令和元年度 問題2 設問(4)論点:植栽・移植重要度 A未着手

ウメの溝掘り式根回し(環状はく皮の留意事項・切り口を鋭利な刃物で切り直す理由)

これは1級造園施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年12月1日(日)実施) 問題2 設問(4)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。

(4) 根回し工に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。

【問題2】次に示す図面、工事数量表及び工事に係る条件に基づく造園工事に関する以下の設問(1)〜(5)について答えなさい。

注)表中の*の欄に入る語句は、出題の趣旨から記入していない。

〔工事に係る条件〕

・本工事は、一部供用を開始している総合公園において、左記の工事数量表に基づき施工するものである。

・本公園の位置は関東地方である。

・植栽基盤工は、西側道路沿いのサトザクラ、イヌマキなどを植栽する区域で行う。

・根回し工は、本公園とは別の公園で生育しているウメについて、本工事において根回し工(溝掘り式根回し)を行うものである。一年後に本公園に移植することを予定している。

・工事区域と供用区域との境界には、立入防止用の柵が既に設置されている。

・工期は、5月1日から9月30日までとする。

(イ) ウメの根回しを溝掘り式根回しで行う際、支持根に対して行う環状はく皮の作業上の留意事項を具体的に記述しなさい。

(ただし、はく皮部における薬品の塗布、及び使用する道具に関する内容は除く。)

(ロ) 溝掘り式根回しを行う際、支持根以外の根については、鉢の面で切り落とし、切り口を鋭利な刃物で切り直すこととしている。その理由を具体的に記述しなさい。

〔図面〕造園工事の平面図(縮尺バー0〜50m、方位記号のNは上を向く)。図の左(西側)に縦方向の道路、上(北側)に横方向の道路があり、敷地はその角に面する。一点鎖線の工事区域は、西側道路沿いの帯状の植栽地、北西角のインターロッキング舗装の区域、園路と、その東側の広い芝生地、北側の既存木のある区域を含む。西側道路沿いにイヌマキ(列状の記号)が一列に並び、その東側にサトザクラ(サ)12本がある。北西角のインターロッキング舗装(格子)の東側と南側にクロガネモチ(ク)3本がある。インターロッキング舗装の南から脱色アスファルト舗装(薄い灰色)の園路が南の工事区域の境界まで延び、途中から北東へ分かれて工事区域の北東部まで延びる。インターロッキング舗装の東側のクロガネモチの付近から南東へ延段(濃い灰色)が延び、園路につながる。園路の東側はコウライシバ(点々)の広い区域である。工事区域の北側には既存木(白丸)が多く、その中にウメ植栽予定地(ウ、点線の丸)2か所がある。工事区域の外(北側・東側・南側)にも既存木が多くあり、南側は(供用区域)である。凡例:一点鎖線=工事区域、サ=サトザクラ、ク=クロガネモチ、列状の記号=イヌマキ、点線の丸のウ=ウメ植栽予定地、白丸=既存木、点々=コウライシバ、格子=インターロッキング舗装、薄い灰色=脱色アスファルト舗装、濃い灰色=延段。ただし、図中の表示は位置のみを示している。
〔工事数量表〕
工種種別細別規格単位数量備考
植栽基盤工土性改良工**m²1,400*
植栽工高木植栽工サトザクラH(m) 2.5、C(m) 0.10、W(m) ―本12二脚鳥居型支柱
植栽工高木植栽工クロガネモチH(m) 3.5、C(m) 0.21、W(m) 1.0本3二脚鳥居型支柱
植栽工中低木植栽工イヌマキH(m) 1.2、C(m) ―、W(m) 0.4本130布掛支柱
植栽工地被類植栽工コウライシバ36cm×28cm×10枚m²4,700べた張り
移植工根回し工ウメ60cm≦C<90cm本2溝掘り式根回し
園路広場整備工石材系園路工延段*m²30*
園路広場整備工アスファルト系園路工脱色アスファルト舗装―m²640
園路広場整備工コンクリート系園路工インターロッキング舗装―m²400

解答欄

0 / 60 字
0 / 80 字

本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

(イ) 環状はく皮の作業上の留意事項 模範解答

支持根は3〜4方向に残し、鉢の面で樹皮を幅10〜15cm程度、形成層まで全周確実にはぎ取り、木部は傷つけない。

55 字
別解

形成層が残ると上部から下りる養分がはく皮部を越えて発根しにくいので、樹皮と形成層を全周にわたり除き、木部は削らない。

はく皮は鉢の外周に合わせた位置で行い、幅は一般に10〜15cm程度とし、樹木を支える支持根は切らずに四方に残す。

(ロ) 切り口を鋭利な刃物で切り直す理由 模範解答

切り口がつぶれたりささくれたりしていると腐りやすく発根も悪い。鋭利な刃物で平滑に切り直すと、切り口の腐朽を防ぎ、新しい細根が多く出る。

67 字
別解

根を鉢の面で切りそろえて切り口を平滑にすると、組織が傷まず腐りにくく、鉢の内側に細根が多く発生し、移植時に吸水できる根を根鉢の中に確保できる。

要点(書けていたものにチェック)(イ) 環状はく皮の作業上の留意事項(ロ) 切り口を鋭利な刃物で切り直す理由
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. 溝掘り式根回しは、移植の前に、根鉢の大きさに合わせて樹木の周りに溝を掘り、根を切って鉢の中に細根を発生させる方法である。樹木を支える太い根(支持根)は3〜4方向に残して環状はく皮を行い、ほかの根は鉢の面で切る。公園緑地工事共通仕様書(令和元年8月) 第2章2-4-3 は、根回しは樹種及び移植予定時期を考慮して行い、一部の太根は切断せず、適切な幅で形成層まで環状はく皮を行い、根鉢の周りを埋め戻して十分な灌水を行うとしている。
  2. (イ) 環状はく皮は、支持根の樹皮を環状にはぎ取り、葉で作られた養分が根の先へ下りるのをはく皮部で止めて、はく皮部の上(鉢の側)から発根させるものである。形成層が一部でも残ると養分が通って発根しにくいので、形成層まで全周確実にはぎ取る。木部(水を上げる部分)は傷つけない。幅は一般に10〜15cm程度とされる。薬品(発根促進剤など)の塗布と道具は除外されているので書かない。
  3. (ロ) 根を切った切り口がつぶれたり裂けたりしていると、組織が傷んで腐りやすく、病原菌も入りやすい。鋭利な刃物で平滑に切り直すと、切り口がカルスで覆われやすく、切り口付近から新しい細根が多く発生する。移植までの間(本工事では一年後)に根鉢の中に細根を発達させておくことで、移植後の活着が良くなる。
  4. 本工事の根回しは5月で、春の萌芽前から梅雨期までの根回しの適期に当たる。
引っかけ:(イ) は「形成層まで」「全周」が要点で、樹皮の表面だけを削っても発根しない。薬品の塗布と道具の内容は除外。(ロ) は「切り口をきれいにする」だけでなく、「腐朽を防ぐ」「細根の発生を促す」まで書く。

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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年12月1日(日)実施) 問題2 設問(4)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する