日商簿記3級の勘定科目一覧

日商簿記3級で使う主な勘定科目を、資産・負債・純資産・収益・費用の5分類と、その他(現金過不足・損益)に分けて一覧にしました。日本商工会議所の「商業簿記標準・許容勘定科目表」は、標準の科目(A欄)と、採点では正解として扱われる許容の科目(B欄)を分けて示しています。仕訳はまず標準の名前で覚え、許容の名前は「別の言い方でも正解になる」と知っておけば十分です。

科目名と分類は2027年4月1日施行の勘定科目表で確かめています。勘定科目表は主な科目を示したもので、すべての科目の一覧ではありません。問題文で科目が指定されたときは、その指示に従います。2027年3月31日までに受ける場合は、手形の科目も範囲に入ります(2027年度の変更)。

資産の勘定科目

資産は、会社が持っている財産や、お金を受け取る権利です。増えたら借方、減ったら貸方に書きます。表の最後の2つ(減価償却累計額・貸倒引当金)は、資産から差し引く科目で、増えたら貸方に書きます。

勘定科目一言の説明主な仕訳・論点
現金紙幣・硬貨と、郵便為替証書などすぐにお金に換えられる証券(2027年3月までの範囲では他人振出の小切手も)現金・現金過不足
小口現金少額の支払い用に担当者へ渡したお金小口現金
普通預金普通預金口座の残高。口座ごとの勘定もある普通預金・当座預金
当座預金当座預金口座の残高普通預金・当座預金
定期預金預ける期間を決めた預金口座の間の振替
売掛金商品を掛けで売った代金を受け取る権利売掛金・買掛金
クレジット売掛金カード・キャッシュレス決済で売った代金(手数料を引いた額)クレジット売掛金
電子記録債権発生記録をした売掛金などの代金を受け取る権利電子記録債権
貸付金貸したお金を返してもらう権利貸付金・利息
従業員貸付金従業員に貸したお金貸付金・利息
役員貸付金取締役などの役員に貸したお金貸付金・利息
未収入金商品以外の物(備品など)を売った代金の未収分未収入金・未払金
前払金商品を受け取る前に払った手付金・内金商品売買(手付金)
立替金取引先などが負担する費用を立て替えた額立替金・仮払金
従業員立替金従業員の個人的な支払いを立て替えた額給料と差し引き
仮払金内容や金額が決まっていない支出(旅費の概算払いなど)立替金・仮払金
受取商品券他社などが発行した商品券を受け取った額受取商品券
差入保証金建物などを借りるときに差し入れた敷金など差入保証金
繰越商品三分法で、期末に残った商品(次期に繰り越す)決算整理(売上原価)
商品販売のつど売上原価に振り替える方法での在庫(2027年度から)売上原価対立法
貯蔵品期末に残った未使用の切手・収入印紙など租税公課・貯蔵品、除却
仮払消費税仕入などで支払った消費税(税抜方式)消費税
仮払法人税等中間申告で前もって納めた法人税等法人税等
前払保険料など前払費用の各勘定。次期分を先に払った費用経過勘定
未収利息など未収収益の各勘定。当期分でまだ受け取っていない収益経過勘定
建物店舗・事務所・倉庫など固定資産の取得
備品机・パソコン・陳列棚など固定資産の取得
車両運搬具営業用の自動車・トラックなど固定資産の取得
土地店舗などの敷地。減価償却はしない固定資産の取得
建物減価償却累計額など減価償却費の累計。建物・備品などから差し引く減価償却
貸倒引当金売掛金などの貸倒れに備えた見積額。債権から差し引く貸倒引当金

「前払保険料など」「未収利息など」は、勘定科目表で前払費用・未収収益の「各勘定」とされている科目です(前払家賃・前払地代・前払利息、未収家賃・未収地代など)。減価償却累計額は、建物減価償却累計額・備品減価償却累計額・車両運搬具減価償却累計額のように資産ごとに分けるのが標準です。

