高木植栽工・高木移植工(元肥の留意事項と作業内容・クロマツの土極めの理由と留意事項・支柱が活着を助ける仕組み)
これは1級造園施工管理技士 第二次検定 平成30年度(2018年12月2日(日)実施) 問題2 設問(2)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
(2) 高木植栽工及び高木移植工に関し、以下の(イ)〜(ハ)について答えなさい。
【問題2】下図に示す公園における造園工事に関する以下の設問(1)〜(4)について答えなさい。
注)表中の*の欄に入る語句は、出題の趣旨から記入していない。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、一部供用を開始している地区公園において、左記の工事数量表に基づき施工するものである。
・本公園の位置は関東地方である。
・植栽基盤工は、クスノキ、サトザクラ、ケヤキ、ビヨウヤナギを植栽する区域で行う。
・移植するケヤキは、供用区域内に植栽されているもの(図に位置は記載していない)を掘り取り、約200m運搬して植え付けるものである。
・工事区域と供用区域との境界には、立入防止用の柵が既に設置されている。
・工期は、10月1日から翌年3月20日までとする。
(イ) クスノキなどの植付けに当たり、元肥を施すこととしている。この場合、施工上の留意事項を示し、作業内容を具体的に記述しなさい。
(ロ) クロマツの植付けの埋戻しを行うに当たり、土極め(から極め)を行うこととした。
土極め(から極め)を行う理由(利点)と施工上の留意事項を具体的に記述しなさい。
(ハ) クスノキなどの植付け後には、八ツ掛支柱などを設置することとしている。支柱の設置が樹木の活着を助ける仕組みを具体的に記述しなさい。(ただし、倒木の防止に関する内容は除く。)

| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽基盤工 | 土層改良工 | * | * | m² | 3,000 | * |
| 植栽基盤工 | 土性改良工 | * | * | m² | 3,000 | * |
| 植栽工 | 高木植栽工 | クスノキ | H(m) 5.0、C(m) 0.7、W(m) 1.8 | 本 | 13 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
| 植栽工 | 高木植栽工 | クロマツ | H(m) 3.5、C(m) 0.25、W(m) 1.8 | 本 | 5 | 二脚鳥居型支柱(添え木無) |
| 植栽工 | 高木植栽工 | サトザクラ | H(m) 3.5、C(m) 0.15、W(m) 1.0 | 本 | 8 | 八ツ掛支柱(竹三本) |
| 植栽工 | 中低木植栽工 | ビヨウヤナギ | H(m) 0.4、C(m) ―、W(m) 0.3 | 株 | 300 | |
| 植栽工 | 地被類植栽工 | コウライシバ | 36cm×28cm×10枚 | m² | 3,800 | 目地張り(目土あり) |
| 移植工 | 高木移植工 | ケヤキ | H(m) 7.0、C(m) 0.6、W(m) 4.0 | 本 | 2 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
| 園路広場整備工 | アスファルト系園路工 | 脱色アスファルト舗装 | ― | m² | 700 | |
| 園路広場整備工 | コンクリート系園路工 | インターロッキング舗装 | ― | m² | 300 |
解答欄
正解
肥料が根に直接触れると根を傷めるので、土と混ぜて根に触れないよう施し、所定の種類と量を過不足なく施す。
51 字設計図書に示す種類と量の肥料を守り、根鉢に直接触れないように施して、施した後は速やかに覆土する。
肥料は植穴の底や根鉢の周りに均等に施し、根に直接触れないよう土とよく混ぜる。量を多くしすぎない。
植穴の底を耕して元肥を所定量入れ、土とよく混ぜた上に間土を敷いてから根鉢を据え、埋め戻す。
45 字根鉢の周囲に溝を掘って元肥を入れ、埋戻し土と混ぜて覆土し、肥料が根鉢に直接触れないようにする。
植穴の底に元肥をまいて土とかき混ぜ、その上に良質土を数cm敷いて根鉢の高さを調整してから植え付ける。
水を使わずに土を突き固めて根鉢と密着させるので、植穴の土が泥状にならず通気性が保たれ、過湿を嫌うクロマツの根腐れを防いで活着を良くできるため。
71 字マツ類は過湿に弱く、水極めで根の周りが泥状になると根腐れしやすい。土極めなら水を使わずに、通気性を保ったまま根鉢と土を密着できる。
水極めのように土が泥状にならないので、埋め戻した土の通気性・排水性が保たれ、乾燥を好むクロマツの根の呼吸を妨げずに活着させられる。
乾いた砂質の良質土を少しずつ入れ、根鉢を崩さないよう棒で丁寧に突き固めて、根の周りに空隙を残さない。
50 字埋戻し土は数回に分けて入れ、そのつど棒で突いて根鉢の下や周囲の隙間をなくし、根鉢や根を傷めないようにする。
粘性土や湿りすぎた土は避けて乾いた土で埋め戻し、層ごとに突き固めて空隙をなくし、仕上げに水鉢を切って灌水する。
支柱で幹を固定すると風で樹体が揺れても根鉢が動かず、根鉢と周りの土との間に隙間ができないので、伸び出した細根が切れずに発根と吸水が進むため。
70 字植付け直後の樹木は根が張っておらず、風で幹が揺れると根鉢が動いて新しい細根が切れる。支柱で揺れを抑えると根鉢が安定し、新根が伸びて活着する。
支柱で樹幹を支えて根鉢のぐらつきを防ぐと、根鉢と埋戻し土の密着が保たれ、根が水を吸いやすくなり、新根の発生と伸長が妨げられない。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (イ) 公園緑地工事共通仕様書(平成30年4月) 第2章2-3-1 6は、肥料・土壌改良剤を使う場合は根の周りに均一に施工し、施肥は肥料が直接樹木の根に触れないようにし均等に行うとしている。また同9(15)は、所定の種類の肥料を根鉢の周りに過不足なく施用し、施用後は速やかに覆土するとしている。
- 元肥は植付けのときに施す肥料で、植穴を掘って底部を耕した後(同2-3-3 2(4))、植穴の底や根鉢の周りに入れて土と混ぜ、間土・覆土をして根に直接触れないようにしてから根鉢を据える。
- (ロ) 同2-3-3 2(7)は、土ぎめをする樹種については、根廻りに土を入れ、根鉢に密着するよう突き固めるとしている(水ぎめは同(6))。土極め(から極め)は水を使わずに、埋戻し土を少しずつ入れて棒で突き固め、根鉢と土を密着させる方法で、過湿を嫌うマツ類などに用いる。水極めでは根の周りが泥状になって空気が抜け、根腐れの原因になる。
- 留意事項は、土を一度に入れず少しずつ入れて突き固め、根の周りに空隙を残さないこと、突き棒で根鉢を崩したり根を傷めたりしないこと。乾いた砂質の土が向き、粘性土は突き固めにくい。仕上げに水鉢を切って灌水する(同2-3-1 9(7))。
- (ハ) 同2-3-3 4(2)は、支柱は樹木が倒伏・屈折及び振れることのないよう堅固に取り付けるとしている。植え付けた樹木が風で揺れると、根鉢が動いて周りの土との間に隙間ができ、植付け後に伸び出した細根(新根)が切れたり乾燥したりして、活着が遅れる。支柱で幹を固定して根鉢の動揺を抑えると、新根が切れずに伸び、根鉢と土が密着して水を吸えるようになる。
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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 平成30年度(2018年12月2日(日)実施) 問題2 設問(2)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する