令和4年度 問題2 設問(2)論点:植栽・移植重要度 A未着手

根回し済みのクスノキの移植(掘取り・枝しおり・立込み・水極め・支柱)

これは1級造園施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年12月4日(日)実施) 問題2 設問(2)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。

(2) 移植工に関し、以下の(イ)〜(ホ)について答えなさい。

【問題2】次に示す〔図面〕、〔工事数量表〕及び〔工事に係る条件〕に基づく造園工事の施工管理に関する以下の設問(1)〜(5)について答えなさい。

注)表中の*の欄に入る語句及び数値は、出題の趣旨から記入していない。

〔工事に係る条件〕

・本工事は、供用中の地区公園内の新設遊具設置に伴う公園再整備工事であり、上記の工事数量表に基づく工事を施工するものである。

・本公園の位置は関東地方である。

・移植工は、本公園の供用区域内(図の範囲外)で、前年度に予め溝掘り式根回しを行ってあるクスノキを掘り取ってから運搬して植え付ける。

・工事区域と供用区域との境界には、立入防止柵が既に設置されている。

・遊具組立設置工は、図の遊具エリアに本公園用に設計した木製複合遊具の組立設置を行うもので、設置箇所は発注者と現地確認の上、協議で決定する。

・工事区域内の園路、トイレ、四阿、滑り台、4連ブランコは既存の施設である。

・公園施設撤去工は、木製複合遊具設置や植栽の後に行う既設園路のアスファルト舗装の打換えに当たり発生するアスファルト殻を撤去する。

・工期は6月1日から翌年の3月15日までとする。

(イ) あらかじめ根回しを行ってあるクスノキの掘取り作業において、樹木の品質を保持するために行う作業を3つ記述しなさい。

(ただし、幹や枝葉に対して行う作業及び根巻きの作業は除く。)

(ロ) 根巻きの終わったクスノキについて、積込み作業を行う前、枝折れを防ぐとともに、運搬に支障がないように行う作業の名称とその作業手順を具体的に記述しなさい。

(ただし、剪定作業は除く。)

(ハ) クスノキの植付けに当たり、植え穴掘りが終わった後の樹木の立込み作業に関する留意事項を具体的に2つ記述しなさい。

(ただし、使用する移動式クレーンなどの選定やそれを使用した作業、吊り上げ時の樹木の保護養生、及び安全管理に関する内容は除く。)

(ニ) クスノキの植付けにおいて水極めを行うこととしている。この水極めの作業手順とその内容を具体的に記述しなさい。

(ホ) クスノキの植付け後、樹木の動揺を防ぎ活着を助けるために二脚鳥居型支柱を設置した。支柱の設置が樹木の活着を助ける仕組みについて具体的に記述しなさい。

(ただし、倒木の防止に関する内容は除く。)

〔図面〕造園工事の平面図(縮尺バー0〜50m、方位記号のNは右下で上を向く)。一点鎖線の工事区域は、図の左上から右下へ広がる不整形の区域で、上部の右側は池に接する。池の手前の曲線状の植栽地にシャリンバイ(波形の帯)が2列ある。区域の中央を左下から右上へ脱色アスファルト舗装(灰色)の園路が弧を描いて横切り、区域の左端で下へ分かれる。クスノキ(ク)は8本で、園路の上側に4本(左端に1本、中央に2本、右端に1本)、園路の下側に4本(トイレの右に2本、区域の左寄りに2本)ある。園路の下側にトイレ、そのすぐ右に四つ目垣(両端が黒丸の短い線)、その下に四阿と細い園路がある。区域の右下は遊具エリアで、滑り台、ケヤキ(ケ)1本、4連ブランコ、木製複合遊具がある。区域の内外に既存木(白丸)が多数ある。凡例:一点鎖線=工事区域、ケ=ケヤキ、ク=クスノキ、波形の帯=シャリンバイ、白丸=既存木、両端が黒丸の線=四つ目垣、灰色=脱色アスファルト舗装。ただし、図中の標示は位置のみを示している。
〔工事数量表〕
工種種別細別規格単位数量備考
植栽基盤工透水層工暗渠排水高密度ポリエチレン製有孔管φ150m*
植栽基盤工土性改良工土性改良*m²*
植栽工高木植栽工ケヤキH(m) 3.5、C(m) 0.21、W(m) 1.0本1二脚鳥居型支柱(添え木あり)
植栽工中低木植栽工シャリンバイH(m) 0.4、C(m) ―、W(m) 0.3本550
移植工高木移植工クスノキH(m) 3.5、C(m) 0.2、W(m) 1.0本8二脚鳥居型支柱(添え木あり)
修景施設整備工袖垣・垣根工垣根四つ目垣m7
遊戯施設整備工遊具組立設置工木製複合遊具―基1基礎を含む
公園施設等撤去・移設工公園施設撤去工公園施設撤去―式1
園路広場整備工アスファルト系舗装工脱色アスファルト舗装―m²300