負債の勘定科目

負債は、お金を払う義務や、商品・サービスを引き渡す義務です。増えたら貸方、減ったら借方に書きます。

勘定科目一言の説明主な仕訳・論点
買掛金商品を掛けで仕入れた代金を払う義務売掛金・買掛金
電子記録債務発生記録をした買掛金などの代金を払う義務電子記録債務
前受金商品を引き渡す前に受け取った手付金・内金前受金
借入金借りたお金を返す義務借入金・利息
役員借入金取締役などの役員から借りたお金借入金・利息
当座借越当座預金の残高を超えて引き出した額当座借越
未払金商品以外の物(備品など)を買った代金の未払分未収入金・未払金
仮受金内容がわからない入金を一時的に記録する仮払金・仮受金
未払利息など未払費用の各勘定。当期分でまだ払っていない費用経過勘定
前受手数料など前受収益の各勘定。次期分を先に受け取った収益経過勘定
預り金他人から一時的に預かったお金給料・預り金
従業員預り金従業員から一時的に預かったお金給料・預り金
所得税預り金給料から差し引いた源泉所得税給料・預り金
住民税預り金給料から差し引いた住民税給料・預り金
社会保険料預り金給料から差し引いた社会保険料の本人負担分給料・法定福利費
仮受消費税売上などで受け取った消費税(税抜方式)消費税
未払消費税決算で計算した、これから納める消費税消費税
未払法人税等決算で計算した法人税等のうち、まだ納めていない額法人税等
未払配当金株主総会で決めた配当のうち、まだ払っていない額剰余金の配当

前受家賃・前受地代・前受利息なども前受収益の各勘定、未払家賃・未払給料なども未払費用の各勘定です。

純資産の勘定科目

純資産は、資産から負債を引いた残りで、株主が出したお金と会社がためた利益です。増えたら貸方、減ったら借方に書きます。

勘定科目一言の説明主な仕訳・論点
資本金株式を発行して株主から払い込まれた額株式の発行
利益準備金配当をするときに積み立てる、会社法で決まった準備金剰余金の配当
繰越利益剰余金利益の累計のうち、配当などに使っていない額決算振替、配当

収益の勘定科目

収益は、純資産が増える原因(もうけのもと)です。発生したら貸方に書きます。

勘定科目一言の説明主な仕訳・論点
売上商品を売った額商品売買
受取家賃建物などを貸して受け取る家賃経過勘定
受取地代土地を貸して受け取る地代経過勘定
受取手数料仲介などのサービスで受け取る手数料現金過不足の原因が受取手数料と分かるとき
受取利息貸付金や預金について受け取る利息貸付金・利息
雑益金額が小さく、ほかの科目に当たらない収益現金過不足
貸倒引当金戻入貸倒引当金の残りが多すぎた分を戻した額貸倒引当金
償却債権取立益前期以前に貸倒れとした債権を回収できた額貸倒れ
固定資産売却益固定資産を帳簿価額より高く売ったときの差額固定資産の売却

