流体工学
重要度 A一般基礎で出題過去問 30問
流体工学は、1級管工事施工管理技士 第一次検定の平成29年度〜令和8年度(10回)のうち10回で出題された論点です(収録730問中30問・重要度A)。出題されるのは一般基礎です。
要点:ベルヌーイの定理、圧力損失、レイノルズ数、水撃作用、ピトー管など。
覚える要点
- 全圧=静圧+動圧で、動圧はρv²/2(空気1.2kg/m³なら0.6v²)。圧力損失は全圧の差で求め、下流の値から上流の静圧を求めるときは損失を足す
- 直管の圧力損失は粘性による摩擦で生じ、ダルシー・ワイスバッハの式により管摩擦係数・管長・流速の2乗に比例し、管内径に反比例する(流速3倍で9倍、1/2で1/4倍)
- レイノルズ数Re=vd/νは慣性力と粘性力の比で、流速・管内径に1乗で比例し、円管では約2,000未満なら層流。動粘性係数νは粘性係数を密度で割った値(速度で割るは誤り)
- ニュートン流体のせん断応力は速度勾配に比例し、比例定数は粘性係数(動粘性係数ではない)。粘性係数は液体では温度が上がると小さく、気体では大きくなる。粘性の影響は壁面近くで顕著
- 小孔からの流出速度はトリチェリの定理でv=√(2gH)となり、密度に関係せず水頭の平方根に比例する(水位3倍で√3倍)。毛管現象は表面張力による現象で、トリチェリの定理やジュコフスキーの式とは関係がない
- ウォーターハンマーの圧力上昇はジュコフスキーの式ΔP=ρaΔvで、密度・圧力波の伝わる速さ・流速の変化に比例する。弾性係数の小さい硬質塩化ビニル管は鋼管より起きにくい
- 連続の式から管内径が1/2になると断面積は1/4、流速は4倍。くびれ部では流速が最大で静圧が最小になり、完全流体なら全圧と流量はどこでも一定。ピトー管で測る流速は差圧の平方根に比例する
- キャビテーションは静圧が局部的に飽和蒸気圧以下になって気泡が出る現象、サージングは外部の強制力なしに流量・圧力が周期的に変動する現象、カルマン渦は円柱などの下流に交互にできる渦
勉強のしかた:毎回3問の必須問題で、1問はほぼ毎回ベルヌーイの定理(全圧・静圧・動圧)の計算。ダルシー・ワイスバッハの式の比例関係、レイノルズ数と動粘性係数、トリチェリの定理、ウォーターハンマーの圧力上昇が繰り返し出るので、式の形で覚えて比で計算する。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、流体工学で間違えやすい点を集めました。
- 令和8年度 問題A No.2:圧力損失は管摩擦係数に比例し、流速の2乗に比例し、管内径に反比例する。流速の2乗の効きが最も大きい。
- 令和8年度 問題A No.3:内径が1/2になると断面積は1/4になり、風速は4倍になる。内径の比をそのまま掛けないこと。
- 令和8年度 問題A No.4:サージング=自励的な周期変動、ウォーターハンマー=弁の急閉などによる急激な圧力上昇、と区別する。
- 令和7年度 問題A No.2:Reは流速にも管内径にも1乗で比例する。流速か管内径を小さくするとReは小さくなる。
- 令和7年度 問題A No.3:圧力損失は上流側の全圧に「足す」。下流の値から上流を求めるときに引いてしまう誤りに注意する。
- 令和7年度 問題A No.4:ΔP = λ(L/D)(ρv²/2)。管長に比例、管内径に反比例、流速の2乗に比例と覚える。
この論点の問題
ダルシー・ワイスバッハの式(圧力損失の比較)令和8年度 問題A No.2
連続の式(縮小管の風速)令和8年度 問題A No.3
流体の用語(ウォーターハンマーとサージング)令和8年度 問題A No.4
レイノルズ数と層流になる条件令和7年度 問題A No.2
ベルヌーイの定理(点Aの静圧)令和7年度 問題A No.3
管内の圧力損失(粘性とダルシー・ワイスバッハの式)令和7年度 問題A No.4
トリチェリの定理(噴出速度と水位)令和6年度 問題A No.2
ベルヌーイの定理(管路の流速)令和6年度 問題A No.3
流体に関する用語の組合せ令和6年度 問題A No.4
流体の性質(動粘性係数・粘性係数)令和5年度 問題A No.4
直管の摩擦損失と流速(ダルシー・ワイスバッハの式)令和5年度 問題A No.5
ウォーターハンマー令和5年度 問題A No.6
流体(ウォーターハンマー・キャビテーション等)令和4年度 問題A No.4
管路の圧力損失の計算(全圧・静圧・動圧)令和4年度 問題A No.5
ピトー管の原理(流速と高さの関係)令和4年度 問題A No.6
流体の性質(粘性・レイノルズ数・定常流)令和3年度 問題A No.4
ダルシー・ワイスバッハの式(流速と圧力損失)令和3年度 問題A No.5
トリチェリの定理(流出孔の流速)令和3年度 問題A No.6
流体の性質(キャビテーション・動粘性係数)令和2年度 問題A No.4
ベルヌーイの定理(管路の圧力損失)令和2年度 問題A No.5
流体に関する用語の組合せ令和2年度 問題A No.6
流体(パスカルの原理・水撃圧・レイノルズ数)令和元年度 問題A No.4
管内の圧力損失(粘性とダルシー・ワイスバッハの式)令和元年度 問題A No.5
くびれのある水平管路の流速と静圧令和元年度 問題A No.6
流体(粘性係数・水の密度・表面張力・カルマン渦)平成30年度 問題A No.4
水平管路のB点の流速の計算(全圧・静圧)平成30年度 問題A No.5
流体の用語の組合せ(トリチェリの定理)平成30年度 問題A No.6
流体の性質(レイノルズ数・ニュートン流体)平成29年度 問題A No.4
直管の摩擦損失(ダルシー・ワイスバッハの式)平成29年度 問題A No.5
開放水槽の流出孔の流速(ベルヌーイの定理)平成29年度 問題A No.6
同じ分野で出る論点
一般基礎では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
出題実績は資格試験対策.netが平成29年度〜令和8年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。