保温・塗装・腐食

重要度 B一般基礎・施工管理法・応用能力で出題過去問 23問

保温・塗装・腐食は、1級管工事施工管理技士 第一次検定の平成29年度〜令和8年度(10回)のうち10回で出題された論点です(収録730問中23問・重要度B)。出題されるのは一般基礎・施工管理法・応用能力です。

要点:保温・保冷の施工、塗装、腐食の原因と防食(異種金属接合・電気防食など)。

覚える要点

  • 異種金属接触腐食では、イオン化傾向の大きい(卑な)金属が腐食するので、自然電位が大きく違う配管は絶縁継手で接続する。腐食は常にアノード(陽極)側で起き、マクロセル腐食も陽極部分が腐食する
  • 開放系の炭素鋼の腐食速度は水温とともに80℃付近まで増え、それを超えると溶存酸素が減って下がる。密閉系は酸素がほとんど供給されず腐食が遅い。鋼管は酸性(pHが低い)ほど、溶存酸素が多いほど、軟水ほど腐食しやすい
  • 蒸気配管は、炭酸などを含む凝縮水が流れる還水管のほうが蒸気管より腐食しやすい。冷温水管の白管には溝状腐食の起きにくい鍛接鋼管や耐溝状腐食電縫鋼管を使い、黄銅の弁棒は脱亜鉛腐食を起こす
  • 防食テープの小さな傷は、露出する陽極部の面積が小さいほど腐食が集中して早く穴があく。土中から鉄筋コンクリートの外壁を貫通する鋼管は、鉄筋に触れていなくてもマクロセルを作って腐食する
  • 電気防食の外部電源方式は被防食体を直流電源装置のマイナス端子に、流電陽極方式はマグネシウム合金などを犠牲陽極につなぐ。溶融めっきは溶融金属の槽に浸す方法、金属溶射は溶融金属を吹き付ける方法
  • 機械室の露出配管のグラスウール保温は、保温筒→鉄線→ポリエチレンフィルム→外装の順で、ポリエチレンフィルムは防湿の補助材。ポリスチレンフォーム保温筒は鉄線を巻かず、合わせ目を全て粘着テープで止める
  • テープ巻きは重ね幅15mm以上で、立て管は下から上へ巻く。保温材の継目は同一線上を避ける。蒸気管が壁・床を貫通する部分は前後25mm程度保温しない。塗装は気温5℃以下・湿度85%以上などのときは行わない
  • グラスウールの24K・32K・40Kは密度を表し、密度が大きいほど熱伝導率は小さい。保温材の熱伝導率は温度が上がると大きくなる。ステンレス鋼板製の貯湯タンク(SUS444製を除く)はエポキシ系塗装で保温材と絶縁する

勉強のしかた:毎回1〜3問で、腐食・防食は令和3年度からの二つ選ぶ問題にも出る。保温は施工の順序とテープ巻きの向き、ポリスチレンフォーム保温筒のテープ止め、腐食は開放系の80℃、pHと腐食の関係、蒸気管と還水管、外部電源方式のマイナス端子が繰り返し問われる。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、保温・塗装・腐食で間違えやすい点を集めました。

  • 令和8年度 問題B No.8:鉄線は「保温筒を締める」ので常に保温筒の次。ポリエチレンフィルムは防湿のため、その外側に巻く。
  • 令和8年度 問題B No.29:外部電源方式は「被防食体をマイナス側」。電子を送り込んで、被防食体を陰極にする。
  • 令和7年度 問題B No.8:保温材の継目は「ずらす」が原則である。
  • 令和7年度 問題B No.9:蒸気配管の腐食は還水管で起こりやすい。
  • 令和6年度 問題B No.8:鉄線巻きのピッチは帯状材50mm以下、スパイラルダクトは150mm以下。ポリスチレンフォーム保温筒は合わせ目を全てテープ止め。
  • 令和6年度 問題B No.29:小アノード・大カソードは腐食が集中して危険。異種金属の接合や被覆の小さな傷に注意する。

この論点の問題

保温・保冷の施工令和8年度 問題B No.8
腐食・防食(電気防食・金属溶射)令和8年度 問題B No.29
保温・保冷・塗装(継目・F☆☆☆☆・塗装条件)令和7年度 問題B No.8
腐食・防食(溝状腐食・蒸気配管・めっき)令和7年度 問題B No.9
保温・保冷の施工(テープ止め・鉄線巻き)令和6年度 問題B No.8
設備配管の腐食と防食令和6年度 問題B No.29
金属材料の腐食(炭素鋼・すきま腐食)令和5年度 問題A No.10
保温・保冷(目地・貫通部・熱伝導率)令和5年度 問題B No.8
腐食・防食(溝状腐食・電気防食・pH)令和5年度 問題B No.10
保温・保冷の材料と施工令和4年度 問題B No.8
腐食・防食(蒸気配管・電気防食)令和4年度 問題B No.10
腐食(選択腐食・かい食・マクロセル腐食)令和3年度 問題A No.10
配管の保温(施工順序・貫通部)令和3年度 問題B No.8
土中埋設配管の防食処置令和3年度 問題B No.10
保温・保冷の施工(鉄線巻き・テープ巻き)令和2年度 問題B No.15
金属材料の腐食(pH・水温・流速)令和元年度 問題A No.10
保温の施工(貯湯タンク・保温筒・床貫通)令和元年度 問題B No.15
防食方法(めっき・溶射・電気防食)令和元年度 問題B No.16
保温・保冷・塗装(テープ巻き・塗装工程)平成30年度 問題B No.15
配管用炭素鋼鋼管(白管)の腐食要因平成30年度 問題B No.16
金属材料の腐食(すきま腐食・異種金属接触)平成29年度 問題A No.10
保温・保冷・塗装(保温筒・床貫通部・塗装条件)平成29年度 問題B No.15
腐食・防食(溶接・溝状腐食・かい食・脱亜鉛)平成29年度 問題B No.16

同じ分野で出る論点

一般基礎・施工管理法・応用能力では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが平成29年度〜令和8年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。