費用の勘定科目

費用は、純資産が減る原因(収益を得るために使ったもの)です。発生したら借方に書きます。

勘定科目一言の説明主な仕訳・論点
仕入三分法で、仕入れた商品の額商品売買
売上原価売った商品の原価売上原価対立法、決算整理
発送費商品を発送する費用(送料など)商品売買(送料)
給料従業員に払う給料給料・預り金
法定福利費社会保険料のうち会社が負担する分給料・法定福利費
広告宣伝費広告・チラシなどの費用—
支払手数料振込手数料・仲介手数料など支払手数料
支払利息借入金について払う利息借入金・利息
旅費交通費電車・バス・タクシー代や出張の旅費仮払金の精算
貸倒引当金繰入決算で貸倒引当金を積み増した額貸倒引当金
貸倒損失回収できなくなった債権の額(貸倒引当金を充てない分)貸倒れ
減価償却費固定資産の取得原価のうち、当期の費用にする額減価償却
通信費電話代・インターネット代・郵便切手代など貯蔵品
消耗品費文房具・コピー用紙など、すぐ使う物の代金小口現金
水道光熱費水道・電気・ガスの料金小口現金
支払家賃店舗・事務所を借りて払う家賃支払家賃
支払地代土地を借りて払う地代支払家賃・地代
保険料火災保険などの保険料経過勘定
租税公課固定資産税・印紙税など(利益にかかる税は除く)租税公課
修繕費建物などを元の状態に保つための修理代資本的支出との違い
保管費商品を倉庫に預ける費用など—
諸会費同業者の団体や町内会などの会費—
雑費金額が小さく、ほかの科目に当たらない費用小口現金
雑損金額が小さく、ほかの科目に当たらない損失現金過不足
固定資産売却損固定資産を帳簿価額より安く売ったときの差額固定資産の売却
固定資産除却損使うのをやめた固定資産の帳簿価額のうち、損になる額(2027年度から)除却・廃棄
法人税、住民税及び事業税当期の利益にかかる法人税・住民税・事業税法人税等

「法人税、住民税及び事業税」は「法人税等」でも採点上許容されます。当サイトの問題では「法人税等」を使っています。

その他の勘定科目

どの分類にも属さない、一時的に使う科目です。決算までに正しい科目へ振り替えるか、締め切って残高をなくします。

勘定科目一言の説明主な仕訳・論点
現金過不足帳簿と実際の現金が合わない額を一時的に記録する現金過不足
損益決算で収益・費用を集め、当期純利益を計算する決算振替

2027年度の変更(消える科目・入る科目)

2027年4月1日以降の試験から、紙の手形の廃止に合わせて手形の科目が3級の勘定科目表から消え、2級から移る論点に使う科目が加わります。改定の全体は2027年度の改定にまとめています。

勘定科目2027年度からの扱い論点
受取手形消える(3級の範囲外)約束手形(2027年3月まで)
支払手形消える(3級の範囲外)約束手形(2027年3月まで)
手形貸付金消える(3級の範囲外)手形貸付金(2027年3月まで)
手形借入金消える(3級の範囲外)手形借入金(2027年3月まで)
商品入る。販売のつど売上原価に振り替える方法で使う売上原価対立法
固定資産除却損入る。有形固定資産の除却・廃棄で使う除却・廃棄
売上原価以前から3級の科目。販売のつど振り替える方法でも使う売上原価対立法
貯蔵品以前から3級の科目。除却した資産の処分見込額にも使う除却・廃棄

電子記録債権・電子記録債務は2027年度も変わらず範囲に入ります。許容の科目も一部変わり、当座預金に「銀行預金」が加わった一方、支払家賃・支払地代の「地代家賃」「(支払)賃借料」「(支払)不動産賃借料」と、未払配当金の「未払株主配当金」は表から外れました。

採点上許容される勘定科目

勘定科目表のB欄の科目は、A欄の標準の科目の代わりに書いても採点で正解として扱われます。ネット試験の仕訳問題は、勘定科目を選択肢から選んで答えるので、標準の名前を覚えておけば迷いません。選択肢に許容の名前しかないときは、それを選びます。勘定科目名を入力する問題でも、標準の名前で書くのが確実です(ネット試験の答え方)。

