電気工事施工管理技士とは

電気工事施工管理技士は、建設業法第27条に基づく国家試験「電気工事施工管理技術検定」の第二次検定に合格した人が名乗れる称号です。発電所・変電所・送配電線路から、ビルや工場の受変電設備・幹線・照明・防災設備・情報通信設備、鉄道の電車線、道路照明までの電気工事で、施工計画と施工図をまとめ、工程・品質・安全を管理します。試験は、国土交通大臣の指定試験機関である一般財団法人 建設業振興基金が実施しています(建築施工管理技術検定と同じ機関です)。

  • 次回の試験日2級電気工事 一次 令和8年度 後期・2026年11月8日(日)、2級電気工事 二次 令和8年度・2026年11月8日(日)、1級電気工事 一次 令和9年度・2027年7月11日(日)ごろ、1級電気工事 二次 令和9年度・2027年10月17日(日)ごろ(「ごろ」は当サイトの見込み。主催者の発表前)
  • 直近の合格率1級電気工事 一次 36.3%(令和8年度)、1級電気工事 二次 69.6%(令和7年度)、2級電気工事 一次 57.4%(令和8年度 前期)、2級電気工事 二次 51.8%(令和7年度)
  • 合格基準得点が60%以上(1級の第一次検定は、あわせて施工管理法(応用能力)の6問中3問以上の正解)/得点が60%以上
  • 受検料1級 第一次検定 15,800円(非課税)、1級 第二次検定 15,800円(非課税)、2級 第一次検定のみ 7,900円(非課税)、2級 第二次検定のみ 7,900円(非課税)

当サイトでは、1級電気工事 一次・1級電気工事 二次・2級電気工事 一次・2級電気工事 二次の過去問2138問を、解説つきで無料で解けます。

1級と2級の違い

建設業法施行令第37条で、1級は監理技術者として、2級は主任技術者として必要な知識と能力を判定する検定とされています。2級に合格すると電気工事業の主任技術者になれ、1級に合格すると主任技術者に加えて監理技術者にもなれます。監理技術者は、発注者から直接請け負った工事で下請に出す金額の合計が5,000万円以上になるときに、元請の特定建設業者が現場に置く技術者です。電気工事業は、土木・建築・管・鋼構造物・舗装・造園とならぶ「指定建設業」の7業種の一つなので、特定建設業の許可を受けるときに営業所ごとに置く技術者と、現場の監理技術者は、1級の国家資格者など(国土交通大臣の認定を受けた者を含む)に限られ、実務経験だけでは務められません。

電気工事の現場では、電気工事士と電気工事施工管理技士の役割が違います。電気工事士(第一種・第二種)は電気工事士法に基づく資格で、自分の手で配線や器具の取付けなどの作業を行うために必要です。電気工事施工管理技士は建設業法に基づく資格で、工事全体の段取りと管理を担う技術者として現場に置かれます。第一種電気工事士は電気工事業の主任技術者になれる資格でもありますが、監理技術者になるには1級電気工事施工管理技士などの資格が要ります。2級は、土木や建築のような受検種別には分かれていません。

第一次検定に合格すると1級または2級の電気工事施工管理技士補になります(令和3年度からの制度)。1級技士補で、電気工事の主任技術者になれる資格(2級電気工事施工管理技士や第一種電気工事士など)も持つ人は監理技術者補佐になれ、補佐を専任で置いた現場では、監理技術者は2つの現場まで兼任できます。令和5年7月からは、1級第一次検定の合格後の実務経験で主任技術者になれる業種が広がりましたが、この緩和は指定建設業の電気工事業には適用されません。経営事項審査の技術職員の評価では、1級が5点(監理技術者資格者証を持ち監理技術者講習を受けた人は6点)、監理技術者補佐が4点、2級が2点です。

第一次検定と第二次検定

第一次検定はマークシート方式で、電気工学(電気理論・電気機器・電力系統・電気応用)、電気設備(発変電・送配電・構内電気設備・電車線・情報通信など)、関連分野(機械設備・土木・建築)、設計・契約、施工管理法、法規が出題されます。施工管理法には、施工管理の知識を現場の判断に使えるかを見る問題(1級は応用能力、2級は能力)があり、令和3年度から五肢択一で出題されています。1級はこの応用能力の6問のうち3問以上の正解も合格に必要です。学歴・実務経験は問われず、1級はその年度中に19歳以上、2級は17歳以上になる人が受検できます。1級は年1回(7月)、2級は前期(6月)と後期(11月)の年2回です。

