日商簿記3級の勉強法(独学で合格するまでの進め方)

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

日商簿記3級は、第1問の仕訳が45点を占める試験です。独学では、論点ごとに仕訳の型を覚え、数字が変わる問題で手に覚えさせ、最後に60分の模擬試験で通して解く、という順番がいちばん迷いません。始める前に受験日を決め、2027年3月31日までと4月1日以降のどちらの範囲・配点で受けるかを確かめてください。

最初に受験日を決め、範囲と配点を確かめる

3級は、受ける日によって出題の範囲と配点が変わります。2027年4月1日以降の試験から、出題区分表と配点が変わるためです。ネット試験でも統一試験でも同じです。

受験する日出題の範囲配点(第1問・第2問・第3問)
2027年3月31日まで2022年度版の出題区分表(手形を含む)45点・20点・35点(運営調べ)
2027年4月1日以降2027年度版の出題区分表(手形を削除、2級から一部の論点が移る)45点・25点・30点(日本商工会議所 2026年9月25日公表)

どちらの時期も合計100点で、70点以上が合格です。変わる論点は2027年度の改定にまとめています。

もう1つ、最初に知っておくことがあります。3級は、回ごとの過去問が公開されていません。練習は例題・練習問題・模擬試験で行います。日本商工会議所は、実際に出題された問題の一部をサンプル問題として公開しているので、出題の形を見ておくとよいでしょう。

勉強の順番:論点ページ → 仕訳ドリル → 模擬試験

当サイトの教材は、次の3段階で使うように作っています。

段階使うページやること次へ進む目安
1. 型を知る論点別の解説要点と仕訳のパターン表を読み、例題を解いて解説とひっかけを確かめる例題の仕訳を、解説を見ずに書ける
2. 手に覚えさせる仕訳ドリル論点を選び、数字と取引先が毎回変わる問題を解く同じ型を続けて正解できる
3. 60分で通す模擬試験第1問〜第3問を時間を計って解き、大問ごとの点を記録する70点以上を安定して取れる

論点ページの一覧は「取引の仕訳」「帳簿・伝票」「決算と財務諸表」の3つに分かれています。この順に進めると、仕訳で覚えた科目を帳簿と決算でそのまま使えます。

仕訳ドリルは数字が毎回変わるので、答えを覚えずに取引の考え方で解く練習になります。正答率の低い型や今日の復習の型から解き直せます。

論点ページの例題と解説、模擬試験の演習セット1は無料です。仕訳ドリルは無料で1日20問まで解けます。演習セット2〜6・予想問題・自動で組む模擬試験・弱点分析は有料会員向けです。

第1問(仕訳・45点)の練習の仕方

第1問は仕訳の問題で、どちらの時期も45点です。合格点の70点の半分以上をここで取れるので、最初に固めるのは第1問です。

ネット試験の答え方に合わせて練習する

  • 科目は「選ぶ」形で練習する。ネット試験の仕訳問題は、勘定科目をプルダウンで選びます。科目名を書けることより、似た科目(仮払金と前払金、未収入金と売掛金など)から正しく選べることが大事です。
  • 金額は数字だけで入力する。円マークや文字を入れると不正解になります。カンマは要りません。
  • 同じ科目は1行にまとめる。1つの設問の中で、同じ勘定科目は借方・貸方それぞれ1回までです。同じ側に2回使うと不正解になります。

答え方のきまりは出題方法と答え方に詳しく書いています。

論点を進める順番

  1. お金と商品:現金・現金過不足、普通預金・当座預金、商品売買、売掛金・買掛金
  2. 貸し借りと一時的な科目:貸付金・借入金、未収入金・仮払金など、給料・租税公課など
  3. 固定資産と決算に関係する仕訳:固定資産の取得・売却、貸倒れ、消費税、法人税等
  4. 応用:証ひょうからの仕訳、訂正仕訳

ほかの論点も論点別の解説の一覧から選べます。1つの論点の例題を解いたら、すぐにその論点だけの仕訳ドリルを解きます。全部の論点を終えたら、論点を混ぜて解きます。本番では、どの論点が何問目に出るか分からないからです。

第2問(帳簿・補助簿など)の練習の仕方

第2問は帳簿の記入などの問題で、2027年3月31日までは20点(運営調べ。主催者は大問ごとの配点を公表していません)、4月1日以降は25点です。4月以降に受ける人は、第2問の重みが増えることを頭に入れておいてください。

第2問の型は、次のように分けて練習します。どれも、先に取引を仕訳に直してから表に書き写すと、まちがいが減ります。

型論点ページ練習のポイント
記入する帳簿を選ぶ補助簿の選択仕訳の科目から、どの補助簿に書くかを決める
商品の受け払い商品有高帳先入先出法と移動平均法で、払出単価の出し方を分ける
伝票伝票・仕訳日計表代金の一部が現金の取引を、2枚の伝票に分けて起票する
勘定の記入と締切決算振替・帳簿の締切損益勘定への振替と、次期繰越・前期繰越の書き方
固定資産の帳簿固定資産台帳取得日と月割りの減価償却費
用語・語群選択用語・簿記の基本用語の意味を、例を挙げて説明できるようにする

