コンクリート構造物の劣化・補修

重要度 B専門土木で出題過去問 20問

コンクリート構造物の劣化・補修は、1級土木施工管理技士 第一次検定の平成29年度〜令和8年度(10回)のうち10回で出題された論点です(収録975問中20問・重要度B)。出題されるのは専門土木です。

要点:塩害・中性化・アルカリシリカ反応などの劣化と、補修・補強の工法。

覚える要点

  • 中性化深さは √t 則(経過年数の平方根に比例)。中性化は乾燥した環境で速く進み、鉄筋腐食は乾湿繰返しで速く、常時滞水では酸素不足で遅い
  • 塩害対策は、断面修復(部分修復はマクロセル腐食に注意)、脱塩(仮設陽極で短期通電して塩化物を除去)、電気防食(供用中継続通電で腐食を抑制)、表面被覆(有機系は下地を乾燥させる)
  • ASR 抑制対策はアルカリ総量 3.0kg/m³ 以下・抑制効果のある混合セメント(高炉 B・C 種等)・無害骨材のいずれか。細骨材も試験し、無害骨材と混合してもペシマム現象で膨張しうる
  • ASR を生じた構造物は水分の遮断が基本で、膨張が大きければ鋼板・FRP 巻立てやプレストレスで拘束。電気防食はアルカリ金属イオンを鋼材周辺に集めるので配慮が必要
  • 耐震補強は点検・修復しやすい橋脚に塑性化を先行させ、基礎より橋脚を強くしすぎない。免震は固有周期を長くして慣性力を減らすが変位は大きくなる
  • 温度ひび割れは底版に拘束された壁の下端から鉛直等間隔に、沈下ひび割れは打込み後数時間に鉄筋に沿って水平方向に生じる

勉強のしかた:毎年2問。劣化機構(中性化・塩害・ASR)ごとに「原因→進行条件→対策工法」を1枚にまとめ、電気化学的工法3つの目的と通電期間の違いを押さえる。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、コンクリート構造物の劣化・補修で間違えやすい点を集めました。

  • 令和8年度 問題A No.24:「混合割合にかかわらず」「常に」のような断定表現は誤りの手がかりになる。
  • 令和8年度 問題A No.25:電気化学的防食工法のうち、電気防食(継続通電)と脱塩・再アルカリ化(短期通電)を区別する。
  • 令和7年度 問題A No.24:硬化前の湿潤養生と、硬化後のASR対策を混同しないこと。ASRでは水分は膨張を進める要因である。
  • 令和7年度 問題A No.25:厚い部材の鉛直等間隔のひび割れは温度ひび割れの典型である。沈下ひび割れは水平方向・鉄筋に沿う方向に出る。
  • 令和6年度 問題A No.24:免震は「力は小さく,変位は大きく」。変位を抑えるのは制震装置(ダンパー)の付加や部材の補強である。
  • 令和6年度 問題A No.25:中性化深さ=中性化速度係数×√t。「二乗」「比例(1乗)」へのすり替えに注意する。

この論点の問題

同じ分野で出る論点

専門土木では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが平成29年度〜令和8年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。