解答欄

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本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

(イ) 掘取り作業で品質を保持するために行う作業 1 模範解答

根回しの際の根鉢より一回り外側を掘り、根回し後に切り口や環状はく皮の部分から出た新しい細根を切らないように掘り取る。

58 字
別解

環状はく皮した太根は、はく皮部分から発生した細根を残すよう、はく皮位置より外側で切断する。

掘取りは1日の植付け量だけとし、掘り置きして根鉢を乾燥させないよう、掘り取ったらすぐに運搬・植付けへ進める。

(イ) 掘取り作業で品質を保持するために行う作業 2 模範解答

根鉢の側面は樹木に応じた鉢径で垂直に掘り下げ、底部は丸みを付けて整形し、鉢崩れが起きないようにする。

50 字
別解

根鉢の底の直根や太根は鉢を揺すらずに鋭利な刃物で切り、鉢を崩さないように底を掘り取る。

掘取りの前日に十分灌水して根鉢の土を締まった状態にし、掘取り中の鉢崩れと根の乾燥を防ぐ。

(イ) 掘取り作業で品質を保持するために行う作業 3 模範解答

鉢の外に出た根や割れ・傷のある根は、鋭利な刃物で切り返して切り口を平滑にし、根の腐れを防ぐ。

46 字
別解

掘り取った根鉢はシートやむしろで覆い、直射日光や風に当てて根を乾燥させないようにする。

太い根の切り口は平滑に切り直し、必要に応じて殺菌剤などを塗って腐朽を防ぐ。

(ロ) 積込み前に行う作業の名称 模範解答

枝しおり

4 字
別解

枝おり(枝折り)

