第31回 第4問 論点:生産性分析:付加価値・付加価値率・労働生産性重要度 A配点 15点未着手

生産性分析(付加価値率・労働生産性・付加価値対固定資産比率・3要因分解)と経常利益段階の損益分岐点比率

これは建設業経理士1級 財務分析 第31回(2022年9月11日(日)実施) 第4問(配点 15点)の問題です。論点は「生産性分析:付加価値・付加価値率・労働生産性」(重要度A・解答の形は3点×5の計算問題。3月実施回(第30・32・34・36・38回)は損益分岐点分析、9月実施回(第29・31・33・35・37・39回)は生産性分析(うち第31・35・39回は問5で経常利益段階の損益分岐点比率、第29回は問3が完成工事高総利益率))。採点すると、解き方 7 手順・引っかけの指摘が読めます。

次の<資料>に基づき、下記の設問に答えなさい。なお、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。

問1 付加価値率を計算しなさい。

問2 労働生産性を計算しなさい。

問3 付加価値対固定資産比率を計算しなさい。

問4 労働生産性は、付加価値率×労働装備率×【  】の3つの要因に分解することができる。【  】の要因の数値を計算しなさい。

問5 建設業における慣行的な固定費・変動費の区分に基づいて、経常利益段階での損益分岐点比率を計算しなさい。

<資料>(金額単位:千円)金額
1.完成工事高24,680,000
2.完成工事原価の内訳 材料費2,145,000
  労務費(うち労務外注費:234,000)234,000
  外注費?
  経費(うち人件費:2,186,000)3,238,000
3.販売費及び一般管理費1,286,800
4.営業外収益・営業外費用(下記のみ) 受取利息配当金120,000
  支払利息656,000
5.資産の内訳(期中平均) 流動資産16,453,000
  有形固定資産4,256,000
  (うち建設仮勘定)24,000
  無形固定資産48,000
  投資その他の資産2,875,000
6.完成工事高営業利益率6.50 %
7.職員数(期中平均) 技術系360 人
  事務系120 人

解答欄 主要比率表(算式)を別タブで開く

%
小数点第3位を四捨五入し、第2位まで記入
千円
千円未満を切り捨て
%
小数点第3位を四捨五入し、第2位まで記入
回
小数点第3位を四捨五入し、第2位まで記入
%
小数点第3位を四捨五入し、第2位まで記入

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

問1 付加価値率24.83 %
問2 労働生産性12,768 千円
問3 付加価値対固定資産比率85.37 %
問4 【  】の要因の数値5.83 回
問5 経常利益段階の損益分岐点比率64.52 %

解き方

  1. 外注費が「?」なので、完成工事高営業利益率から逆算する。営業利益=24,680,000×6.5%=1,604,200。完成工事総利益=1,604,200+販売費及び一般管理費 1,286,800=2,891,000。完成工事原価=24,680,000−2,891,000=21,789,000。外注費=21,789,000−2,145,000−234,000−3,238,000=16,172,000。
  2. 問1 付加価値=完成工事高−(材料費+外注費)。労務外注費は外注費として扱うので、労務費 234,000(全額が労務外注費)も控除する。付加価値=24,680,000−(2,145,000+234,000+16,172,000)=6,129,000。付加価値率=6,129,000÷24,680,000×100=24.833… → 24.83%。
  3. 問2 労働生産性=付加価値÷総職員数(期中平均)。総職員数=技術系 360 人+事務系 120 人=480 人。6,129,000÷480=12,768.75 → 12,768 千円(千円未満切り捨て)。
  4. 問3 付加価値対固定資産比率(資本生産性)=付加価値÷固定資産×100。固定資産=有形固定資産 4,256,000+無形固定資産 48,000+投資その他の資産 2,875,000=7,179,000。6,129,000÷7,179,000×100=85.374… → 85.37%。
  5. 問4 労働生産性=付加価値率×労働装備率×有形固定資産回転率(付加価値÷完成工事高 × (有形固定資産−建設仮勘定)÷総職員数 × 完成工事高÷(有形固定資産−建設仮勘定))。空欄は有形固定資産回転率=完成工事高÷(有形固定資産−建設仮勘定)=24,680,000÷(4,256,000−24,000)=24,680,000÷4,232,000=5.831… → 5.83 回。
  6. 問5 建設業の慣行的な区分では、完成工事原価を変動費、販売費及び一般管理費と支払利息を固定費とし、経常利益段階では支払利息以外の営業外損益を変動費側に含める。損益分岐点比率=(販売費及び一般管理費+支払利息)÷(完成工事総利益+営業外収益−営業外費用+支払利息)×100=(1,286,800+656,000)÷(2,891,000+120,000−656,000+656,000)×100=1,942,800÷3,011,000×100=64.523… → 64.52%。
  7. 検算:変動費=完成工事原価 21,789,000−受取利息配当金 120,000=21,669,000。損益分岐点の完成工事高=固定費 1,942,800÷(1−21,669,000÷24,680,000)=15,924,378。15,924,378÷24,680,000×100=64.52% で一致する。
引っかけ:付加価値の計算で控除するのは材料費・労務外注費・外注費で、経費に含まれる人件費 2,186,000 は控除しない。問3 の付加価値対固定資産比率の分母は固定資産全体(無形固定資産・投資その他の資産を含み、建設仮勘定も含む)で、問4 の有形固定資産回転率の分母(有形固定資産−建設仮勘定)と区別する。問5 は問1 の付加価値ではなく完成工事総利益を限界利益として使う。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第31回(2022年9月11日(日)実施) 第4問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する