ケヤキの溝掘り式根回し(環状はく皮の作業上の留意事項・はく皮しない根を鉢の面で切り戻す理由)
これは1級造園施工管理技士 第二次検定 令和5年度(2023年12月3日(日)実施) 問題2 設問(3)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
(3) 根回し工に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。
【問題2】次に示す〔図面〕、〔工事数量表〕及び〔工事に係る条件〕に基づく造園工事の施工管理に関して、以下の設問(1)〜(6)について答えなさい。
注)表中の※欄に入る語句及び数値は、出題の趣旨から記入していない。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、供用開始している地区公園の一部を再整備する工事であり、工事数量表に基づいて施工するものである。
・本公園の位置は関東地方にあり、周辺は主に住宅地が広がっている。
・根回し工のケヤキは、供用区域内(図の範囲外)に植栽されているものについて、次年度以降に移植することを予定している。
・移植工のクスノキは、供用区域内(図の範囲外)から移植するものであり、前年の3月に根回し済みである。
・構造物撤去工は、割板石張舗装を行う箇所でコンクリート平板の撤去を、土舗装を行う箇所でアスファルト舗装の撤去をそれぞれ行う。
・工期は7月20日から翌年の1月20日までとする。
(イ) ケヤキの根回しを行う際、溝掘り式根回しで行う環状はく皮の作業上の留意事項を具体的に記述しなさい。
(ただし、はく皮に対する各種薬品の塗布、及び使用する道具に関する内容は除く。)
(ロ) 溝掘り式根回しを行う際、環状はく皮を行わない根については、鉢の面で切り落として、切り口を鋭利な刃物で切り戻すこととしている。その理由を具体的に記述しなさい。

| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽基盤工 | 土層改良工 | ※ | ※ | m² | 3,000 | |
| 植栽基盤工 | 土性改良工 | ※ | ※ | m² | 3,000 | |
| 植栽工 | 高木植栽工 | サルスベリ | H(m) 2.5、C(m) 0.12、W(m) 1.0 | 本 | 8 | 二脚鳥居型支柱(添え木あり) |
| 植栽工 | 高木植栽工 | ソヨゴ | H(m) 2.5、C(m) ―、W(m) 0.7 | 本 | 7 | 二脚鳥居型支柱(添え木あり) |
| 植栽工 | 地被類植栽工 | ノシバ | 36cm×28cm×10枚 | m² | 6,000 | ※ |
| 移植工 | 根回し工 | ケヤキ | H(m) 7.0、C(m) 0.60、W(m) 5.0 | 本 | 2 | 溝掘式根回し |
| 移植工 | 高木移植工 | クスノキ | H(m) 7.0、C(m) 0.80、W(m) 4.0 | 本 | 1 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
| 移植工 | 高木移植工 | クスノキ | H(m) 6.0、C(m) 0.70、W(m) 3.5 | 本 | 1 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
| 移植工 | 高木移植工 | クスノキ | H(m) 5.0、C(m) 0.60、W(m) 3.0 | 本 | 1 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
| 移植工 | 高木移植工 | クスノキ | H(m) 5.0、C(m) 0.50、W(m) 2.5 | 本 | 1 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
| 移植工 | 高木移植工 | クスノキ | H(m) 4.0、C(m) 0.40、W(m) 2.0 | 本 | 1 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
| 構造物撤去工 | 構造物取壊し工 | 舗装版切断 | コンクリート平板 | m² | 200 | |
| 構造物撤去工 | 構造物取壊し工 | 舗装版切断 | アスファルト舗装版 | m² | 500 | |
| 構造物撤去工 | 構造物取壊し工 | 舗装版破砕 | ※ | ※ | ※ | |
| 構造物撤去工 | 運搬処理工 | 殻運搬 | ※ | ※ | ※ | |
| 構造物撤去工 | 運搬処理工 | 殻処分 | ※ | ※ | ※ | |
| 園路広場整備工 | 土系舗装工 | 土舗装 | m² | 600 | ||
| 園路広場整備工 | 石材系舗装工 | 割板石張舗装 | m² | 250 | ||
| 公園施設等撤去・移設工 | 樹木伐採・抜根工 | 高木伐採 | 幹周0.6m以上0.9m未満 | 本 | 3 | 樹勢不良 |
解答欄
正解
樹体を支える太根を四方に残し、鉢の面で幅10〜15cm程度の樹皮を形成層まで、はぎ残しなく環状にはぎ取る。
53 字はく皮は木部を傷めないよう形成層までとし、樹皮が帯状に完全に切れるよう、はぎ残しを作らない。
倒伏防止に残す太根は四方に均等に配し、それぞれ鉢の面に合わせて一定の幅で環状にはぐ。
切り口のつぶれや裂けを鋭利な刃物で滑らかに切り直すと、切り口の癒合が進んで細根の発生が促され、腐朽菌の侵入による根の腐れも防げるため。
67 字裂けたりつぶれたりした切り口は腐りやすく発根しにくいので、きれいな切り口にして根の再生と発根を早めるため。
鉢の面で根を切りそろえて切り口をきれいにすると、切り口付近から新しい細根が出て、鉢の中に細根が多い根鉢をつくれるため。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- 公園緑地工事共通仕様書(令和6年5月) 第2章2-4-3は、根回しは樹種及び移植予定時期を十分考慮して行い、一部の太根は切断せず、適切な幅で形成層まで環状はく皮を行うとしている。環状はく皮の幅は一般に10〜15cm程度とされる。
- 溝掘り式根回しは、根鉢の外周に溝を掘り、樹体を支える太根を3〜4方向程度残して環状はく皮し、他の根は鉢の面で切断して埋め戻す方法である。はく皮した部分より上(鉢の内側)に、葉で作られた養分がたまって発根が促される。はぎ残しがあると養分が下に流れて発根しにくく、木部まで傷つけると水の通りが妨げられる。
- (ロ) 根の切り口がつぶれたり裂けたりしていると、腐朽しやすく、新しい根が出にくい。鋭利な刃物で切り戻して滑らかな切り口にすると、切り口の癒合と不定根(細根)の発生が促され、鉢の内側に細根の多い根鉢ができる。
- 根回しの適期は、春の萌芽前から、発根が盛んな春を経て梅雨期まで(秋〜冬の休眠期は適さない)。本工事のケヤキは次年度以降に移植する予定で、根回しで細根を出させておく。
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令和5年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 令和5年度(2023年12月3日(日)実施) 問題2 設問(3)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する