シラカシの移植(移動式クレーンでの積込み時の品質管理上の措置・マルチングの効果)
これは1級造園施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年12月7日(日)実施) 問題1 設問(2)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
(2) シラカシの移植工に関して以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。
【問題1】次に示す〔図面〕、〔工事数量表〕及び〔工事に係る条件〕に基づく造園工事の施工管理に関する以下の設問(1)〜(4)について答えなさい。
注)表中の※欄に入る語句は、出題の趣旨から記入していない。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、供用中の地区公園の再整備工事であり、上記の工事数量表に基づく工事を施工するものである。
・本公園の位置は関東地方である。
・植栽基盤工は、園路に囲まれたオオシマザクラ、ノシバを植栽する区域で行う。
・移植するシラカシは供用区域内で(図の範囲外)、あらかじめ溝掘り式根回し作業を行ってあるシラカシを掘り取ってから約300m園内運搬して植え付ける。
・工事区域と供用区域との境界には、立入防止用の柵が既に設置されている。
・工期は、11月15日から翌年の2月15日までとする。
(イ) シラカシの移植について移動式クレーンを使用することとしている。積込み作業を行う際に、樹幹や枝葉に損傷を与えないようにするため、どのような品質管理上の措置を行うのか、対象部位等を明記して、具体的に3つ記述しなさい。
ただし、クレーンの据付け・操作に関する内容は除く。
(ロ) シラカシの植栽後、マルチングを行うこととした。マルチングの効果を、3つ記述しなさい。

| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽基盤工 | 透水層工 | 暗渠排水 | 高密度ポリエチレン製有孔管φ150 | m | 200 | |
| 植栽基盤工 | 土性改良工 | 土性改良 | ※ | m² | 2,500 | |
| 植栽工 | 高木植栽工 | クヌギ | H(m) 4.0、C(m) 0.21、W(m) 1.5 | 本 | 8 | 二脚鳥居型支柱(添え木付) |
| 植栽工 | 高木植栽工 | ヤマボウシ | H(m) 3.5、C(m) 0.21、W(m) 1.8 | 本 | 5 | 二脚鳥居型支柱(添え木付) |
| 植栽工 | 高木植栽工 | オオシマザクラ | H(m) 4.0、C(m) 0.21、W(m) 1.8 | 本 | 5 | 二脚鳥居型支柱(添え木付) |
| 植栽工 | 中低木植栽工 | サザンカ | H(m) 1.5、C(m) ―、W(m) 0.3 | 本 | 11 | 唐竹添柱 |
| 植栽工 | 地被類植栽工 | ノシバ | 36cm×28cm×10枚 | m² | 3,000 | べた張り(目土あり) |
| 移植工 | 高木移植工 | シラカシ | H(m) 7.0、C(m) 0.9、W(m) 4.5 | 本 | 1 | 二脚鳥居組合せ型支柱 |
| 園路広場整備工 | コンクリート系舗装工 | インターロッキング舗装 | ― | m² | 400 |
解答欄
正解
樹幹:吊り位置の幹にむしろや緩衝材を巻いて当て木を添え、ナイロンスリングで吊って樹皮の損傷を防ぐ。
49 字樹幹:ワイヤロープを幹に直接掛けず、幹巻きした上から当て板と幅の広いベルトスリングを用いて吊る。
樹幹:吊り点は重心より上の太い幹とし、細い枝や樹冠の中の枝にスリングを掛けて吊らない。
枝葉:枝を幹側へ寄せてわら縄で軽く縛る枝しおりを行い、吊上げや積込みの際に枝折れや葉の傷みを防ぐ。
49 字枝葉:積込み前に樹冠をこもやシートで包み、荷台や周囲の物に枝葉が当たって折れたり傷んだりしないようにする。
枝葉:吊り荷が回ったり振れたりして枝葉が周囲の樹木や荷台に当たらないよう、幹に介錯ロープを付けて誘導する。
荷台との接触部:荷台にむしろを敷き、幹が当たる部分に枕木を置いて、幹が荷台や荷締めロープで擦れないようにする。
55 字荷締め部:荷台への固定のロープが掛かる幹の部分にむしろと当て木を当て、締付けや揺れで樹皮をはがさないようにする。
積込み姿勢:根鉢を運転席側、梢を後方にして寝かせ、幹を枕木で受けて枝葉が荷台の上で押しつぶされないようにする。
土壌水分の蒸発を抑え、根鉢周りの乾燥を防ぐ。
22 字土壌の乾燥を防ぎ、新根の発生に必要な水分を保つ。
地温の変化を和らげ、冬の凍結や霜柱から根を守る。
24 字寒さによる土壌の凍結と霜柱での根の浮上がりを防ぐ。
日光を遮って雑草の発生を抑える。
16 字降雨や灌水による土の跳ね返り・流亡と表土の固結を防ぐ。
人の踏圧による土壌の固結を和らげる。
マルチ材が分解して有機物となり土壌の構造を良くする。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (イ) 公園緑地工事共通仕様書(令和6年5月) 第2章2-4-1は、樹木の運搬にあたり枝幹等の損傷・鉢崩れ等がないよう十分に保護養生を行うこと、吊り上げでは保護材で幹を保護するだけでなく根鉢も保護することを定めている。問題は「樹幹や枝葉」の損傷防止で、対象部位を明記して書く。
- 樹幹は、ワイヤロープを直接掛けると樹皮がはがれ、形成層が傷んで枯れ込みや腐朽の原因になる。吊り位置にむしろ・古タイヤなどの緩衝材を巻いて当て木を添え、ナイロンスリング(ベルトスリング)で吊る。枝葉は、枝しおり(枝を幹側に寄せて縄で結束する)や樹冠の被覆で枝折れを防ぐ。荷台に積むときも、むしろ・枕木で幹を受け、荷締めロープが当たる部分に当て木をする。
- クレーンの据付け(地盤・アウトリガー)や操作(旋回・巻上げの速度)の内容は除くとされているので書かない。シラカシは常緑樹で、冬でも葉が付いている。吊り上げのときは根鉢も保護する(根巻きを確かめ、鉢崩れを防ぐ)が、この設問は樹幹・枝葉の損傷を防ぐ措置を求めているので、樹幹・枝葉・荷台との接触部を対象に書く。
- (ロ) マルチングは、植栽した樹木の根元をバークチップ・わら・落ち葉・ウッドチップなどで覆うことで、共通仕様書(第2章2-3-10 樹木養生工)は設計図書に示す厚みに均一に敷き均すとしている。主な効果は、土壌水分の蒸発抑制(乾燥防止)、地温の変化の緩和(冬の凍結・霜柱の防止、夏の地温上昇の抑制)、雑草の発生抑制、降雨による土壌の流亡・跳ね返りと表土の固結の防止、有機物の補給である。
- 本工事は11月〜翌年2月の関東地方での植栽なので、乾燥防止と凍結・霜柱の防止の効果が特に大きい。
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令和7年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年12月7日(日)実施) 問題1 設問(2)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する