売掛金・買掛金・クレジット売掛金の仕訳(日商簿記3級)
売掛金(資産)は商品を掛けで売ったときの代金を後で受け取る権利、買掛金(負債)は商品を掛けで仕入れたときの代金を後で払う義務です。クレジット払いやQRコード決済などのキャッシュレス決済で売ったときは、決済会社に対する債権をクレジット売掛金(資産)で処理します。3級では、回収・支払いの仕訳と、決済の手数料の処理が問われます。
要点
- 売掛金・買掛金は、商品の売買の代金だけに使います。備品など商品以外の物の代金の後受け・後払いは、未収入金・未払金です。
- 掛け代金を回収したら売掛金を減らし(貸方)、支払ったら買掛金を減らします(借方)。
- 振込手数料を当社が負担するときは、支払手数料(費用)で処理します。手数料を差し引かれて入金されても、売掛金は全額を減らします。
- クレジット売掛金:信販会社や決済事業者から後で受け取る代金です。2027年度の出題区分表では「キャッシュレス決済を含む」と明記されました。
- 決済の手数料は、販売時に計上する指示があれば支払手数料として計上し、クレジット売掛金は手数料を引いた額にします。売上は手数料を引かず全額です。
売掛金元帳・買掛金元帳
売掛金元帳(得意先元帳)・買掛金元帳(仕入先元帳)は、取引先ごとの売掛金・買掛金の増減を記録する補助簿です。各取引先の残高の合計は、総勘定元帳の売掛金勘定・買掛金勘定の残高と一致します。
仕訳のパターン
| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 売掛金が普通預金口座に入金された | 普通預金 ×× | 売掛金 ×× |
| 当社負担の振込手数料を差し引いて入金された | 普通預金 ××・支払手数料 ×× | 売掛金 ××(全額) |
| 買掛金を普通預金口座から振り込んだ(手数料は当社負担) | 買掛金 ××・支払手数料 ×× | 普通預金 ×× |
| クレジット払い・キャッシュレス決済で売り上げた(手数料は販売時に計上) | クレジット売掛金 ××・支払手数料 ×× | 売上 ×× |
| クレジット売掛金が入金された | 普通預金 ×× | クレジット売掛金 ×× |
例題
例題1
東野商店に対する売掛金 ¥350,000 が、普通預金口座に振り込まれた。
答えと解説
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 350,000 | 売掛金 | 350,000 |
- 売掛金を回収したので、売掛金(資産)を貸方で減らします。
- 入金先は普通預金口座なので、借方は普通預金です。
例題2
上田商店に対する買掛金 ¥280,000 を、普通預金口座から振り込んで支払った。なお、振込手数料 ¥440 は当社負担で、同じ口座から引き落とされた。
答えと解説
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 280,000 | 普通預金 | 280,440 |
| 支払手数料 | 440 |
- 買掛金 ¥280,000 を借方で減らします。
- 当社負担の振込手数料 ¥440 は支払手数料(費用)です。
- 口座から出ていったのは ¥280,000 + ¥440 = ¥280,440 です。
ひっかけ:振込手数料を買掛金に含めません。
例題3
商品 ¥120,000 をクレジット払いの条件で販売した。なお、信販会社への手数料(販売代金の 3%)は販売時に計上する。
答えと解説
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| クレジット売掛金 | 116,400 | 売上 | 120,000 |
| 支払手数料 | 3,600 |
- 売上は全額の ¥120,000 です。
- 手数料は ¥120,000 × 3% = ¥3,600 で、支払手数料(費用)です。
- 信販会社から受け取るのは ¥120,000 − ¥3,600 = ¥116,400 で、クレジット売掛金にします。
ひっかけ:クレジット払いの代金は売掛金ではなくクレジット売掛金です。
例題4
先日、商品 ¥120,000 をクレジット払いの条件で販売し、信販会社への手数料(販売代金の 3%)は販売時に計上した。本日、信販会社から手数料を差し引いた ¥116,400 が普通預金口座に入金された。
答えと解説
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 116,400 | クレジット売掛金 | 116,400 |
- クレジット売掛金 ¥116,400 を貸方で減らし、普通預金を借方に記入します。
ひっかけ:手数料は販売時に計上済みなので、入金時にはもう計上しません。
例題52027年4月から
商品 ¥48,000 を販売し、代金はスマートフォンのQRコード決済で受け取った。決済事業者への手数料(販売代金の 2.5%)は販売時に計上する。なお、キャッシュレス決済による代金の債権はクレジット売掛金勘定で処理する。
答えと解説
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| クレジット売掛金 | 46,800 | 売上 | 48,000 |
| 支払手数料 | 1,200 |
- 手数料は ¥48,000 × 2.5% = ¥1,200 で、支払手数料です。
- 決済事業者から受け取るのは ¥48,000 − ¥1,200 = ¥46,800 で、クレジット売掛金にします。
ひっかけ:代金はまだ受け取っていないので、現金にしません。
この論点をランダム仕訳で練習(問題の型 6 種類。数字と取引先が毎回変わります)
まちがえやすい点
- 商品以外(備品・土地など)の代金を後で受け取る・払うときは、売掛金・買掛金ではなく未収入金・未払金です。
- 当社負担の振込手数料を差し引かれて入金されても、売掛金は請求した全額を減らします。差額は支払手数料です。
- クレジット払いの手数料は売上から引きません。売上は全額、手数料は支払手数料、クレジット売掛金は手数料を引いた額です。
- 一部が現金、残りがクレジット払いの売上では、手数料はクレジット払いの部分だけに掛けます。
- 入金・支払いの口座は問題文のとおりにします。普通預金口座と書かれていれば、当座預金にしません。
2027年度の改定との関係
2027年度の出題区分表では、クレジット売掛金に「キャッシュレス決済を含む」と書き加えられました。QRコード決済や電子マネーなどで売り上げたときも、クレジット売掛金で処理すると考えます。また、手形の規定が削除され、紙の小切手も廃止されるため、当サイトの2027年度の範囲の問題では、掛け代金の回収・支払いを普通預金口座への振込みなどで出題します。詳しくは2027年度の改定をご覧ください。
掛けの仕入れ・売上げそのものは商品売買の仕訳で扱います。
よくある質問
売掛金とクレジット売掛金はどう違いますか?
売掛金は得意先に対する掛け代金、クレジット売掛金はクレジット払いやキャッシュレス決済で売ったときの信販会社・決済事業者に対する代金です。3級では勘定を分けて処理します。
QRコード決済の売上はどの勘定ですか?
2027年度の出題区分表では、キャッシュレス決済もクレジット売掛金に含まれます。手数料は支払手数料として処理します。
振込手数料はどの勘定で処理しますか?
当社が負担する振込手数料は支払手数料(費用)です。買掛金や売掛金の金額には含めません。
出典:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年4月1日施行・確定版)(2026-10-29 確認)、日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表などの改定について【確定版】」(2026-10-29 確認)
当サイトは日本商工会議所・各地の商工会議所とは関係ありません。問題はすべて当サイトのオリジナルです。執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)。このページの最終更新 。