第二次検定は、令和3年度から記述式とマークシートの組合せです。1級は施工経験記述、労働災害の防止または品質を確保する方法、技術用語の記述と、計算・法規の五肢択一、2級は施工経験記述、施工管理または安全管理の語句と高圧受電設備の単線結線図、技術用語の記述と、計算・法規の四肢択一です。令和6年度からの受検資格では、1級は1級第一次検定の合格後に実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上、監理技術者補佐としての経験なら1年以上)、または1級第一次検定の合格者(同じ年度に受ける人を含む)で、2級第二次検定か第一種電気工事士試験の合格後に所定の実務経験を積んだ人が受けられます。2級は、2級第一次検定の合格後3年以上、1級第一次検定の合格後1年以上、電気工事士試験・電気主任技術者試験の合格後1年以上の実務経験で受けられます。令和10年度までは経過措置として、令和5年度までの受検資格(学歴や資格ごとの実務経験年数)でも申し込めます。2級の第二次検定は後期の第一次検定と同じ日の午後に行われ、両方を同じ日に受ける人は、第一次検定が合格基準に届かないと第二次検定を採点されません。

級・検定試験試験時間受検資格合格基準収録問題
1級電気工事 一次年1回(7月)午前2時間30分(10:15〜12:45)・午後2時間(14:15〜16:15)その年度中に19歳以上になる人(学歴・実務経験は不要)得点が60%以上(1級の第一次検定は、あわせて施工管理法(応用能力)の6問中3問以上の正解)911問
1級電気工事 二次年1回(10月)3時間(13:00〜16:00)1級第一次検定の合格後の実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上、監理技術者補佐の経験なら1年以上)、2級第二次検定・第一種電気工事士の合格後の実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上)など。令和10年度までは旧受検資格でも受検できる得点が60%以上72問
2級電気工事 一次年2回(6月・11月)2時間30分(10:15〜12:45)その年度中に17歳以上になる人(学歴・実務経験は不要)得点が60%以上1078問
2級電気工事 二次年1回(11月)2時間(14:15〜16:15)2級第一次検定の合格後の実務経験3年以上、1級第一次検定の合格後の実務経験1年以上、電気工事士・電気主任技術者の合格後の実務経験1年以上(第一次検定の合格も必要)など。令和10年度までは旧受検資格でも受検できる得点が60%以上77問

次回の試験日

級・検定次回の試験日申込合格発表
2級電気工事 一次令和8年度 後期・2026年11月8日(日)・申込の受付は終了前期は例年2月、後期は6月下旬〜7月下旬(第一次検定のみはインターネット申込)。令和8年度は前期2月6日〜2月27日、後期6月29日〜7月27日でした。前期は7月中旬、後期は12月下旬(令和8年度は前期7月13日、後期12月21日)
2級電気工事 二次令和8年度・2026年11月8日(日)・申込の受付は終了例年6月下旬〜7月下旬(後期の第一次検定と同じ時期)。受検資格の区分により申込方法が違うので受検の手引を確認。翌年2月上旬(令和8年度は令和9年2月5日)
1級電気工事 一次令和9年度・2027年7月11日(日)ごろ(当サイトの見込み。主催者の発表前。例年7月中旬の日曜日(令和6〜8年度は7月の第2日曜日))例年2月中旬〜下旬(第一次検定のみはインターネットで4月上旬まで)。令和8年度は2月13日〜2月27日(第一次検定のみは4月7日まで)でした。8月下旬(令和8年度は8月25日)
1級電気工事 二次令和9年度・2027年10月17日(日)ごろ(当サイトの見込み。主催者の発表前。例年10月中旬の日曜日)例年2月中旬〜下旬(第一次・第二次の同時申込と第二次検定のみ)。受検資格の区分により申込方法が違うので受検の手引を確認。翌年1月上旬(令和8年度は令和9年1月8日)

