活動性分析(回転率・回転期間・滞留月数)

重要度 A第1・2・3・4・5問で出題過去問 19問

活動性分析(回転率・回転期間・滞留月数)は、建設業経理士1級 財務分析の第29〜39回(11回)のうち11回で出題された論点です(収録78問中19問・重要度A。うち17問は第2・3・4・5問の問題の一部として出題)。出題されるのは第1問・第2問・第3問・第4問・第5問です。

要点:回転率=完成工事高÷資産または負債(期中平均)(回)、回転期間・滞留月数=残高÷(完成工事高÷12)(月)で、両者は逆数の関係にある。受取勘定=受取手形+完成工事未収入金、支払勘定=支払手形+工事未払金、棚卸資産=未成工事支出金+材料貯蔵品である。経営資本回転率や負債回転期間、有形固定資産回転率(労働生産性の分解要因)も含む。回は小数第3位を四捨五入し第2位まで記入する。

覚える要点

  • 回転率=完成工事高÷残高(期中平均)(回)、回転期間・滞留月数=残高÷(完成工事高÷12)(月)。回転期間=12÷回転率で逆数の関係(年4回なら3か月)。
  • 受取勘定=受取手形+完成工事未収入金、支払勘定=支払手形+工事未払金(電子記録債務は含めない)、棚卸資産=未成工事支出金+材料貯蔵品。
  • 主要比率表で(※)の付く回転率は期中平均、滞留月数・負債回転期間は期末残高で計算する。期中平均で割った値が数値群のひっかけになる。
  • 負債回転期間=(流動負債+固定負債)÷(売上高÷12)は経営事項審査の指標で小さいほど好ましい。未成工事支出金の回転は完成工事原価と比較するほうが適当。
  • 棚卸資産滞留月数は建設業では仕掛品に当たる未成工事支出金が中心で、企業規模や受注内容で変わるため月数だけで良否を決めない。

勉強のしかた:回転率と回転期間の換算(12÷)を即答できるようにし、第5問では各残高が平均か期末かを主要比率表の(※)で確認する。記述は棚卸資産滞留月数の建設業特有の留意点まで書く。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、活動性分析(回転率・回転期間・滞留月数)で間違えやすい点を集めました。

  • 第34回 第1問 問2:算式だけで建設業特有の話に触れないと要点を落とす。棚卸資産の内訳を明示し、「短いほどよい」だけでなく受注内容による留保まで書く。
  • 第33回 第5問:Aの法人税等調整額は第33期が △2,500(マイナス)なので、第32期のように加算せず差し引く。引当金には投資その他の資産の貸倒引当金(32,400/34,900)と退職給付引当金を忘れない。キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー(△76,900)は純キャッシュ・フローではない。Bの支払利息には社債利息 700 を含め、為替差損は含めない。Iの分子は社債まで(有利子負債の定義とは別)。問2の【10】は売上債権回転日数だけで 216(フ)と答えない。棚卸資産には材料貯蔵品も含める。

この論点の問題

この論点を含む問題

次の問題では、第2・3・4・5問の問題の中の一部として活動性分析(回転率・回転期間・滞留月数)が問われます。解説の該当箇所で、この論点の処理を確かめてください。

貸借対照表・損益計算書の空欄推定(受取手形・未成工事支出金・完成工事原価・営業外費用)と支払勘定回転率第39回 第3問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と収益性分析(資本利益率・ROA・資本回転率・経審の総資本売上総利益率)の空欄補充第39回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と生産性分析(付加価値・資本生産性・設備投資効率・労働生産性の3要因分解)の空欄補充第38回 第5問
生産性分析(付加価値・資本生産性・労働装備率・資本集約度・労働生産性の要因分解)第37回 第4問
収益性分析の総括指標と分解、活動性分析における回転率と回転期間の関係(用語選択)第36回 第2問
貸借対照表・損益計算書の空欄推定(受取手形・投資有価証券・未成工事受入金・営業外費用)と棚卸資産回転率第36回 第3問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と建設業の流動性分析(建設業特有の勘定科目への配慮と別法のある比率)の空欄補充第36回 第5問
貸借対照表・損益計算書の空欄推定(未成工事支出金・短期借入金・完成工事原価・営業外費用)と受取勘定滞留月数第35回 第3問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)とキャッシュ・フロー分析(資金概念・主要比率・純キャッシュ・フロー・資金運用表と資金繰表)の空欄補充第35回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と生産性分析(労働生産性の要因分解)・経営事項審査の経営状況(Y)の空欄補充第34回 第5問
貸借対照表・損益計算書の空欄推定(完成工事未収入金・未成工事受入金・完成工事原価・営業外収益)と支払勘定回転率第32回 第3問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と出資者の見地からみた収益性指標の分解(空欄補充)第32回 第5問
生産性分析(付加価値率・労働生産性・付加価値対固定資産比率・3要因分解)と経常利益段階の損益分岐点比率第31回 第4問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と建設業特有の流動性比率・滞留月数分析の空欄補充第31回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と健全性分析(自己資本と他人資本、固定資産と長期資本のバランス)の空欄補充第30回 第5問
支払能力の分析の3つの手法と工事関連の比率・月数分析の見方(用語選択)第29回 第2問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と資本利益率の分母・分子・分解に関する空欄補充第29回 第5問

同じ大問で出る論点

第1・2・3・4・5問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。