カツラの移植(事前調査事項・根回し済みの樹木の掘取りの作業・ワイヤー張り支柱の措置)
これは1級造園施工管理技士 第二次検定 令和6年度(2024年12月1日(日)実施) 問題1 設問(2)(ロ)〜(ニ)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
(2) 移植工に関して、以下の(イ)〜(ニ)について答えなさい。
【問題1】次に示す〔図面〕、〔工事数量表〕及び〔工事に係る条件〕に基づく造園工事の施工管理に関する以下の設問(1)〜(4)について答えなさい。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、一部供用を開始している近隣公園内の未供用区域において、上記の工事数量表に基づく工事を施工するものである。
・本公園の位置は関東地方である。
・工事区域と供用区域との境界には、立入防止柵が既に設置されている。
・植栽基盤工は、ケヤキ、シラカシ、カツラ、サツキツツジを植栽する区域で行う。
・移植工は、本公園の供用区域内で(図の範囲外)、前年度にあらかじめ溝掘り式根回しを行ってあるカツラを掘り取ってから運搬して植え付ける。
・遊具組立設置工は、図の位置に本公園用に設計した木製複合遊具の組立設置を行うもので、設置箇所の詳細については、発注者と現地確認の上、協議により決定する。
・工期は11月1日から翌年の3月15日までとする。
(ロ) カツラの移植において、対象となる樹木について事前に調査しておくべき事項を具体的に3つ記述しなさい。
(ただし、作業条件、自然的環境条件、施工条件等は除く。)
(ハ) あらかじめ根回しを行ってあるカツラの掘取り作業において、樹木の品質を保持するために行う作業を具体的に3つ記述しなさい。
(ただし、幹や枝葉に対して行う作業、根巻きに関する作業は除く。)
(ニ) カツラの植付け後に行うワイヤー張り支柱の取付けにおいて、樹木を確実に固定するために留意すべき施工上の措置を具体的に2つ記述しなさい。
(ただし、樹幹の保護、ワイヤロープの材質、樹木の見栄え、公園利用者等のワイヤロープへの衝突防止に関する内容は除く。)

| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽基盤工 | 土性改良工 | 土性改良 | バーク堆肥 | m² | 450 | |
| 植栽工 | 高木植栽工 | ケヤキ | H(m) 3.5、C(m) 0.10、W(m) 1.0 | 本 | 5 | 二脚鳥居型支柱(添え木付) |
| 植栽工 | 高木植栽工 | シラカシ | H(m) 3.5、C(m) 0.18、W(m) 1.0 | 本 | 10 | 二脚鳥居型支柱(添え木付) |
| 植栽工 | 中低木植栽工 | サツキツツジ | H(m) 0.3、C(m) ―、W(m) 0.4 | 株 | 150 | |
| 移植工 | 高木移植工 | カツラ | H(m) 5.0、C(m) 0.30、W(m) 2.0 | 本 | 1 | ワイヤー張り支柱 |
| 遊戯施設整備工 | 遊具組立設置工 | 木製複合遊具 | ― | 基 | 2 | 基礎を含む |
| 園路広場整備工 | アスファルト系舗装工 | 脱色アスファルト舗装 | ― | m² | 800 | ― |
解答欄
正解
樹高・幹周・枝張の寸法と、根鉢を含めた樹木の重量を調べる。
29 字樹木の正面(表裏)と樹形、枝の広がりを調べ、植付けの向きを決める。
葉の色や枝の伸び、枯れ枝の有無などから樹勢(活力)を調べる。
30 字幹の傷・腐朽・空洞や、病害虫の被害の有無を調べる。
根回しで切った根の位置と、新根(細根)の発生の状況を調べる。
30 字幹の傷・腐朽・空洞や、病害虫の被害の有無を調べる。
樹木の正面(表裏)と樹形、枝の広がりを調べる。