日程・受検手数料は変更されることがあります。申込の前に 一般財団法人 建設業振興基金の公式サイト と受検の手引で必ずご確認ください。

どの試験から受けるか

電気工事の現場に入って間もない人は、前期・後期の年2回ある2級の第一次検定で技士補になり、実務経験を積んで2級の第二次検定に進むのが基本の道です。電気工事士や電気主任技術者の試験に合格している人は、その後1年の実務経験で2級の第二次検定の受検資格を満たせるので、2級の第一次・第二次を同じ年度に受けられる区分があります。19歳以上なら1級の第一次検定も実務経験なしで受けられ、1級技士補になれば1年の実務経験で2級の第二次検定を受けられます。すでに2級電気工事施工管理技士か第一種電気工事士で、合格後5年以上(特定実務経験を含めば3年以上)の実務経験がある人は、1級の第一次検定と第二次検定を同じ年度に申し込めます。第二次検定の施工経験記述は、令和5年度までは自分が経験した工事の概要を書いて答える形でしたが、令和6年度からは問題に示された条件(運用中の施設、作業時間の制約など)の電気工事について、自分の経験を踏まえて書く形に変わりました。担当した工事で、停電の段取り、安全のためにとった措置、試験・検査で確かめた数値を記録しておくと、どちらの形にも備えられます。受検資格の区分ごとの細かな条件と、実務経験として認められる工事・業務は、建設業振興基金の受検の手引で確認してください。

電気工事施工管理技士の施工経験記述:書き方と例文 →

電気工事施工管理技士の難易度・合格率・勉強の進め方 →

読みもの

電気工事施工管理技士の勉強法:独学での進め方と優先順位1級・2級電気工事施工管理技士の第一次・第二次検定に独学で合格するための勉強の進め方。1級の応用能力(6問中3問)の基準、選択問題の絞り方、計算問題の扱い、施工経験記述と技術用語の練習の順番を説明します。
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電気工事施工管理技士は独学か講座か:検定ごとの判断のしかた電気工事施工管理技士の受検準備で、独学で済む部分と、通信講座・資格スクール・社内研修に頼る価値がある部分を、第一次検定・第二次検定の別に解説します。電気工事士の資格の有無や現場経験による向き不向き、講座費用の判断のしかた、施工経験記述と技術用語の添削で見てもらう点も紹介します。
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電気工事施工管理技士の合格率の読み方:受検者の増加と「何問で受かるか」建設業振興基金と国土交通省が公表した数字をもとに、1級・2級電気工事施工管理技士の第一次・第二次検定の合格率の見方を解説します。令和6年度の受検資格の変更による受検者の増加、2級第二次の数え方、1級の応用能力6問中3問の基準を含む「何問で受かるか」を説明します。
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電気工事施工管理技士 第一次検定の頻出論点:出題数の多い論点の要点と引っかけ1級・2級電気工事施工管理技士 第一次検定の過去問の出題実績から、出題数の多い論点(送電・構内配線・受変電・電気理論・土木・工程管理・安全管理・建設業法・電気事業法など)の要点と、繰り返し出ている数値や語句の入れ替えの引っかけをまとめます。
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電気工事施工管理技士 第二次検定の頻出論点:問題ごとの出題パターンと答え方1級・2級電気工事施工管理技士 第二次検定の出題パターン。施工経験記述のテーマの並び、1級の品質を確保する方法と労働災害の防止、繰り返し出る技術用語、2級の施工管理・安全管理の語句と高圧受電設備の単線結線図、計算と法規の択一式をまとめます。
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電気工事施工管理技士の申込方法:受検資格の確認から手数料の払込みまで1級・2級電気工事施工管理技士に申し込むまでの流れを、令和8年度の受検の手引に沿って解説。新受検資格と令和10年度までの経過措置、電気工事士・電気主任技術者の合格者の区分、特定実務経験、1級「第一次検定のみ」のインターネット申込、2級の前期・後期と同時受検、受検手数料と払込みの時期を確認できます。
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電気工事施工管理技士の学習スケジュール:試験日から逆算する電気工事施工管理技士の学習計画を、1級(第一次 7 月・第二次 10 月)と2級(前期 6 月、後期と第二次 11 月)の試験日から逆算して組む方法。3 か月・6 週間・2 週間のモデルプランと、第一次と第二次を同じ年度に受ける場合の時間の割り振りを紹介します。
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電気工事施工管理技士 試験当日の持ち物と注意点電気工事施工管理技士の試験の日に持っていくもの、電卓が使えないこと、入室と試験の時刻、1級(午前・午後)と2級の解く順番、選択問題でマークを誤りやすい点、第二次検定の記述と択一の時間の割り振りを、令和8年度の受検の手引と問題用紙の注意事項から整理しました。
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ほかの資格

よくある質問

電気工事施工管理技士とは何ですか?