第3問(決算・精算表・財務諸表)の練習の仕方

第3問は決算の問題で、2027年3月31日までは35点(運営調べ)、4月1日以降は30点です。出題の形は、精算表、貸借対照表・損益計算書、決算整理後残高試算表のどれかです。

どの形でも、解き方の流れは同じです。

  1. 決算整理事項を1つずつ仕訳に直し、計算用紙に書く
  2. 仕訳の金額を、決算整理前の残高に足したり引いたりする
  3. 精算表・財務諸表・残高試算表の欄に書き写す
  4. 当期純利益(または純損失)を出し、借方と貸方の合計が合うかを確かめる

決算整理事項は、毎回ほぼ同じ顔ぶれから組み合わせて出ます。決算整理(全般)で一覧をつかみ、減価償却・経過勘定・貸倒引当金・消費税・法人税等の論点ページで1つずつ確かめてください。

第3問でまちがえやすい所

  • 減価償却の月割り。期中に取得した固定資産は、使った月数の分だけ償却します。
  • 売上原価の計算。期首の商品を仕入に振り替え、期末の商品を仕入から繰越商品に振り替える2本の仕訳を、セットで書きます。
  • 財務諸表の表示名。貸借対照表では繰越商品を「商品」、前払家賃などを「前払費用」と書きます。貸倒引当金は売掛金などから差し引く形で書きます。

まずは時間を気にせず1題を最後まで解き、借方と貸方の合計を合わせる練習から始めてください。

模擬試験で60分の使い方を決める

論点を一通り終えたら、模擬試験で第1問から第3問までを60分で解きます。本番と同じく、どの大問から解いてもかまいません。

時間配分は先に決めておきます。たとえば、第1問に20分、第3問に20分、第2問に15分、見直しに5分という配分が1つの例です。

  • 本番で使う電卓で解く。当サイトの画面には電卓がありますが、本番では使えません。
  • 計算用紙はA4の紙2枚に絞る。ネット試験では、会場がA4の紙2枚とボールペンを配ります。紙が足りなくならないように、書き方に慣れておきます。
  • 終わったら大問ごとの点を記録する。点が低い大問の論点ページに戻り、仕訳ドリルで解き直してから、もう一度模擬試験を解きます。

模擬試験は、受験する時期に合わせて配点を切り替えられます。2027年4月1日以降に受ける人は、新しい配点で採点してください。

2027年度の改定への備え

範囲が変わる論点は、受験日によって勉強するかどうかが分かれます。

論点2027年3月31日までに受ける2027年4月1日以降に受ける
約束手形・手形貸付金・手形借入金勉強する範囲から外れる
販売のつど売上原価に振り替える方法範囲外(2級の範囲)勉強する
有形固定資産の除却・廃棄範囲外(2級の範囲)勉強する
減価償却の定率法範囲外(2級の範囲)勉強する(簡易な出題)
普通預金(複数の口座)・キャッシュレス決済これまでどおり区分表に明記。口座の間の振替も練習する

受験日がまだ決まらない人は、どちらの範囲にも入っている論点から始めてください。現金・預金、商品の売買(三分法)、掛け、固定資産の取得と売却、決算整理の多くは、どちらの時期も範囲に入っています。範囲が分かれる論点は、受験日を決めてから取りかかれば間に合います。

よくある質問

日商簿記3級の過去問はどこで手に入りますか?

3級は、回ごとの過去問が公開されていません。ネット試験は受験者ごとに違う問題が出て、統一試験も問題用紙は試験後に回収されます。日本商工会議所は、2021年度以降に実際に出題された問題の一部をサンプル問題として公開しています。当サイトの例題・仕訳ドリル・模擬試験の問題は、出題区分表と出題形式に合わせた当サイトのオリジナルです。

第2問と第3問は、どちらから練習すればよいですか?

第3問からがおすすめです。決算整理の仕訳は第1問の仕訳の延長で、配点も2027年3月31日までは35点(運営調べ)、4月1日以降は30点と、第2問より大きいからです。2027年4月以降に受ける人は、第2問が25点になるので、第2問も早めに手をつけてください。

2027年3月に受けるなら、手形は勉強しますか?

勉強します。2027年3月31日までの試験は2022年度版の出題区分表の範囲なので、手形も出題される可能性があります。2027年4月1日以降に受けるなら、手形は範囲から外れます。

あわせて読む

出典・参考:3級 試験科目・注意事項(日本商工会議所、2026年10月29日確認)、日商簿記検定試験 ネット試験について(日本商工会議所、2026年10月29日確認)、2027年度以降の日商簿記3級試験問題の配点について(日本商工会議所、2026年10月29日確認)、2027年度適用の出題区分表等(確定版)(日本商工会議所、2026年10月29日確認)、サンプル問題(日本商工会議所、2026年10月29日確認)

この記事は資格試験対策.netが作成しました。内容の誤りにお気づきの場合は お問い合わせフォーム からお知らせください。最終更新 。