根回しで出た新根を切らないよう、根回しの位置より外側で根鉢を取り、垂直に掘り下げて底部に丸みを付ける。
51 字掘り下げで出た太根は、のこぎりなどで根鉢を崩さないように切り、切り口を鋭利な刃物で平滑に切り直す。
根回しで環状はく皮して残した太根は、発根したはく皮部より外側で切断し、新根を根鉢に残す。
44 字掘り下げで出た太根は、のこぎりなどで根鉢を崩さないように切り、切り口を鋭利な刃物で平滑に切り直す。
掘取りの前に十分に灌水して根鉢の土に適度な湿りを与え、掘取り中の鉢崩れと根の乾燥を防ぐ。
44 字掘取りは1日の植付け量に合わせて行い、当日植え付けられないものは根部を覆土し、シートで覆って乾燥と凍結を防ぐ。
ワイヤロープは3本以上を、幹を中心にほぼ等しい角度で3方向以上に張り、それぞれ止め杭に結束する。
48 字幹への取付け位置は、樹高の中ほどより上の幹の安定した部分とし、各ロープを同じ高さで取り付ける。
ロープは緩みのないように張り、末端の結束部はワイヤクリップで止め、交差部も動揺しないように止める。
49 字止め杭は地中に十分な深さで打ち込むかアンカーを埋設し、ロープの引張りで抜けたり傾いたりしないようにする。
ロープの中間にターンバックルを入れて張りを調整し、緩みが出ないように締める。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (ロ) 移植する樹木そのものについて、寸法(樹高・幹周・枝張)と根鉢を含めた重量(積込み・運搬の機械の選定に使う)、樹勢(葉色・枝の伸び・枯れ枝)、病害虫・幹の傷や腐朽・空洞の有無、根回しの状況(根を切った位置・新根の発生)、樹形と表裏(植付けの向き)などを事前に調べる。搬入路や作業空間(作業条件)、土質・気象(自然的環境条件)、工期や近隣の状況(施工条件)は除くとされているので書かない。
- (ハ) 根回しは、移植の前に根鉢の外周の根を切り、一部の太根は切断せずに適切な幅(一般に10〜15cm程度)で形成層まで環状はく皮して、根鉢の近くに細根を出させる作業である(公園緑地工事共通仕様書(令和6年5月) 第2章2-4-3)。掘取りでは、根回しの位置より外側で根鉢を取り、新しく出た細根を切らない。環状はく皮して残した太根は、はく皮部の外側で切る。
- 鉢を付ける樹木は、樹木に応じた根鉢径の大きさに垂直に掘り下げ、底部は丸味をつけて掘り取る(同2-4-4 4)。根の割れ・傷の部分は鋭利な刃物で切り返す(同2-4-4 3・5)。樹木の掘取り・荷造り・運搬は1日の植付け量を考慮して行い、当日植栽できない分は根部を覆土しシート等で被覆して乾燥や凍結を防ぐ(同2-4-1 5)。掘取りの前に灌水して土に適度な湿りを与えると、鉢崩れを防げる。幹や枝葉への作業(枝の切詰め・幹巻きなど)と根巻きの作業は除くとされているので書かない。
- (ニ) 共通仕様書は、ワイヤロープを使用して控えとする場合、指定の本数のロープを効果的な方向と角度にとり、止め杭に結束すること、ロープの末端結束部はワイヤクリップで止め、ロープ交差部も動揺しないように止めておき、ターンバックルを使用するか否かに関わらずロープは緩みのないように張ることを定めている(同2-3-3 4(4))。樹幹の結束部の保護材、ロープの材質、見栄え、利用者の衝突防止は除くとされているので書かない。
- カツラは落葉樹で、工期(11月〜翌年3月)は落葉している休眠期に当たる。厳寒期を避けて掘取り・植付けを行う。
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令和6年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 令和6年度(2024年12月1日(日)実施) 問題1 設問(2)(ロ)〜(ニ)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する