租税公課・貯蔵品の仕訳(日商簿記3級)

租税公課は、固定資産税や印紙税(収入印紙)など会社の費用になる税金の科目です。貯蔵品は、決算日に使い残した郵便切手・収入印紙を次期に繰り越すための資産です。3級では、収入印紙・固定資産税の支払い、決算での貯蔵品への振替、翌期首の再振替が問われます。

出題:第1問・第3問 科目の確かめ:勘定科目一覧

要点

もの買ったとき・払ったときの科目決算日に残っていたら
収入印紙租税公課(費用)貯蔵品(資産)へ振り替える
郵便切手・はがき通信費(費用)貯蔵品(資産)へ振り替える
固定資産税・自動車税租税公課(費用)―
法人税・住民税・事業税法人税等(租税公課にしない)―

収入印紙は、契約書や領収書にかかる印紙税を納めるためのものなので、切手と違って租税公課で処理します。

決算日に使っていない切手・印紙は、次期に使える物なので当期の費用から除き、貯蔵品(資産)に振り替えます。翌期首には、決算の仕訳の貸借を逆にして元の費用の勘定に戻します(再振替仕訳)。

仕訳のパターン

場面借方貸方
収入印紙と切手を買い、すぐ使った租税公課 ××/通信費 ××現金 ××
固定資産税を納付した租税公課 ××普通預金 ××
決算日に未使用の印紙・切手があった貯蔵品 ××租税公課 ××/通信費 ××
翌期首の再振替租税公課 ××/通信費 ××貯蔵品 ××

例題

例題1

収入印紙 ¥6,000 と郵便切手 ¥2,400 を購入し、代金は現金で支払った。なお、いずれもすぐに使用した。

答えと解説
借方科目金額貸方科目金額
租税公課6,000現金8,400
通信費2,400
  1. 収入印紙は印紙税を納めるためのものなので租税公課(費用)。
  2. 郵便切手は通信費(費用)。
  3. 合計 ¥6,000 + ¥2,400 = ¥8,400 を現金で支払った。

ひっかけ:収入印紙を通信費にしない。

例題2

店舗の土地と建物にかかる固定資産税 ¥360,000 を、普通預金口座から全額納付した。

答えと解説
借方科目金額貸方科目金額
租税公課360,000普通預金360,000
  1. 固定資産税は、土地・建物などを持っていることにかかる会社の税金で、租税公課(費用)。
  2. 普通預金から納付したので、貸方は普通預金。

ひっかけ:法人税等や、建物・土地の取得原価にしない。

例題3

固定資産税 ¥480,000 の納税通知書を受け取り、このうち第1期分 ¥120,000 を現金で納付した。なお、固定資産税は納付したときに費用として処理している。

答えと解説
借方科目金額貸方科目金額
租税公課120,000現金120,000
  1. 納付したときに費用にするので、今回納めた第1期分 ¥120,000 だけを租税公課(費用)にする。
  2. 現金で納付したので、貸方は現金。

ひっかけ:年税額 ¥480,000 の全額を計上しない。

例題4

決算日に、郵便切手 ¥1,800 と収入印紙 ¥4,000 が未使用のまま残っていた。なお、購入時に郵便切手は通信費勘定、収入印紙は租税公課勘定で処理している。決算整理の仕訳を行う。

答えと解説
借方科目金額貸方科目金額
貯蔵品5,800通信費1,800
租税公課4,000
  1. 使っていない切手・印紙は当期の費用ではないので、通信費 ¥1,800 と租税公課 ¥4,000 を貸方で減らす。
  2. 合計 ¥5,800 を貯蔵品(資産)として借方に計上する。

ひっかけ:消耗品費(事務用品などの費用)の勘定は使わない。切手は通信費、印紙は租税公課から減らす。

例題5

期首にあたり、前期末に貯蔵品勘定へ振り替えた郵便切手 ¥1,800 と収入印紙 ¥4,000 について、再振替仕訳を行う。なお、購入時に郵便切手は通信費勘定、収入印紙は租税公課勘定で処理している。

答えと解説
借方科目金額貸方科目金額
通信費1,800貯蔵品5,800
租税公課4,000
  1. 前期末の仕訳(貯蔵品/通信費・租税公課)の貸借を逆にする。
  2. 貯蔵品 ¥5,800 を貸方で減らし、通信費 ¥1,800 と租税公課 ¥4,000 を借方に戻す。

ひっかけ:再振替仕訳は決算の仕訳の逆。貯蔵品を借方に書かない。

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まちがえやすい点

  • 収入印紙は租税公課、郵便切手は通信費。科目を取り違えない。
  • 法人税・住民税・事業税は租税公課ではなく法人税等で処理する。
  • 毎年かかる固定資産税は費用(租税公課)で、建物・土地の取得原価に含めない。
  • 決算日に使い残した切手・印紙は貯蔵品へ振り替える。事務用品の消耗品費とは別。
  • 再振替仕訳は翌期首に行い、決算の仕訳と貸借が逆になる。

2027年度の改定との関係

2027年4月からの試験では、有形固定資産の除却(使わなくなった固定資産を帳簿から除くこと)が3級の範囲に入ります。除却した固定資産に処分価値(売れる見込みの額)があるときも、その額を貯蔵品で処理します。詳しくは2027年度の改定をご覧ください。

よくある質問

収入印紙は何の勘定で処理しますか?

印紙税を納めるためのものなので、租税公課(費用)で処理します。決算日に使っていない分があれば、貯蔵品(資産)に振り替えます。

貯蔵品の再振替仕訳とは何ですか?

前期末に貯蔵品へ振り替えた切手・印紙を、当期首に元の費用の勘定(通信費・租税公課)へ戻す仕訳です。決算の仕訳の貸借を逆にします。

固定資産税は法人税等で処理しますか?

いいえ。固定資産税は租税公課(費用)です。法人税等は、会社のもうけにかかる法人税・住民税・事業税に使います。

出典:日本商工会議所 商工会議所簿記検定試験 出題区分表(2027年度 確定版)(2026-10-29 確認)

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