高木植栽(クロガネモチの枝葉の剪定の目的と方法・立込み作業の留意事項・工期との関係で留意する灌水)
これは1級造園施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年12月1日(日)実施) 問題2 設問(2)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
(2) 高木植栽工に関し、以下の(イ)〜(ハ)について答えなさい。
【問題2】次に示す図面、工事数量表及び工事に係る条件に基づく造園工事に関する以下の設問(1)〜(5)について答えなさい。
注)表中の*の欄に入る語句は、出題の趣旨から記入していない。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、一部供用を開始している総合公園において、左記の工事数量表に基づき施工するものである。
・本公園の位置は関東地方である。
・植栽基盤工は、西側道路沿いのサトザクラ、イヌマキなどを植栽する区域で行う。
・根回し工は、本公園とは別の公園で生育しているウメについて、本工事において根回し工(溝掘り式根回し)を行うものである。一年後に本公園に移植することを予定している。
・工事区域と供用区域との境界には、立入防止用の柵が既に設置されている。
・工期は、5月1日から9月30日までとする。
(イ) クロガネモチの植付けに当たり、搬入された樹木の枝葉の剪定を行った。その作業目的と作業方法をそれぞれ具体的に記述しなさい。
(ロ) 植え穴掘りが終わった後の樹木の立込み作業に関する留意事項を具体的に2つ記述しなさい。
(ただし、使用する移動式クレーンなどの選定やそれを使用した作業、吊上げ時の樹木の保護養生、及び安全管理に関する内容は除く。)
(ハ) 高木植栽工が終わってから工事完成までの間に行う樹木への灌水に関して、工期との関係で留意すべき事項を具体的に2つ記述しなさい。

| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽基盤工 | 土性改良工 | * | * | m² | 1,400 | * |
| 植栽工 | 高木植栽工 | サトザクラ | H(m) 2.5、C(m) 0.10、W(m) ― | 本 | 12 | 二脚鳥居型支柱 |
| 植栽工 | 高木植栽工 | クロガネモチ | H(m) 3.5、C(m) 0.21、W(m) 1.0 | 本 | 3 | 二脚鳥居型支柱 |
| 植栽工 | 中低木植栽工 | イヌマキ | H(m) 1.2、C(m) ―、W(m) 0.4 | 本 | 130 | 布掛支柱 |
| 植栽工 | 地被類植栽工 | コウライシバ | 36cm×28cm×10枚 | m² | 4,700 | べた張り |
| 移植工 | 根回し工 | ウメ | 60cm≦C<90cm | 本 | 2 | 溝掘り式根回し |
| 園路広場整備工 | 石材系園路工 | 延段 | * | m² | 30 | * |
| 園路広場整備工 | アスファルト系園路工 | 脱色アスファルト舗装 | ― | m² | 640 | |
| 園路広場整備工 | コンクリート系園路工 | インターロッキング舗装 | ― | m² | 400 |
解答欄
正解
掘取りで根が切られ吸水力が落ちているので、枝葉を減らして葉からの蒸散を抑え、根の吸水とのつり合いを保って活着を助ける。
59 字常緑樹のクロガネモチは葉が多く、夏の高温期の植付けでは蒸散が大きい。枝葉を適度に減らして水分の消費を抑え、根の吸水が回復するまでの枯れ込みを防ぐ。
樹形を崩さないよう、枯れ枝・徒長枝・込み合った枝・からみ枝を付け根から切る枝透かしを主とし、葉の量を適度に減らす。
57 字枝透かしで枝数を減らし、必要に応じて摘葉もして、樹冠全体の葉量をおおむね均等に減らしながら自然な樹形を保つ。
外側を強く切り詰めず、込み合った内側の枝を間引いて枝葉の量を減らし、太い枝の切り口は平滑に仕上げる。
根鉢の上端が仕上がりの地表面とほぼ同じ高さになるよう、植穴の底に間土を入れて高さを調整し、深植えにしない。
53 字深植えは根の呼吸を妨げて衰弱の原因になるので、根の付け根の最上端が土にわずかに隠れる程度の高さに据える。
植穴の底を耕して中高に敷き均し、根鉢が傾かず安定するようにしてから据える。
樹木の表裏を見極め、見せたい面を園路など主な視点の方向に向けて、幹が垂直になるよう植穴の中心に据える。
51 字据えた後に周りから樹木の向きと幹の傾きを確かめ、修景上の見栄えと配植の位置を合わせてから埋め戻す。
水極めでは根鉢の周りに土を入れながら水を注ぎ、棒で突いて根鉢と土の間にすき間が残らないようにする。
工期が梅雨明け後の高温乾燥期にかかるため、晴天が続くときは灌水の回数を増やし、日中を避けて朝夕に行う。
51 字盛夏は土が乾きやすいので、水源・散水車・人員を工期末まで確保した灌水計画を立て、乾燥期に灌水を途切れさせない。
植栽完了から9月30日の完成まで期間が長いので、降雨と土の乾き具合を見ながら計画的に灌水し、完成時まで活着を保つ。
57 字完成引渡し後1年以内に枯死すると植替えの対象となるので、完成まで灌水を続けて確実に活着させ、完成前に樹勢を確かめる。
1回の灌水は水鉢に水をためて根鉢の下までしみ込む量とし、表面だけを湿らせる少量の灌水を繰り返さない。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (イ) 公園緑地工事共通仕様書(令和元年8月) 第2章2-3-3 2(2) は、植栽に先立ち、水分の蒸散を抑制するため、適度に枝葉を切詰め、または枝透かしをするとともに、根部は割れ・傷の部分を切り除き、活着を助ける処置をするとしている。掘り取られた樹木は細根の多くが切られて吸水量が減るので、蒸散する枝葉を減らして水分のつり合いをとる。
- クロガネモチは常緑樹で、本工事は5月〜9月の施工なので、植付けは気温が高く蒸散の多い時期になる。剪定は樹種の自然樹形を損なわないよう、枯れ枝・徒長枝・込み合った枝・からみ枝を付け根から間引く枝透かしを主とし、必要に応じて摘葉で葉量を減らす。
- (ロ) 同 第2章(植栽工)は、樹木立込みは根鉢の高さを根の付け根の最上端が土に隠れる程度に間土等を用いて調整し、深植えは絶対に避けること、樹木の表裏をよく見極めたうえで植穴の中心に植え付けることとしている。また、植穴は穴底をよく耕した後、中高に敷き均す(2-3-3 2(4))。水ぎめをする樹種は、根鉢の周囲に土が密着するよう水を注ぎながら植え付け、根部に間隙のないよう土を十分に突き入れる(2-3-3 2(6))。移動式クレーンの選定・作業、吊上げ時の保護養生、安全管理は除外されているので書かない。
- (ハ) 工期は5月1日〜9月30日で、高木植栽工が終わってから工事完成までの間に梅雨明け後の高温乾燥期が入る。植え付けたばかりの樹木は根が十分に張っておらず乾燥に弱いので、晴天が続くときは灌水の回数を増やし、水温が上がり蒸れやすい日中を避けて朝夕に灌水する。完成までの期間が長いほど灌水の回数が増えるので、水源・散水車・人員を確保した計画を立て、降雨や土の乾き具合を見て調整する。
- 同 第2章2-3-1 2 は、新植樹木が工事完成引渡し後1年以内に植栽したときの状態で枯死または形姿不良となった場合は、受注者が同等以上の規格のものに植え替えるとしている。完成までに確実に活着させておくことが重要である。
同じ論点の過去問
令和元年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年12月1日(日)実施) 問題2 設問(2)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する