支払能力の分析の3つの手法と工事関連の比率・月数分析の見方(用語選択)
これは建設業経理士1級 財務分析 第29回(2021年9月12日(日)実施) 第2問(配点 15点)の問題です。論点は「建設業特有の流動性比率(未成工事収支比率・立替工事高比率・運転資本保有月数・必要運転資金)」(重要度A・解答の形は用語群から記号を選ぶ空欄補充(9〜13空欄、2点と1点の混合)か、5文の正誤(T/F、3点×5))。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の文中の【 】に入る適当な用語を下記の<用語群>から選び、その記号(ア〜ノ)を解答用紙の所定の欄に記入しなさい。
【1】性に関する分析には、関係比率分析・資金保有月数分析・【2】分析がある。建設業の財務分析では、建設業独特の勘定科目に対して特別な配慮を必要とする。関係比率分析において、工事に関係する固有の【1】性については、【3】比率が有効である。この比率は、現在施工中の工事に関する立替状況を分析するものであり、100%【4】であれば、請負工事に対する支払能力は十分という解釈が成立する。また、すでに完成・引き渡した工事をも含めた工事関連の状況を分析するのが【5】比率である。この比率の分母と分子の両方に含まれる項目が【6】であり、一般にはこの比率は【7】ほうが良好である。
資金保有月数の数値は【8】ほど支払能力があり、財務健全性は良好ということになる。これに対し、【2】の数値は、【8】ほど資金繰りを圧迫する要因と考えられている。両種類の分析とも計算においては、分母に【9】を用いる。ただし、【10】の【2】に関しては、厳密にいえば分母には【9】よりも【11】を用いるべきである。
- <用語群>
- ア 未成工事支出金 イ 活動 ウ 未満 エ 立替工事高 オ 受取勘定 カ 未成工事収支 キ 自己資本 ク 健全
- コ 以上 サ 完成工事高 シ 未成工事受入金 ス 小さい セ 資産滞留月数 ソ 大きい タ 当座 チ 棚卸資産
- ト 流動 ナ 運転資本 ニ 完成工事未収入金 ネ 流動負債 ノ 完成工事原価
解答欄
正解
| 空欄1 | ト |
|---|---|
| 空欄2 | セ |
| 空欄3 | カ |
| 空欄4 | コ |
| 空欄5 | エ |
| 空欄6 | ア |
| 空欄7 | ス |
| 空欄8 | ソ |
| 空欄9 | サ |
| 空欄10 | チ |
| 空欄11 | ノ |
解き方
- 支払能力をみる分析は流動(ト)性分析で、①流動比率・当座比率などの関係比率分析、②現金預金手持月数・運転資本保有月数などの資金保有月数分析、③受取勘定滞留月数・棚卸資産滞留月数などの資産滞留月数(セ)分析の3つに分かれる。
- 工事に固有の流動性をみる関係比率が未成工事収支(カ)比率=未成工事受入金÷未成工事支出金×100。現在施工中の工事について、発注者からの前受金(未成工事受入金)で工事の立替(未成工事支出金)をどれだけ賄えているかを示すので、100%以上(コ)なら請負工事に対する支払能力は十分と解釈できる。
- 完成・引き渡した工事(完成工事未収入金・受取手形)まで含めて立替状況をみるのが立替工事高(エ)比率=(受取手形+完成工事未収入金+未成工事支出金−未成工事受入金)÷(完成工事高+未成工事支出金)×100。分母と分子の両方に入る項目は未成工事支出金(ア)で、立替が少ないほどよいので小さい(ス)ほうが良好になる。
- 資金保有月数(現金預金手持月数・運転資本保有月数)は手元資金が月商の何か月分あるかを示すので、大きい(ソ)ほど支払能力がある。資産滞留月数(受取勘定滞留月数・棚卸資産滞留月数)は資金が資産に寝ている期間を示すので、大きい(ソ)ほど資金繰りを圧迫する。どちらも分母は完成工事高(サ)÷12(月商)である。
- ただし棚卸資産(チ)(未成工事支出金+材料貯蔵品)は原価で評価されているので、その滞留月数は厳密には売価ベースの完成工事高ではなく、同じ原価ベースの完成工事原価(ノ)を分母に用いるべきである。主要比率表の算式では便宜上、完成工事高÷12 を分母にしている。
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第29回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第29回(2021年9月12日(日)実施) 第2問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する