建設業法に基づく国家試験「電気工事施工管理技術検定」の第二次検定に合格した人の称号です。発変電・送配電から、建物の受変電設備・照明・防災・情報通信設備、電車線や道路照明までの電気工事で、施工計画と施工図をまとめ、工程・品質・安全を管理します。1級は監理技術者と主任技術者、2級は主任技術者になれます。試験は一般財団法人 建設業振興基金が実施しています。

電気工事施工管理技士の1級と2級の違いは?

電気工事の現場で、2級の資格者は主任技術者を、1級の資格者は主任技術者と監理技術者の両方を務められます。電気工事業は指定建設業なので、特定建設業の営業所に置く技術者と、下請に出す金額の合計が5,000万円以上になる元請の現場に置く監理技術者は、1級の資格者など(国土交通大臣の認定を受けた者を含む)でなければなりません。試験は1級・2級とも第一次検定と第二次検定の2段階で、1級の第一次検定は午前・午後の2部制、第二次検定の択一式は1級が五肢択一、2級が四肢択一です。

電気工事士とはどう違いますか?

電気工事士は電気工事士法に基づく資格で、配線や器具の取付けなどの作業を自分の手で行うために必要です。電気工事施工管理技士は建設業法に基づく資格で、工事の施工計画・工程・品質・安全を管理する技術者として現場に置かれます。第一種電気工事士でも電気工事業の主任技術者にはなれますが、監理技術者になるには1級電気工事施工管理技士などの資格が必要です。

技士補・監理技術者補佐とは何ですか?

令和3年度から、第一次検定の合格者は1級または2級の電気工事施工管理技士補と称することができます。1級技士補で、電気工事の主任技術者になれる資格(2級電気工事施工管理技士や第一種電気工事士など)も持つ人は監理技術者補佐になれます。1級技士補になっただけでは監理技術者補佐にはなれず、電気工事業は指定建設業なので、1級第一次検定の合格後の実務経験で主任技術者になれるようにした令和5年7月からの緩和も対象外です。

実務経験がなくても受けられますか?

第一次検定は実務経験なしで受けられます。1級はその年度中に19歳以上、2級は17歳以上になる人が対象です。第二次検定は、原則として第一次検定(または電気工事士試験・電気主任技術者試験など)の合格後に決められた年数の実務経験が必要です。令和10年度までは、令和5年度までの受検資格でも申し込めます。実務経験として認められる工事・業務や、特定実務経験・監理技術者補佐としての経験の扱いは、建設業振興基金の受検の手引で確認してください。

第一種電気工事士を持っていると有利ですか?

第二次検定の受検資格で有利になります。令和6年度からの受検資格では、1級第一次検定の合格者(同じ年度に受ける人を含む)で、第一種電気工事士試験の合格後に実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上)ある人は1級の第二次検定を受けられます。2級は、電気工事士試験の合格後1年以上の実務経験で第二次検定の受検資格を満たします。令和5年度までの受検資格(令和10年度まで使える経過措置)では、第一種電気工事士免状の交付を受けた人は、実務経験の年数を問わず2級の第二次検定を受けられる区分がありました。

会社にとって電気工事施工管理技士がいるメリットは?

公共工事の入札に必要な経営事項審査で、技術職員として加点されます。1級は5点(監理技術者資格者証を持ち監理技術者講習を受けた人は6点)、監理技術者補佐は4点、2級は2点です。また、電気工事業は指定建設業なので、特定建設業の許可を受けて元請として大きな電気工事を請け負うには、営業所ごとに1級の資格者などを置く必要があります。

試験情報の出典:一般財団法人 建設業振興基金の公開資料(最終確認 )。最終更新 。