第36回 第3問 論点:財務諸表の空欄推定(第3問:比率から金額を逆算)重要度 A配点 20点未着手

貸借対照表・損益計算書の空欄推定(受取手形・投資有価証券・未成工事受入金・営業外費用)と棚卸資産回転率

これは建設業経理士1級 財務分析 第36回(2025年3月9日(日)実施) 第3問(配点 20点)の問題です。論点は「財務諸表の空欄推定(第3問:比率から金額を逆算)」(重要度A・解答の形は百万円単位のBS・PL(一部抜粋)の空欄A〜Dを関連データの比率から逆算し、指定比率を1つ算定(4点×5))。採点すると、解き方 9 手順・引っかけの指摘が読めます。

次の<資料>に基づいて(A)〜(D)の金額を算定するとともに、棚卸資産回転率も算定し、解答用紙の所定の欄に記入しなさい。この会社の会計期間は1年である。なお、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。

<資料> 1.貸借対照表、2.損益計算書(一部抜粋)、3.関連データは次のとおり。

貸借対照表(資産の部)百万円
現金預金60,020
受取手形(A)
完成工事未収入金48,000
未成工事支出金109,280
材料貯蔵品×××
 流動資産合計264,900
建物×××
機械装置×××
工具器具備品8,400
車両運搬具4,700
建設仮勘定1,600
土地×××
投資有価証券(B)
長期貸付金1,000
 固定資産合計×××
資産合計×××
貸借対照表(負債・純資産の部)百万円
支払手形×××
工事未払金37,200
短期借入金34,000
未払法人税等7,200
未成工事受入金(C)
 流動負債合計×××
社債48,000
長期借入金×××
 固定負債合計×××
 負債合計×××
資本金72,800
資本剰余金×××
利益剰余金27,200
 純資産合計140,000
負債純資産合計×××
損益計算書(一部抜粋)百万円
完成工事高×××
完成工事原価×××
 完成工事総利益54,400
販売費及び一般管理費32,116
 営業利益22,284
営業外収益 受取利息配当金×××
営業外収益 その他518
営業外費用 支払利息×××
営業外費用 その他(D)
 経常利益×××
関連データ(注1)数値
経営資本営業利益率6.00 %
流動比率(注2)155.00 %
完成工事高経常利益率3.20 %
借入金依存度26.00 %
総資本回転率1.20 回
固定比率96.50 %
純支払利息率0.30 %
受取勘定滞留月数2.30 月
  • (注1)算定にあたって期中平均値を使用することが望ましい比率についても、便宜上、期末残高の数値を用いて算定している。
  • (注2)流動比率の算定は、建設業特有の勘定科目の金額を控除する方法によっている。

解答欄 主要比率表(算式)を別タブで開く

百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
回
小数点第3位を四捨五入し、第2位まで記入

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

(A)受取手形44,000 百万円
(B)投資有価証券26,000 百万円
(C)未成工事受入金89,600 百万円
(D)営業外費用 その他6,002 百万円
棚卸資産回転率4.25 回

解き方

  1. 固定比率=固定資産÷自己資本×100=96.50%。自己資本=純資産合計 140,000 なので、固定資産合計=140,000×0.965=135,100。総資本=流動資産合計 264,900+固定資産合計 135,100=400,000。
  2. 総資本回転率=完成工事高÷総資本=1.20 回 → 完成工事高=400,000×1.2=480,000。月商=480,000÷12=40,000。
  3. 受取勘定滞留月数=(受取手形+完成工事未収入金)÷(完成工事高÷12)=2.30 月 → 受取手形+完成工事未収入金=40,000×2.3=92,000。A 受取手形=92,000−48,000=44,000。
  4. 経営資本営業利益率=営業利益÷経営資本×100=6.00% → 経営資本=22,284÷0.06=371,400。経営資本=総資本−(建設仮勘定+投資資産)で、投資資産は投資有価証券Bと長期貸付金 1,000。400,000−1,600−B−1,000=371,400 → B 投資有価証券=26,000。
  5. 借入金依存度=(短期借入金+長期借入金+社債)÷総資本×100=26.00% → 借入金合計=400,000×0.26=104,000。長期借入金=104,000−34,000−48,000=22,000。固定負債合計=48,000+22,000=70,000。負債合計=400,000−140,000=260,000。流動負債合計=260,000−70,000=190,000。
  6. 流動比率(建設業特有の科目を控除する方法)=(流動資産−未成工事支出金)÷(流動負債−未成工事受入金)×100=155.00% → (264,900−109,280)÷(190,000−C)=1.55 → 190,000−C=155,620÷1.55=100,400 → C 未成工事受入金=89,600。
  7. 完成工事高経常利益率=経常利益÷完成工事高×100=3.20% → 経常利益=480,000×0.032=15,360。純支払利息率=(支払利息−受取利息配当金)÷完成工事高×100=0.30% → 支払利息−受取利息配当金=480,000×0.003=1,440。
  8. 経常利益=営業利益+営業外収益−営業外費用=22,284+(受取利息配当金+518)−(支払利息+D)=22,284+518−1,440−D=21,362−D=15,360 → D 営業外費用その他=6,002。受取利息配当金と支払利息は個別には分からなくても、差額 1,440 だけで足りる。
  9. 棚卸資産=未成工事支出金+材料貯蔵品。材料貯蔵品=流動資産合計 264,900−60,020−44,000−48,000−109,280=3,600。棚卸資産=109,280+3,600=112,880。棚卸資産回転率=完成工事高÷棚卸資産=480,000÷112,880=4.252… → 4.25 回。
引っかけ:(注1)のとおりすべて期末残高で計算する。経営資本の控除項目は建設仮勘定と投資資産(投資有価証券・長期貸付金)で、長期貸付金 1,000 を落とすとBが 1,000 ずれる。流動比率は(注2)により未成工事支出金・未成工事受入金を控除する式。Dは受取利息配当金と支払利息を個別に求めようとすると手が止まるが、純支払利息率で差額が出る。棚卸資産回転率の分母は未成工事支出金だけでなく材料貯蔵品を含める。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第36回(2025年3月9日(日)実施) 第3問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する