電力系統

重要度 A電気工学・電気設備で出題過去問 35問

電力系統は、1級電気工事施工管理技士 第一次検定の平成29年度〜令和8年度(10回)のうち10回で出題された論点です(収録911問中35問・重要度A)。出題されるのは電気工学・電気設備です。

要点:系統の運用と電圧調整、短絡容量、保護継電の基礎、高調波・電圧フリッカ。

覚える要点

  • 力率改善に必要なコンデンサ容量はQ=P(tanθ₁-tanθ₂)。力率0.8のときtanθ=0.75、0.6のとき4/3なので、600kWを0.8→1.0なら450kvar、0.6→0.8なら800-450=350kvar
  • 短絡電流(短絡容量)の抑制は、高インピーダンスの変圧器・限流リアクトル・系統の分割で行い、電力用コンデンサは関係しない。系統を連系するとインピーダンスが小さくなり短絡容量は増加する
  • 安定度の向上はリアクタンスを小さくすること(低リアクタンスの機器・直列コンデンサ・回線の増加)で、高リアクタンスの変圧器や直列リアクトルは逆効果。高調波・フリッカの対策は短絡容量を大きく(電源側のインピーダンスを小さく)する方向で、SVRは応答が遅くフリッカ対策にならない
  • 分路リアクトルは並列に接続して進み電流を補償し、軽負荷時の電圧上昇を抑えるためにリアクトルを投入しコンデンサを開放する(重負荷時はコンデンサ投入)。同期調相機は進相・遅相の両方を連続調整でき、消弧リアクトルは地絡アークの消弧用で電圧調整には使わない
  • 保護継電は隣り合う保護区間の保護範囲を重ねて死角をなくす。パイロットリレー方式は両端の情報を伝送して内部故障を判別し、再閉路は架空送電系統で使う(単相再閉路は故障相のみ、三相再閉路は三相一括)。母線保護は設備保護で、事故波及防止リレーシステムには入らない
  • 非接地方式と比べた直接接地方式は、1線地絡時の電圧上昇が小さく絶縁を軽減できるが、地絡電流が大きく電磁誘導障害が大きい。%インピーダンスは基準容量への換算だけで、電圧の換算は要らない
  • 供給信頼度は大容量機器を少数設置するのではなく分散・並列化で上げ、定期点検は軽負荷期に計画する。風力・太陽光は出力を需要に合わせられない変動電源で、ピーク供給力は揚水・ガスタービンなど

勉強のしかた:10回すべてで3〜5問出る。短絡電流の抑制(インピーダンスを大きく)と安定度の向上(リアクタンスを小さく)が逆向きであることを軸に、調相設備の使い分け(軽負荷はリアクトル)、保護の考え方(範囲は重ねる)、力率改善のコンデンサ容量の計算を整理する。計算はtanθの値(0.75・4/3)を覚えておけば速い。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、電力系統で間違えやすい点を集めました。

  • 令和8年度 No.9:%Zの換算は「容量」だけ(%Z × 基準容量 / 自己容量)。電圧換算は不要。
  • 令和8年度 No.10:点検は需要が少ない時期(春・秋)に。大容量の単機より複数台に分けるほうが,1台故障時の供給力の低下が小さい。
  • 令和8年度 No.17:連系の短所:短絡容量の増大,事故の波及。長所:予備力の節減,広域運用による経済性の向上。
  • 令和7年度 No.6:Q = P(tanθ₁ − tanθ₂) = 1,200 × (4/3 − 3/4)。
  • 令和7年度 No.15:電圧調整:LRT・SVR・調相設備(コンデンサ・リアクトル・同期調相機・SVC)。消弧リアクトルは中性点接地方式の一つで,対地静電容量と並列共振させて地絡電流を打ち消す。
  • 令和7年度 No.17:安定度向上=リアクタンスを小さく(低リアクタンス変圧器・直列コンデンサ・回線増加)+系統電圧を高く・高速度遮断・高速度再閉路。

この論点の問題

パーセントインピーダンス法令和8年度 No.9
電力系統の供給信頼度の向上対策令和8年度 No.10
電力系統の連系の利点と課題令和8年度 No.17
力率改善に必要な進相コンデンサ容量令和7年度 No.6
電圧調整に用いる機器令和7年度 No.15
電力系統の安定度向上対策令和7年度 No.17
力率改善に必要な進相コンデンサ容量令和6年度 No.6
短絡容量の軽減対策令和6年度 No.9
電力系統保護の基本的な考え方令和6年度 No.16
電源の種類と供給力の役割令和5年度 No.12
事故波及防止リレーシステム令和5年度 No.19
電力系統の供給信頼度の向上対策令和5年度 No.20
調相設備の機能令和4年度 No.8
中性点接地方式(直接接地と非接地の比較)令和4年度 No.10
力率改善に必要なコンデンサ容量令和4年度 No.11
電力系統の安定度向上対策令和4年度 No.12
電力系統の運用と制御(電圧・周波数)令和4年度 No.20
リアクトルの設置目的令和3年度 No.8
短絡容量の軽減対策令和3年度 No.11
送電線の保護方式令和3年度 No.19
保護継電方式の基本令和2年度 No.19
供給信頼度の向上対策令和2年度 No.20
電圧フリッカの抑制対策令和2年度 No.27
電力系統の安定度向上対策令和元年度 No.11
送電線の再閉路方式令和元年度 No.19
電力系統の運用と制御令和元年度 No.20
リアクトルの設置目的平成30年度 No.8
受電点の短絡容量平成30年度 No.12
保護リレーシステム平成30年度 No.19
電力系統の安定度向上対策平成30年度 No.20
電圧フリッカの抑制対策平成30年度 No.27
力率改善に必要なコンデンサ容量平成29年度 No.11
短絡電流の抑制対策平成29年度 No.12
電力系統の保護平成29年度 No.19
配電系統の高調波平成29年度 No.26

同じ分野で出る論点

電気工学・電気設備では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが平成29年度〜令和8年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。