熱工学
重要度 A一般基礎で出題過去問 32問
熱工学は、1級管工事施工管理技士 第一次検定の平成29年度〜令和8年度(10回)のうち10回で出題された論点です(収録730問中32問・重要度A)。出題されるのは一般基礎です。
要点:伝熱と熱通過率、熱力学とカルノーサイクル、冷凍サイクル、湿り空気、燃焼。
覚える要点
- カルノーサイクルは等温膨張(高温熱源から受熱)→断熱膨張→等温圧縮(低温熱源へ放熱)→断熱圧縮の4つの可逆過程で、熱の出入りは等温過程だけ。効率は1-T2/T1で、両熱源の温度差が大きいほど高い
- 断熱膨張では気体の温度が下がり、断熱圧縮では上がる。不可逆変化ではエントロピーが増加する(減少は誤り)。エンタルピーは内部エネルギーに外部への体積膨張の仕事を加えた状態量
- 気体は常に定圧比熱が定容比熱より大きく(比熱比は1より大きい)、固体・液体ではほぼ等しい。理想気体の体積は絶対温度に比例し、圧力に反比例する
- 熱放射は電磁波による熱移動で真空中でも伝わり、放射熱量は絶対温度の4乗に比例する。熱伝導の熱流は温度勾配に比例し(フーリエの法則)、熱伝達率は表面に当たる気流の速さで変わる
- 密度差による浮力で流れが起きる熱移動が自然対流熱伝達、送風機・ポンプによるものが強制対流熱伝達。熱通過率K=1/(1/α1+L/λ+1/α2)で、熱通過量は温度差と面積に比例する(壁厚の2乗に反比例は誤り)
- 圧縮式冷凍サイクルの成績係数は、蒸発温度を高く、凝縮温度を低くすると大きくなる。冷媒は蒸発潜熱で冷却し、モリエ線図では比エンタルピー一定の垂直線が膨張弁、右上がりの線が圧縮機
- 湿り空気を加熱すると絶対湿度は変わらず相対湿度が下がり、露点より高い温度の冷却でも絶対湿度は変わらない。水スプレー加湿は湿球温度一定で左上へ、蒸気加湿はほぼ真上で湿球温度も上がり、固体吸着減湿は乾球温度が上がる
- 必要な空気過剰率は気体燃料<液体燃料<固体燃料で、大きすぎると排ガスの熱損失が増える。窒素酸化物は高温燃焼で多く出る。高発熱量は水蒸気の凝縮潜熱を含み、低発熱量は含まない
勉強のしかた:毎回3〜4問の必須問題。熱力学(カルノーサイクル・比熱・エントロピー)、伝熱(熱放射の媒体、熱伝達率と気流)、冷凍サイクルの成績係数、湿り空気の状態変化(水加湿と蒸気加湿)、燃焼(空気過剰率・NOx)が交互に出る。気体の状態方程式や熱伝導率の計算も出るので、単位の換算を確かめておく。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、熱工学で間違えやすい点を集めました。
- 令和8年度 問題A No.5:カルノー効率は「1 − 低温/高温(絶対温度)」。両熱源の温度差が大きいほど効率が高い。
- 令和8年度 問題A No.6:J(ジュール)は熱量、W(ワット)は1秒当たりの熱量。まず時間で割ってWに直す。
- 令和8年度 問題A No.7:冷却コイルの出口空気は、Aとコイル表面の状態点(装置露点)を結ぶ直線上に来る。表面の空気層そのものは飽和空気線上にある。
- 令和8年度 問題A No.9:断熱は表面結露を防ぐ。ただし断熱材の内部や外気側で起こる内部結露には、室内側の防湿層が必要になる。
- 令和7年度 問題A No.5:圧力が1/2になると体積は2倍、絶対温度が1.2倍になると体積は1.2倍になる。
- 令和7年度 問題A No.6:単一の平板壁の熱伝導だけなら熱量は壁厚に反比例(1乗)する。「2乗」が誤りの目印である。
この論点の問題
熱力学(カルノーサイクル・エントロピー・比熱)令和8年度 問題A No.5
平面壁の熱伝導率の計算令和8年度 問題A No.6
湿り空気線図(冷却面に接する空気の状態点)令和8年度 問題A No.7
冬季の室内側壁面の表面結露令和8年度 問題A No.9
理想気体の状態方程式(体積の計算)令和7年度 問題A No.5
伝熱(熱伝導・熱放射・熱伝達・熱通過)令和7年度 問題A No.6
湿り空気線図(水スプレー加湿の状態変化)令和7年度 問題A No.7
冷凍サイクルとモリエ線図令和6年度 問題A No.5
カルノーサイクル令和6年度 問題A No.6
熱通過率の式(平板壁)令和6年度 問題A No.7
湿り空気線図上の状態変化令和6年度 問題A No.9
熱力学(比熱比・エンタルピー・エントロピー)令和5年度 問題A No.7
伝熱(熱放射・対流・熱伝導)令和5年度 問題A No.8
冷却と冷凍サイクル(成績係数)令和5年度 問題A No.9
熱(比熱・熱放射・膨張係数・成績係数)令和4年度 問題A No.7
燃焼(理論空気量・空気過剰率)令和4年度 問題A No.8
湿り空気の状態変化(加熱・冷却・加湿)令和4年度 問題A No.9
カルノーサイクル(P-V線図)令和3年度 問題A No.7
伝熱(対流熱伝達・熱伝導・熱放射)令和3年度 問題A No.8
燃焼(発熱量・窒素酸化物・空気過剰率)令和3年度 問題A No.9
熱の性質(比熱・断熱圧縮・成績係数)令和2年度 問題A No.7
伝熱(熱伝導・自然対流・放射・熱伝達)令和2年度 問題A No.8
湿り空気の状態変化と熱水分比令和2年度 問題A No.9
熱(熱起電力・エンタルピー・潜熱・比熱)令和元年度 問題A No.7
燃焼(空気過剰率・窒素酸化物・発熱量)令和元年度 問題A No.8
湿り空気の状態変化(蒸気加湿・顕熱冷却)令和元年度 問題A No.9
熱の用語の組合せ(ステファン・ボルツマン定数)平成30年度 問題A No.7
伝熱(熱放射・自然対流・熱伝導)平成30年度 問題A No.8
冷凍(冷媒の蒸発潜熱・モリエ線図)平成30年度 問題A No.9
カルノーサイクル(高温熱源から受熱する過程)平成29年度 問題A No.7
湿り空気(加熱・加湿・吸着減湿の状態変化)平成29年度 問題A No.8
燃焼(高発熱量・ウォッベ指数・理論空気量)平成29年度 問題A No.9
同じ分野で出る論点
一般基礎では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
出題実績は資格試験対策.netが平成29年度〜令和8年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。