植栽・移植
重要度 A問題1・問題2・問題3・問題4で出題過去問 33問
植栽・移植は、1級造園施工管理技士 第二次検定の平成28年度〜令和7年度(10回)のうち10回で出題された論点です(収録212問中33問・重要度A)。出題されるのは問題1・問題2・問題3・問題4です。
要点:高木の植栽・移植(根回し・掘取り・根巻き・積込み・立込み・水極め・土極め)、支柱の材料と結束、移植後の養生。
覚える要点
- 溝掘り式根回しは、根元直径の3〜5倍程度の鉢を定めて周囲を掘り、支持根(太根)を3〜4方向に残して幅10〜15cm程度、形成層まで環状はく皮し、ほかの根は鉢の面で切って鋭利な刃物で切り直す。はく皮部や切り口から細根が出て、細根の多い根鉢になる
- 根回しの後は良質土で埋め戻して突き固め、十分に灌水し、必要に応じて枝透かし・摘葉と支柱の取付けを行う。根回しの適期は春の萌芽前から梅雨期までで、秋〜冬の休眠期は適さない
- 掘取りの前に上鉢のかき取り・枝しおり・仮支柱・枝葉の切詰めや摘葉を行う。根回し済みの木は根回しの位置より一回り外側を掘って新根を切らず、側面は垂直に、底部は丸みを付けて掘り、太根の切り口は切り直して防腐処理する
- 根巻きは、先に根鉢の側面にわら縄を水平にたたき締めながら上部から下部へ巻く樽巻き、次に鉢の肩から底部へ縄を上下に掛け回す揚巻きの順。鉢崩れによる細根の切断と根の乾燥を防ぎ、根と土が密着したまま植え付けられるので活着が良くなる
- 枝しおりは梢に近い上部の枝から下方の枝へ、各段では幹に近い内側の枝から外側の枝へ順に幹側へ寄せて縄で結束する。積込みでは吊り位置の幹に緩衝材と当て木を添えてナイロンスリングで吊り、荷台にむしろ・枕木を置いて擦れを防ぐ
- 植付けは、植穴の底を耕して不良土を除き、根の付け根の最上端が土に隠れる程度に高さを調整して深植えを避け、表裏を見極めて植穴の中心に立てる。水極めは水を注ぎ棒で突いて根鉢との隙間をなくし、過湿を嫌うクロマツなどは水を使わない土極めとし、最後に水鉢を切って灌水する
- 支柱は、幹との交差部に杉皮などの保護材を巻いてシュロ縄で割り縄がけに結束し、丸太どうしは釘打ちのうえ鉄線がけとする。八ツ掛は基部を地中に埋めて根止め杭を打つ。支柱で根鉢の動揺を防ぐと新根が切れず、根鉢と土の密着が保たれて活着が進む
- 適期外や夏の植栽では、枝透かし・摘葉や蒸散抑制剤で蒸散を抑え、幹巻き(蒸散と幹焼け・寒害の防止)、マルチング(乾燥・地温の変化・雑草の抑制)で養生する。元肥は根に直接触れないよう土と混ぜ、搬入した樹木を置くときは根鉢を覆土しシートで覆って散水する
勉強のしかた:問題2・問題4(令和6年度からは問題1・3)で毎年出る最重要論点で、溝掘り式根回し・掘取り・根巻き・枝しおり・立込み・水極め・支柱の結束が条件を変えて繰り返し問われる。作業ごとに「目的・手順・留意事項」を1文ずつ書けるようにし、樹種の性質(常緑・落葉、過湿に弱いか)と工期の時期から問題点と対策を考える練習をする。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、植栽・移植で間違えやすい点を集めました。
- 令和7年度 問題1 設問(2):(イ) は「対象部位等を明記して」が条件。「幹を保護する」だけでなく、どこに何を当てるかまで書く。クレーンの据付け・操作は除外。(ロ) は3つとも違う効果を書く(乾燥防止と保水は同じ効果)。
- 令和7年度 問題1 設問(3):(イ) の目的は「蒸散の抑制(水分のつり合い)」で、樹形を整える(修景)だけでは不十分。(ロ) は寸法を除くので「皮はぎ・割れ・曲がり・虫食いがない・防腐処理」。(ハ) は倒木防止を除くので「新根が切れない」仕組みを書く。
- 令和6年度 問題1 設問(2)(イ):Bを「灌水」「地均し」だけにしない。水極めは埋戻しの中で水を注いで土を流し込む方法で、仕上げに根元の周囲に水鉢を切って灌水する。Aは根鉢を植穴に据えて高さ・向きを整える立込み(深植えにしない)。
- 令和6年度 問題1 設問(2)(ロ)〜(ニ):(ロ)は「対象となる樹木について」の調査で、搬入路・土質・気象などは除外。(ハ)は根回し済みの樹木なので「根回しの位置より外側で掘る」「環状はく皮した太根の外側で切る」が要点。枝葉の切詰めと根巻きは除外。(ニ)は樹幹の保護材を除くので、本数・方向・杭・緩みのない張り方・クリップ止めを書く。
- 令和6年度 問題1 設問(3):問題点は「樹木の特性(常緑広葉樹・寒さに弱い)」と「工期(冬期)」を結び付けて書く。「植栽適期でない」だけでは何が起こるかが分からない。対策は具体的な作業(摘葉・蒸散抑制剤・幹巻き・風よけ・マルチング)を書く。
