キャッシュ・フロー分析(純CF・完成工事高CF率・営業CF対流動負債比率)
重要度 A第1・2・5問で出題過去問 14問
キャッシュ・フロー分析(純CF・完成工事高CF率・営業CF対流動負債比率)は、建設業経理士1級 財務分析の第29〜39回(11回)のうち11回で出題された論点です(収録78問中14問・重要度A。うち10問は2期分の財務諸表による諸比率の算定の一部として出題)。出題されるのは第1問・第2問・第5問です。
要点:純キャッシュ・フロー=当期純利益(税引後)±法人税等調整額+減価償却実施額+引当金増減額−剰余金の配当の額で、引当金は貸倒・完成工事補償・工事損失・退職給付の期末差額を合計する。完成工事高キャッシュ・フロー率=純CF÷完成工事高×100、営業CF対流動負債比率=営業CF÷流動負債(期中平均)×100である。資金運用表・資金繰表や現金及び現金同等物の概念も問われる。
覚える要点
- 純キャッシュ・フロー=当期純利益(税引後)±法人税等調整額+当期減価償却実施額+引当金増減額−剰余金の配当の額。「税引前」から始める文は誤り。
- 法人税等調整額は費用計上(借方)なら加算、法人税等を減らす方向(貸方・△表示)なら減算。引当金は貸倒(流動・投資その他の資産)・完成工事補償・工事損失・退職給付の期末差額を合計する。
- 完成工事高キャッシュ・フロー率=純CF÷完成工事高×100。営業CF対流動負債比率=キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるCF÷流動負債(期中平均)×100。営業活動によるCFを純CFの代わりに使わない。
- キャッシュ・フロー計算書がない場合の営業CF=経常利益+減価償却実施額−法人税等+貸倒引当金増加額−売掛債権増加額+仕入債務増加額−棚卸資産増加額+未成工事受入金増加額。
- 資金概念は現金及び現金同等物。2期の貸借対照表の増減を源泉と運用に整理した表が資金運用表、資金の動きを知る表が資金繰表。CF分析の意義は発生主義のずれと非現金支出費用で損益と資金が一致しないこと。
勉強のしかた:第5問で完成工事高キャッシュ・フロー率がほぼ毎回出る。引当金の一覧(投資その他の資産の貸倒引当金を忘れない)と法人税等調整額の符号を2期の貸借対照表で拾う手順をチェックリストにする。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、キャッシュ・フロー分析(純CF・完成工事高CF率・営業CF対流動負債比率)で間違えやすい点を集めました。
- 第38回 第1問 問1:「資金繰りが大事」だけでは要点が入らない。発生主義のずれと非現金支出費用という理由を必ず入れ、貸借対照表の限界にも触れる。
- 第35回 第5問:Aの経営資本は投資その他の資産合計(貸倒引当金控除後 174,900)と建設仮勘定を控除する。Bの当座資産にその他流動資産・未成工事支出金・材料貯蔵品は入れない。Gの付加価値は労務外注費(労務費の全額)も控除する。Jは各日数を四捨五入してから合計する指示なので、丸めずに合計すると 146.80 になって誤る。問2【6】で法人税等調整額 6,700 を減算すると 1.30(ニ)、引当金の減少 11,980 を加算すると 3.05(ハ)になり、いずれもひっかけ。キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー△139,500 は純キャッシュ・フローではないので使わない。【3】は「健全性(カ)」ではなく流動性、【9】は営業利益(オ)や税引前当期純利益(セ)ではなく経常利益。
- 第34回 第2問 2:間接法のキャッシュ・フロー計算書は税引前当期純利益から始まり営業収入の額が表示されないため、営業収入を100%とする構成比率分析はできない。「直接法を前提」の部分を誤りと勘違いしないこと。
- 第31回 第2問 3:算式の後半(±法人税等調整額+減価償却実施額+引当金増減額−配当)は正しいので、全体もTと読みやすい。「税引前」か「税引後」かを必ず確認する。法人税等調整額は費用計上分(借方)を加算し、収益計上分(貸方)を減算する。
この論点の問題
キャッシュ・フロー分析の意義第38回 第1問 問1
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)とキャッシュ・フロー分析(資金概念・主要比率・純キャッシュ・フロー・資金運用表と資金繰表)の空欄補充第35回 第5問
キャッシュ・フロー計算書の構成比率分析の前提(正誤)第34回 第2問 2
純キャッシュ・フローの算式(正誤)第31回 第2問 3
この論点を含む問題
次の問題では、2期分の財務諸表による諸比率の算定の中の一部としてキャッシュ・フロー分析(純CF・完成工事高CF率・営業CF対流動負債比率)が問われます。解説の該当箇所で、この論点の処理を確かめてください。
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と収益性分析(資本利益率・ROA・資本回転率・経審の総資本売上総利益率)の空欄補充第39回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と生産性分析(付加価値・資本生産性・設備投資効率・労働生産性の3要因分解)の空欄補充第38回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と収益性分析(自己資本利益率のデュポン分解・経審の資本利益率)の空欄補充第37回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と建設業の流動性分析(建設業特有の勘定科目への配慮と別法のある比率)の空欄補充第36回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と生産性分析(労働生産性の要因分解)・経営事項審査の経営状況(Y)の空欄補充第34回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と回転期間・回転日数による分析文の空欄補充第33回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と出資者の見地からみた収益性指標の分解(空欄補充)第32回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と建設業特有の流動性比率・滞留月数分析の空欄補充第31回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と健全性分析(自己資本と他人資本、固定資産と長期資本のバランス)の空欄補充第30回 第5問
2期分の財務諸表による諸比率の算定(A〜J)と資本利益率の分母・分子・分解に関する空欄補充第29回 第5問
同じ大問で出る論点
第1・2・5問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
A 生産性分析:労働装備率・設備投資効率・資本集約度・資本生産性A 活動性分析(回転率・回転期間・滞留月数)A 収益性分析(資本利益率:ROA・ROE・事業利益・経営資本)A 建設業特有の流動性比率(未成工事収支比率・立替工事高比率・運転資本保有月数・必要運転資金)A 損益分岐点分析(固変分解・損益分岐点比率・安全余裕率・目標利益)A 健全性分析:資本構造(自己資本比率・負債比率・借入金依存度・有利子負債月商倍率・流動負債比率)
出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。