・一級建築士の合格者は合格後1年以上)。令和10年度までは旧受検資格でも受検できる得点が60%以上72問

次回の試験日

級・検定次回の試験日申込合格発表
2級建築 一次令和8年度 後期・2026年11月8日(日)・申込の受付は終了前期は例年2月、後期は6月下旬〜7月下旬(インターネット申込)。令和8年度は前期2月6日〜2月27日、後期6月29日〜7月27日でした。前期は7月中旬、後期は12月下旬(令和8年度は前期7月13日、後期12月21日)
2級建築 二次令和8年度・2026年11月8日(日)・申込の受付は終了例年6月下旬〜7月下旬(後期の第一次検定と同じ時期)。受検資格の区分により申込方法が違うので受検の手引を確認。翌年2月上旬(令和8年度は令和9年2月5日)
1級建築 一次令和9年度・2027年7月18日(日)ごろ(当サイトの見込み。主催者の発表前。例年7月中旬の日曜日)例年2月中旬〜下旬(第一次検定のみはインターネットで4月上旬まで)。令和8年度は2月13日〜2月27日(第一次検定のみは4月7日まで)でした。8月下旬(令和8年度は8月25日)
1級建築 二次令和9年度・2027年10月17日(日)ごろ(当サイトの見込み。主催者の発表前。例年10月中旬の日曜日)例年2月中旬〜下旬(第一次・第二次の同時申込と第二次検定のみ)。受検資格の区分により申込方法が違うので受検の手引を確認。翌年1月上旬(令和8年度は令和9年1月8日)

日程・受検手数料は変更されることがあります。申込の前に 一般財団法人 建設業振興基金の公式サイト と受検の手引で必ずご確認ください。

どの試験から受けるか

建築の現場に入って間もない人は、前期・後期の年2回ある2級の第一次検定で技士補になり、3年の実務経験を積んで2級の第二次検定に進むのが基本の道です。19歳以上なら1級の第一次検定も実務経験なしで受けられ、1級技士補になれば1年の実務経験で2級の第二次検定を受けられます。すでに2級建築施工管理技士で、合格後5年以上(特定実務経験を含めば3年以上)の実務経験がある人は、1級の第一次検定と第二次検定を同じ年度に申し込めます。一級建築士試験の合格者は、所定の実務経験があれば第一次検定を受けずに第二次検定から受けられます。第二次検定の問題1は、令和5年度までは自分が経験した工事について書く経験記述でしたが、令和6年度からは問題に示された工事について、自分の考えを書く形に変わりました。担当した工事の構造・規模・仕上げと、品質や工程のために行ったことを数値とともに記録しておくと、どちらの形にも備えられます。受検資格の区分ごとの細かな条件と、実務経験として認められる工事・業務は、建設業振興基金の受検の手引で確認してください。

建築施工管理技士の経験記述:書き方と例文 →

建築施工管理技士の難易度・合格率・勉強の進め方 →

読みもの

建築施工管理技士の勉強法:独学での進め方と優先順位1級・2級建築施工管理技士の第一次・第二次検定に独学で合格するための勉強の進め方。1級の施工管理法(応用能力)の基準、選択問題の絞り方、2級の受検種別(建築・躯体・仕上げ)、経験記述と工程表の練習の順番を説明します。
→
建築施工管理技士は独学か講座か:お金をかける価値がある場面建築施工管理技士の受検準備で、独学で済む部分と、通信講座・資格スクール・社内研修に頼る価値がある部分を、第一次検定・第二次検定の別に解説します。受検者のタイプ別の向き不向き、講座費用の判断のしかた、経験記述の添削で見てもらう点も紹介します。
→
建築施工管理技士の合格率の読み方:受検者の増加と「何問で受かるか」建設業振興基金と国土交通省が公表した数字をもとに、1級・2級建築施工管理技士の第一次・第二次検定の合格率の見方を解説します。令和6年度の受検資格の変更による受検者の増加、2級第二次の数え方、1級の応用能力10問中6問の基準を含む「何問で受かるか」を解説します。
→
建築施工管理技士 第一次検定の頻出論点:出題数の多い論点の要点と引っかけ1級・2級建築施工管理技士 第一次検定の過去問の出題実績から、出題数の多い論点(安全管理・一般構造・環境工学・仕上材料・施工計画・工程・品質・建築基準法・建設業法など)の要点と、繰り返し出ている数値の入れ替えの引っかけをまとめます。
→
建築施工管理技士 第二次検定の頻出論点:経験記述・仮設と安全・工程表・択一・用語1級・2級建築施工管理技士 第二次検定の出題パターン。経験記述のテーマの並び、仮設物の計画と災害の防止、ネットワーク・バーチャート工程表、施工の留意事項、五肢択一・四肢択一で繰り返し問われる数値、2級の用語の説明をまとめます。
→
建築施工管理技士の申込方法:受検資格の確認から手数料の払込みまで1級・2級建築施工管理技士に申し込むまでの流れを、令和8年度の受検の手引に沿って解説。新受検資格と令和10年度までの経過措置、特定実務経験、1級「第一次検定のみ」のインターネット申込、2級の前期・後期と同時受検、受検手数料と払込みの時期を確認できます。
→
建築施工管理技士の学習スケジュール:試験日からの逆算で組む建築施工管理技士の学習計画を、1級(第一次 7 月・第二次 10 月)と2級(前期 6 月、後期と第二次 11 月)の試験日から逆算して組む方法。3 か月・6 週間・2 週間のモデルプランと、第一次と第二次を同じ年度に受ける場合の時間の割り振りを紹介します。
→
建築施工管理技士 試験当日の持ち物と注意点建築施工管理技士の試験の日に持っていくもの、入室と試験の時刻、1級(午前・午後)と2級の解く順番、五肢択一や選択問題でマークを誤りやすい点、第二次検定の記述と択一の時間の割り振りを、令和8年度の受検の手引と問題用紙の注意事項から整理しました。
→