- 令和6年度 問題3 設問(2):①は根鉢の側面を横(水平)に巻く樽巻き、②はその上から縦・横に縄を掛ける揚巻き。順序を逆にしない。
この論点の問題
シラカシの移植(移動式クレーンでの積込み時の品質管理上の措置・マルチングの効果)令和7年度 問題1 設問(2)
高木植栽(植付け時の剪定の目的と方法・支柱の杉丸太の選定・支柱が活着を助ける仕組み)令和7年度 問題1 設問(3)
高木移植の作業手順(植付けの中の作業・穴埋め)令和6年度 問題1 設問(2)(イ)
カツラの移植(事前調査事項・根回し済みの樹木の掘取りの作業・ワイヤー張り支柱の措置)令和6年度 問題1 設問(2)(ロ)〜(ニ)
シラカシの植栽(樹木の特性と工期から想定される問題点・対策の作業)令和6年度 問題1 設問(3)
クスノキの掘取りの根巻き(縄で根鉢を締める順序・穴埋め)令和6年度 問題3 設問(2)
サルスベリ・ソヨゴの植付けで元肥を施すときの留意事項と作業内容令和5年度 問題2 設問(2)
ケヤキの溝掘り式根回し(環状はく皮の作業上の留意事項・はく皮しない根を鉢の面で切り戻す理由)令和5年度 問題2 設問(3)
クスノキの高木移植(八ツ掛支柱の基部・丸太と樹幹部の結束方法・植付け後の養生作業)令和5年度 問題2 設問(4)
搬入したソメイヨシノを2日間現地保管するときの乾燥防止の措置令和5年度 問題4 設問(1)(ニ)
ケヤキの根巻き(揚巻き・樽巻きの作業内容)令和5年度 問題4 設問(1)(ホ)1)
根巻きの手順(揚巻きと樽巻きのうち先に行う作業)令和5年度 問題4 設問(1)(ホ)2)
根回し済みのクスノキの移植(掘取り・枝しおり・立込み・水極め・支柱)令和4年度 問題2 設問(2)
移植したクスノキの幹巻き(目的と作業方法)令和4年度 問題4 設問(1)(ハ)
植栽工・移植工(クロマツの土極め・シラカシの移植の事前調査・支持根の切断部の処置・ワイヤー張り支柱)令和3年度 問題2 設問(3)
クスノキの掘取りの根巻き(縄の巻き方の名称)令和3年度 問題4 設問(3)(イ)
クスノキの移植(掘取り前に行う作業・水極めによる埋戻し後に行う作業とその目的)令和3年度 問題4 設問(3)(ロ)(ハ)
ケヤキの移植(溝掘り式根回しが活着を促す仕組み・移動式クレーンでの積込み時の品質管理上の措置)令和2年度 問題2 設問(3)(イ)(ロ)
シラカシの植栽(道路を通行する歩行者の安全確保・工期との関係で想定される問題点と対策)と八ツ掛支柱が活着を助ける仕組み令和2年度 問題2 設問(3)(ハ)③(ニ)(ホ)
根巻きが樹木の活着を良好にする理由令和2年度 問題4 設問(2)
高木植栽(クロガネモチの枝葉の剪定の目的と方法・立込み作業の留意事項・工期との関係で留意する灌水)令和元年度 問題2 設問(2)
イヌマキの布掛支柱(杉丸太・唐竹の材料選定・結束方法)令和元年度 問題2 設問(3)
ウメの溝掘り式根回し(環状はく皮の留意事項・切り口を鋭利な刃物で切り直す理由)令和元年度 問題2 設問(4)
6月に移植したカツラの夏季に備えた養生作業の名称と作業目的令和元年度 問題4 設問(1)(ハ)
高木植栽工・高木移植工(元肥の留意事項と作業内容・クロマツの土極めの理由と留意事項・支柱が活着を助ける仕組み)平成30年度 問題2 設問(2)
ケヤキの掘取り(試掘り・太根の切り口の処理・樽巻きと揚巻き)と積込み前に枝をまとめる作業の名称平成30年度 問題2 設問(4)(イ)(ロ)
ケヤキの移植(積込み前に枝をまとめる作業の手順・移動式クレーンでの積込み時に樹幹や枝葉を傷めない措置)平成30年度 問題2 設問(4)(ロ)(ハ)
搬入したナツツバキを2日間現地保管するときの品質管理上の措置平成30年度 問題4 設問(1)(ハ)
高木植栽工(立込み作業の留意事項・クスノキの水極めの手順・二脚鳥居型支柱の杉丸太の選定と結束方法)平成29年度 問題2 設問(3)
ケヤキの根回し工(対象木の品質の調査事項・溝掘り式根回しの根の処理)平成29年度 問題2 設問(4)
シラカシの掘取り前に行う作業(目的と内容)・植付け後の幹巻きの目的と効果平成29年度 問題4 設問(3)
クスノキの移植(溝掘り式根回しの仕組み・掘取りで行う作業・冬の移植の問題点と対策・ワイヤー張り支柱の措置)平成28年度 問題2 設問(2)
根巻きを行うことが樹木の活着を良好にする理由平成28年度 問題4 設問(4)
同じ問題で出る論点
問題1・問題2・問題3・問題4では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
出題実績は資格試験対策.netが平成28年度〜令和7年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。