(ロ) その作業手順 模範解答

梢に近い上部の枝から下方の枝へ、各段では幹に近い内側の枝から外側の枝へ順に幹側へ寄せ、わら縄で折れない強さに結束して樹冠を細くまとめる。

68 字
別解

上の枝から下の枝へ、内側の枝から外側の枝へと順に枝を幹に引き寄せて縄で結び、枝先が折れない強さで締めて運搬時の幅を小さくまとめる。

(ハ) 立込み作業に関する留意事項 1 模範解答

根鉢の上端が周りの地盤とほぼ同じ高さになるよう、植穴の底に土を入れて高さを調整し、深植えにしない。

49 字
別解

根の付け根の最上端が土に隠れる程度の高さに根鉢を据え、深植えや浅植えにならないよう植穴の底で調整する。

(ハ) 立込み作業に関する留意事項 2 模範解答

樹木の表裏を見極めて見栄えのよい面を主な視点側に向け、幹が鉛直になるよう植穴の中心に立てる。

46 字
別解

立込み前に植穴の底を耕して中高に敷き均し、根鉢の底が安定して据わるようにしてから立て込む。

根鉢を据えた後、根巻きの結束を緩め、腐らない合成繊維の資材は取り除いてから埋め戻す。

(ニ) 水極めの作業手順とその内容 模範解答

根鉢の周りに土を入れながら水を十分に注ぎ、木の棒で土を突いて泥状にし根鉢との隙間をなくす。水が引いたら残りの土を入れ、軽く押さえて地均しする。

71 字
別解

埋戻し土を数回に分けて入れ、その都度水を注いで棒で突き、根の周りに土を流し込む。水が引くのを待って土を足して地均しし、水鉢を切って灌水する。

(ホ) 支柱の設置が活着を助ける仕組み 模範解答

支柱で幹を固定すると風による根鉢の動揺がなくなり、根鉢と周りの土の間に隙間ができず、新しく伸びる細根が切れないので、吸水が保たれて活着が進む。

71 字
別解

樹木が揺れると根鉢が動き、伸び始めた新根が切れて土との密着も失われる。支柱で揺れを抑えて新根の発生・伸長を妨げないことで活着を助ける。

要点(書けていたものにチェック)(イ) 掘取り作業で品質を保持するために行う作業 1(イ) 掘取り作業で品質を保持するために行う作業 2(イ) 掘取り作業で品質を保持するために行う作業 3(ロ) 積込み前に行う作業の名称(ロ) その作業手順(ハ) 立込み作業に関する留意事項 1(ハ) 立込み作業に関する留意事項 2(ニ) 水極めの作業手順とその内容(ホ) 支柱の設置が活着を助ける仕組み
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. 掘取り(公園緑地工事共通仕様書(令和2年5月) 第2章2-4-4):鉢を付ける樹種は、樹木に応じた根鉢径の大きさに垂直に掘り下げ、底部は丸味をつけて掘り取る。根巻きの前にあらかじめ根の切り返しを行う。根回し(同2-4-3)では一部の太根を切らずに環状はく皮しており、そこから新しい根が出ているので、根回しの位置より外側で掘る。掘取り・荷造り・運搬は1日の植付け量を考えて迅速に行う(同2-4-1)。
  2. 枝しおり(枝おり):積込み前に、枝を幹側へ寄せてわら縄で結束し、樹冠を細くまとめる作業。枝折れを防ぎ、トラックの荷台の幅や道路の建築限界に収まるようにする。一般に、梢に近い上部の枝から下方の枝へ、各段では幹に近い内側の枝から外側の枝へと順に結束する。
  3. 立込み(同2-4-1・2-3-3):根鉢の高さは根の付け根の最上端が土に隠れる程度に間土で調整し、深植えは絶対に避ける。樹木の表裏をよく見極め、植穴の中心に植え付ける。植穴は生育に有害な物を取り除き、底をよく耕して中高に敷き均す。
  4. 水極め(同2-3-3・2-4-1):根鉢の周囲に土が密着するように水を注ぎながら植え付け、木の棒などでつついて根の回りに間隙が生じないよう土を流入させる。水が引くのを待って土を入れ、軽く押さえて地均しし、根元の周囲に水鉢を切って灌水する。クスノキのような常緑広葉樹は水極めで植え付けることが多い。
  5. 支柱(同2-3-3):樹木が風で揺れると根鉢が動き、植付け後に出た新根が切れたり根鉢と周りの土の間に隙間ができたりして吸水できなくなる。支柱で幹を固定して動揺を抑えると、新根が伸びて周りの土に張り、活着が進む。
引っかけ:(イ)は「幹や枝葉に対して行う作業(枝の切詰め・摘葉・幹巻き・仮支柱)」と「根巻き」を除く。(ロ)の作業は「枝しおり」で、剪定は除く。手順は梢に近い上部の枝から下方へ、内側の枝から外側へ。(ハ)はクレーン作業・吊り上げ時の養生・安全管理を除き、根鉢の高さと樹木の向き・鉛直などを書く。(ホ)は倒木の防止ではなく、根の動揺を抑えて新根を守る仕組みを書く。

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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年12月4日(日)実施) 問題2 設問(2)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する