ケヤキの根回し工(対象木の品質の調査事項・溝掘り式根回しの根の処理)
これは1級造園施工管理技士 第二次検定 平成29年度(2017年12月3日(日)実施) 問題2 設問(4)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
(4) 根回し工に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。
【問題2】下図に示す公園における造園工事に関する以下の設問(1)〜(4)について答えなさい。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、一部供用を開始している近隣公園において、左記の工事数量表に基づき施工するものである。
・本公園の位置は関東地方である。
・表土盛土工は、近くの公園で行われる再整備工事で発生する良好な表土をノシバ植栽地において活用するものである。なお、事前の調査により、ノシバ植栽地の原地盤の排水性は良好であることが確認されている。
・根回し工は、本公園から離れた圃場で生育しているケヤキから選んで、本工事において根回し工(溝掘り式根回し)を行うものである。一年後に本公園に移植することを予定している。
・工期は、10月1日から翌年3月20日までとする。
(イ) 根回し工の対象にするケヤキの選定に当たり、樹木の品質に関して調査すべき事項を2つ記述しなさい。
(ロ) 溝掘り式根回しの作業内容のうち、根の処理に関する作業を具体的に2つ記述しなさい。

| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽基盤工 | 表土盛土工 | 発生表土盛土 | ― | m³ | 620 | |
| 植栽基盤工 | 土性改良工 | 土性改良 | ピートモス | m² | 100 | |
| 植栽工 | 高木植栽工 | クスノキ | H(m) 7.0、C(m) 0.80、W(m) 3.0 | 本 | 5 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
| 植栽工 | 高木植栽工 | ハナミズキ | H(m) 4.0、C(m) 0.21、W(m) 1.8 | 本 | 10 | 二脚鳥居型支柱(添え木無) |
| 植栽工 | 中低木植栽工 | ドウダンツツジ | H(m) 0.4、C(m) ―、W(m) 0.2 | 株 | 400 | |
| 植栽工 | 地被類植栽工 | ノシバ | 36cm×28cm×10枚 | m² | 1,250 | べた張り |
| 移植工 | 根回し工 | ケヤキ | 60≦C<90cm | 本 | 2 | 溝掘り式根回し |
| 園路広場整備工 | アスファルト系園路工 | 脱色アスファルト舗装 | ― | m² | 320 | |
| 園路広場整備工 | コンクリート系園路工 | インターロッキング舗装 | ― | m² | 450 |
解答欄
正解
樹勢:葉の色と量、枝の伸び、枯れ枝や樹皮の傷の有無を見て、健全で活力のある状態かを調べる。
45 字病虫害:幹の腐朽や空洞、穿孔虫の食害、病斑などの発生の有無と程度を調べる。
樹姿:ケヤキらしいほうき状の自然樹形で、幹が通直で、枝葉が四方に均等に配分されているかを調べる。
根元・根張り:根元に腐れや傷がなく、根が四方に偏りなく張っているかを調べる。
病虫害:幹の腐朽や空洞、穿孔虫の食害、病斑などの発生の有無と程度を調べる。
37 字樹勢:葉の色と量、枝の伸び、枯れ枝や樹皮の傷の有無を見て、健全で活力のある状態かを調べる。
樹姿:ケヤキらしいほうき状の自然樹形で、幹が通直で、枝葉が四方に均等に配分されているかを調べる。
下枝の位置:樹冠を形成する下枝の高さが、植栽する場所に合った適正な位置にあるかを調べる。
鉢の外周に溝を掘り、支持のための太根を3〜4方向に残して、鉢の面で幅10〜15cm程度、形成層まで環状はく皮する。
57 字倒伏防止に残す太根は四方に均等に配し、はぎ残しのないよう、形成層まで一定の幅で環状にはぐ。
環状はく皮する根以外の根は鉢の面に沿って切断し、切り口を鋭利な刃物で滑らかに切り戻す。
43 字根の切り口とはく皮した部分に、必要に応じて殺菌剤や発根促進剤を塗り、腐朽を防いで発根を促す。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (イ) 公共用緑化樹木等品質寸法規格基準(案)は、樹木の品質を樹姿(樹形(全形)、幹、枝葉の配分、枝葉の密度、下枝の位置)と樹勢(生育、根、根鉢、葉、樹皮(肌)、枝、病虫害)に分けて定めている。根回しして1年後に移植するケヤキは、これらの品質がよく、移植に耐える活力のある個体を選ぶ。
- 特に、生育の状態(葉色・葉量・枝の伸び)、幹や根元の腐朽・空洞、穿孔虫などの病虫害の有無、ケヤキの特性に応じたほうき状の自然樹形かどうかを調べる。寸法(幹周60cm以上90cm未満)は品質ではなく寸法規格の確認になる。
- (ロ) 公園緑地工事共通仕様書(平成29年4月) 第2章2-4-3 根回し工は、根回しは樹種及び移植予定時期を十分考慮して行い、一部の太根は切断せず、適切な幅で形成層まで環状はく皮を行うとし、根鉢の周りを埋め戻して十分な灌水を行うとしている。環状はく皮の幅は一般に10〜15cm程度とされる。
- 溝掘り式根回しは、根鉢の外周に溝を掘り、樹体を支える太根を3〜4方向に残して環状はく皮し、ほかの根は鉢の面で切断する方法である。切り口を鋭利な刃物で切り戻すと、癒合と細根の発生が促され、腐朽も防げる。
- 根回しの適期は、春の萌芽前から、発根が盛んな春を経て梅雨期まで(秋〜冬の休眠期は適さない)。本工事の工期(10月1日〜翌年3月20日)では、工期の終わりの3月上旬〜中旬、ケヤキの萌芽前に行うことになる。
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平成29年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 平成29年度(2017年12月3日(日)実施) 問題2 設問(4)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する