標準(A欄)採点上許容(B欄)
普通預金・当座預金・定期預金銀行預金
売掛金・買掛金〇〇商店(取引先の名前の勘定)
従業員貸付金・役員貸付金貸付金
従業員立替金立替金
前払金前渡金
未収入金未収金
仮払消費税・仮払法人税等仮払金
前払保険料など前払費用
未収利息など未収収益
車両運搬具車両、運搬具
建物減価償却累計額減価償却累計額
備品減価償却累計額減価償却累計額
車両運搬具減価償却累計額車両減価償却累計額、減価償却累計額
借入金銀行借入金
役員借入金・当座借越借入金
未払利息など未払費用
前受手数料など前受収益
従業員預り金・所得税預り金預り金
住民税預り金・社会保険料預り金預り金
仮受消費税仮受金
未払消費税未払金
雑益雑収入、雑収益
貸倒引当金戻入貸倒引当金戻入益
固定資産売却益備品売却益、土地売却益、建物売却益
発送費支払運賃、発送運賃
給料給料手当、賃金給料
法定福利費社会保険料
広告宣伝費広告費、広告料、宣伝費
支払手数料販売手数料
旅費交通費旅費、交通費
貸倒引当金繰入貸倒引当金繰入額
減価償却費建物減価償却費、備品減価償却費
消耗品費事務用消耗品費
水道光熱費光熱水費
保険料支払保険料、火災保険料
租税公課公租公課、固定資産税、印紙税
修繕費(支払)修繕料、修理費
雑損雑損失
固定資産売却損備品売却損、建物売却損、土地売却損
固定資産除却損固定資産廃棄損、備品除却損、建物除却損
保管費保管料、倉庫料
法人税、住民税及び事業税法人税等

この表に載っていない標準の科目(現金・小口現金・電子記録債権・資本金・売上・仕入・支払家賃など)には、許容の科目はありません。許容の科目は、問題文で科目が指定されたときは使えないことがあります。

建設業の勘定科目との対応

建設業経理士では、建設業の財務諸表のきまりに合わせて、商品売買の科目が工事の科目に置き換わります。仕訳の考え方は同じなので、3級の科目と対応させて覚えると移りやすくなります。現金・預金・貸倒引当金・減価償却累計額などは同じ名前です。建設業経理士2級の対策は建設業経理士2級に、試験の違いは日商簿記と建設業経理士の違いにあります。

日商簿記3級建設業経理士意味
売上完成工事高完成して引き渡した工事の請負代金
売掛金完成工事未収入金完成工事高のうち、まだ受け取っていない代金
前受金未成工事受入金工事が完成する前に受け取った代金
買掛金工事未払金工事の材料費・外注費などの未払分
売上原価完成工事原価完成工事高に対応する工事の原価
(3級にはない)未成工事支出金まだ完成していない工事にかかった原価

よくある質問

日商簿記3級の勘定科目は全部覚える必要がありますか?

ネット試験の仕訳問題は選択肢から勘定科目を選ぶので、名前を一字一句書ける必要はありません。大切なのは、科目が資産・負債・純資産・収益・費用のどれに当たるかと、増えたとき借方・貸方のどちらに書くかです。似た科目(未収入金と売掛金、仮払金と立替金など)の違いは、論点別の解説の例題で確かめてください。

「法人税等」と「法人税、住民税及び事業税」はどちらが正しいですか?

日本商工会議所の勘定科目表では、標準の科目が「法人税、住民税及び事業税」、採点上許容される科目が「法人税等」です。どちらで答えても正解として扱われます。ネット試験では選択肢にある方を選びます。

2027年4月以降に受けるなら、受取手形・支払手形は覚えなくてよいですか?

はい。2027年4月1日以降の試験では手形の規定が出題区分表から削除され、受取手形・支払手形・手形貸付金・手形借入金も勘定科目表から消えました。2027年3月31日までに受けるなら範囲に入るので、約束手形を学習してください。電子記録債権・電子記録債務は引き続き範囲に入ります。

貸倒引当金や減価償却累計額は、なぜ資産の表にあるのですか?

どちらも資産(売掛金などの債権や、建物・備品など)から差し引いて、その資産の実際の価値を表す科目だからです。残高は貸方に出ますが負債ではなく、勘定科目表でも資産の欄に載っています。貸借対照表では、対応する資産の下に差し引く形で書きます。

出典:商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年4月1日施行)(2026-10-30 確認)、同(2022年度版からの変更箇所を記載)(2026-10-30 確認)、出題区分表(2027年度 確定版)(2026-10-30 確認)、2027年度適用の出題区分表等(確定版)(2026-10-30 確認)

当サイトは日本商工会議所・各地の商工会議所とは関係ありません。問題はすべて当サイトのオリジナルです。執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)。このページの最終更新 。