ほかの資格

よくある質問

建築施工管理技士とは何ですか?

建設業法に基づく国家試験「建築施工管理技術検定」の第二次検定に合格した人の称号です。建築物の新築・改修の現場で、施工計画と施工図をまとめ、躯体工事から仕上工事までの工程・品質・安全を管理します。1級は監理技術者と主任技術者、2級は受検種別(建築・躯体・仕上げ)に応じた業種の主任技術者になれます。試験は一般財団法人 建設業振興基金が実施しています。

建築施工管理技士の1級と2級の違いは?

1級は、建築一式工事を含む17業種で主任技術者と監理技術者になれます。2級は主任技術者になれる資格で、なれる業種は受検種別(建築・躯体・仕上げ)で決まります。建築工事業は指定建設業なので、特定建設業の営業所に置く技術者と、下請に出す金額の合計が8,000万円以上になる建築一式工事の元請の現場に置く監理技術者は、1級の資格者など(国土交通大臣の認定を受けた者を含む)でなければなりません。試験は1級・2級とも第一次検定と第二次検定の2段階で、1級の第一次検定は午前・午後の2部制、第二次検定の工程表は1級がネットワーク工程表、2級がバーチャート工程表です。

2級の受検種別(建築・躯体・仕上げ)はどう違いますか?

受検種別は2級の第二次検定だけにある区分で、問題5の内容と、合格後に主任技術者になれる業種が変わります。建築は建築工事業と解体工事業、躯体は大工・とび・土工・コンクリート・タイル・れんが・ブロック・鋼構造物・鉄筋・解体の各工事業、仕上げは大工・左官・石・屋根・タイル・れんが・ブロック・板金・ガラス・塗装・防水・内装仕上・熱絶縁・建具の各工事業です(建設業法施行規則第7条の3)。第一次検定は種別に分かれていません。

技士補・監理技術者補佐とは何ですか?

令和3年度から、第一次検定の合格者は1級または2級の建築施工管理技士補と称することができます。1級技士補で、その業種の主任技術者になれる資格(2級建築施工管理技士など)も持つ人は監理技術者補佐になれます。1級技士補になっただけでは監理技術者補佐にはなれず、建築工事業は指定建設業なので、1級第一次検定の合格後3年の実務経験で主任技術者になれるようにした令和5年7月からの緩和も、建築工事業には使えません。

実務経験がなくても受けられますか?

第一次検定は実務経験なしで受けられます。1級はその年度の末日に19歳以上、2級は17歳以上になる人が対象です。第二次検定は、原則として第一次検定(または一級建築士試験)の合格後に決められた年数の実務経験が必要です。令和10年度までは、令和5年度までの受検資格でも申し込めます。実務経験として認められる工事・業務や、特定実務経験・監理技術者補佐としての経験の扱いは、建設業振興基金の受検の手引で確認してください。

一級建築士の合格者も受検できますか?

できます。令和6年度からの受検資格では、一級建築士試験の合格後に実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上)あれば1級の第二次検定を、実務経験1年以上あれば2級の第二次検定を、第一次検定を受けずに受検できます。令和5年度までの受検資格(令和10年度まで使える経過措置)でも、一級建築士試験の合格は1級第二次検定の受検資格の一つです。

会社にとって建築施工管理技士がいるメリットは?

公共工事の入札に必要な経営事項審査で、技術職員として加点されます。1級は5点(監理技術者資格者証を持ち監理技術者講習を受けた人は6点)、監理技術者補佐は4点、2級は2点です。また、建築工事業は指定建設業なので、特定建設業の許可を受けて元請として大きな建築一式工事を請け負うには、営業所ごとに1級の資格者などを置く必要があります。

試験情報の出典:一般財団法人 建設業振興基金の公開資料(最終確認 )。最終更新 。