第32回 第3問 論点:財務諸表の空欄推定(第3問:比率から金額を逆算)重要度 A配点 20点未着手

貸借対照表・損益計算書の空欄推定(完成工事未収入金・未成工事受入金・完成工事原価・営業外収益)と支払勘定回転率

これは建設業経理士1級 財務分析 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第3問(配点 20点)の問題です。論点は「財務諸表の空欄推定(第3問:比率から金額を逆算)」(重要度A・解答の形は百万円単位のBS・PL(一部抜粋)の空欄A〜Dを関連データの比率から逆算し、指定比率を1つ算定(4点×5))。採点すると、解き方 11 手順・引っかけの指摘が読めます。

次の<資料>に基づいて(A)〜(D)の金額を算定するとともに、支払勘定回転率も算定し、解答用紙の所定の欄に記入しなさい。この会社の会計期間は1年である。なお、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。

<資料> 1.貸借対照表、2.損益計算書(一部抜粋)、3.関連データは次のとおり。

貸借対照表(資産の部)百万円
現金預金×××
受取手形31,640
完成工事未収入金(A)
未成工事支出金14,590
材料貯蔵品×××
 流動資産合計×××
建物16,000
機械装置9,100
工具器具備品3,200
車両運搬具×××
建設仮勘定900
土地×××
投資有価証券25,000
 固定資産合計×××
資産合計×××
貸借対照表(負債・純資産の部)百万円
支払手形×××
工事未払金×××
短期借入金9,190
未払法人税等3,500
未成工事受入金(B)
 流動負債合計×××
長期借入金×××
 固定負債合計×××
 負債合計128,310
資本金×××
資本剰余金×××
利益剰余金9,090
 純資産合計×××
負債純資産合計×××
損益計算書(一部抜粋)百万円
完成工事高×××
完成工事原価(C)
 完成工事総利益×××
販売費及び一般管理費15,730
 営業利益×××
営業外収益 受取利息配当金880
営業外収益 その他(D)
営業外費用 支払利息600
営業外費用 その他255
 経常利益×××
関連データ(注1)数値
総資本経常利益率2.50 %
経営資本回転期間9.80 月
流動比率(注2)110.00 %
当座比率(注2)109.70 %
自己資本比率35.00 %
現金預金手持月数1.50 月
固定長期適合比率(注3)90.00 %
有利子負債月商倍率1.20 月
金利負担能力7.00 倍
  • (注1)算定にあたって期中平均値を使用することが望ましい比率についても、便宜上、期末残高の数値を用いて算定している。
  • (注2)流動比率及び当座比率の算定は、建設業特有の勘定科目の金額を控除する方法によっている。
  • (注3)固定長期適合比率の算定は、一般的な方法によっている。

解答欄 主要比率表(算式)を別タブで開く

百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
回
小数点第3位を四捨五入し、第2位まで記入

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

(A)完成工事未収入金51,810 百万円
(B)未成工事受入金16,500 百万円
(C)完成工事原価190,950 百万円
(D)営業外収益 その他1,590 百万円
支払勘定回転率2.41 回

解き方

  1. 自己資本比率=自己資本÷総資本×100=35.00%。負債合計 128,310 は総資本の 65% にあたるので、総資本=128,310÷0.65=197,400、純資産合計(自己資本)=197,400×35%=69,090。
  2. 総資本経常利益率=経常利益÷総資本×100=2.50% → 経常利益=197,400×2.5%=4,935。
  3. 金利負担能力=(営業利益+受取利息及び配当金)÷支払利息=7.00 倍 → 営業利益+880=600×7=4,200 → 営業利益=3,320。経常利益=営業利益+営業外収益−営業外費用 より 4,935=3,320+(880+D)−(600+255) → D=4,935−3,320−880+855=1,590。
  4. 完成工事総利益=営業利益 3,320+販売費及び一般管理費 15,730=19,050。
  5. 経営資本=総資本−(建設仮勘定+投資資産)=197,400−900−25,000=171,500。経営資本回転期間=経営資本÷(完成工事高÷12)=9.80 月 → 月商=171,500÷9.8=17,500、完成工事高=17,500×12=210,000。C 完成工事原価=210,000−19,050=190,950。
  6. 現金預金手持月数=現金預金÷(完成工事高÷12)=1.50 月 → 現金預金=17,500×1.5=26,250。
  7. 有利子負債月商倍率=有利子負債÷(完成工事高÷12)=1.20 月 → 有利子負債=17,500×1.2=21,000。長期借入金=21,000−短期借入金 9,190=11,810(=固定負債合計)。流動負債合計=128,310−11,810=116,500。
  8. 固定長期適合比率(一般的な方法)=固定資産÷(固定負債+自己資本)×100=90.00% → 固定資産=(11,810+69,090)×0.9=72,810。流動資産合計=197,400−72,810=124,590。
  9. 流動比率(建設業特有の科目を控除)=(流動資産−未成工事支出金)÷(流動負債−未成工事受入金)×100=110.00% → (124,590−14,590)÷(116,500−B)=1.1 → 116,500−B=110,000÷1.1=100,000 → B=16,500。
  10. 当座比率=当座資産÷(流動負債−未成工事受入金)×100=109.70%。当座資産=現金預金+受取手形+完成工事未収入金 → (26,250+31,640+A)÷100,000=1.097 → A=109,700−26,250−31,640=51,810。
  11. 支払勘定回転率=完成工事高÷(支払手形+工事未払金)。支払手形+工事未払金=流動負債合計 116,500−短期借入金 9,190−未払法人税等 3,500−未成工事受入金 16,500=87,310。210,000÷87,310=2.405… → 2.41 回。
引っかけ:(注1)のとおりすべて期末残高で計算する。当座資産に未成工事支出金・材料貯蔵品は含めない。支払手形と工事未払金は個別には分からなくても、流動負債合計から他の科目を引けば合計が出る。固定長期適合比率は(注3)のとおり一般的な方法なので、分子は固定資産全体(建設仮勘定や投資有価証券を含む)。金利負担能力の分子は営業利益に受取利息配当金を加えたもので、経常利益ではない。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第3問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する