第35回 第3問 論点:財務諸表の空欄推定(第3問:比率から金額を逆算)重要度 A配点 20点未着手

貸借対照表・損益計算書の空欄推定(未成工事支出金・短期借入金・完成工事原価・営業外費用)と受取勘定滞留月数

これは建設業経理士1級 財務分析 第35回(2024年9月8日(日)実施) 第3問(配点 20点)の問題です。論点は「財務諸表の空欄推定(第3問:比率から金額を逆算)」(重要度A・解答の形は百万円単位のBS・PL(一部抜粋)の空欄A〜Dを関連データの比率から逆算し、指定比率を1つ算定(4点×5))。採点すると、解き方 9 手順・引っかけの指摘が読めます。

次の<資料>に基づいて(A)〜(D)の金額を算定するとともに、受取勘定滞留月数も算定し、解答用紙の所定の欄に記入しなさい。この会社の会計期間は1年である。なお、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。

<資料> 1.貸借対照表、2.損益計算書(一部抜粋)、3.関連データは次のとおり。

貸借対照表(資産の部)百万円
現金預金×××
受取手形7,300
完成工事未収入金×××
未成工事支出金(A)
材料貯蔵品650
 流動資産合計×××
建物17,730
機械装置7,200
工具器具備品2,300
車両運搬具×××
建設仮勘定×××
土地25,000
のれん×××
投資有価証券×××
 固定資産合計71,250
資産合計×××
貸借対照表(負債・純資産の部)百万円
支払手形5,450
工事未払金×××
短期借入金(B)
未払法人税等1,690
未成工事受入金18,000
 流動負債合計×××
社債13,000
長期借入金×××
 固定負債合計×××
 負債合計×××
資本金×××
資本剰余金×××
利益剰余金9,500
 純資産合計60,000
負債純資産合計×××
損益計算書(一部抜粋)百万円
完成工事高×××
完成工事原価(C)
 完成工事総利益×××
販売費及び一般管理費23,400
 営業利益×××
営業外収益 受取利息配当金580
営業外収益 その他240
営業外費用 支払利息800
営業外費用 その他(D)
 経常利益×××
関連データ(注1)数値
総資本経常利益率4.32 %
流動比率(注2)145.00 %
現金預金手持月数1.45 月
金利負担能力8.90 倍
自己資本比率40.00 %
有利子負債月商倍率3.10 倍
完成工事高経常利益率4.50 %
固定長期適合比率(注3)75.00 %
  • (注1)算定にあたって期中平均値を使用することが望ましい比率についても、便宜上、期末残高の数値を用いて算定している。
  • (注2)流動比率の算定は、建設業特有の勘定科目の金額を控除する方法によっている。
  • (注3)固定長期適合比率の算定は、一般的な方法によっている。

解答欄 主要比率表(算式)を別タブで開く

百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
月
小数点第3位を四捨五入し、第2位まで記入

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

(A)未成工事支出金25,100 百万円
(B)短期借入金2,200 百万円
(C)完成工事原価114,060 百万円
(D)営業外費用 その他80 百万円
受取勘定滞留月数2.97 月

解き方

  1. 自己資本比率=自己資本÷総資本×100=40.00%。純資産合計 60,000 が総資本の 40% にあたるので、総資本=60,000÷0.4=150,000、負債合計=150,000−60,000=90,000。
  2. 総資本経常利益率=経常利益÷総資本×100=4.32% → 経常利益=150,000×4.32%=6,480。完成工事高経常利益率=経常利益÷完成工事高×100=4.50% → 完成工事高=6,480÷0.045=144,000、月商=144,000÷12=12,000。
  3. 金利負担能力=(営業利益+受取利息及び配当金)÷支払利息=8.90 倍 → 営業利益+580=800×8.9=7,120 → 営業利益=6,540。経常利益=営業利益+営業外収益−営業外費用 より 6,480=6,540+(580+240)−(800+D) → D=80。
  4. 完成工事総利益=営業利益 6,540+販売費及び一般管理費 23,400=29,940。C 完成工事原価=144,000−29,940=114,060。
  5. 固定長期適合比率(一般的な方法)=固定資産÷(固定負債+自己資本)×100=75.00% → 固定負債+60,000=71,250÷0.75=95,000 → 固定負債合計=35,000。長期借入金=35,000−社債 13,000=22,000。
  6. 有利子負債月商倍率=有利子負債÷(完成工事高÷12)=3.10 → 有利子負債=12,000×3.1=37,200。有利子負債=短期借入金+長期借入金+社債 なので B=37,200−22,000−13,000=2,200。
  7. 流動負債合計=負債合計 90,000−固定負債合計 35,000=55,000。流動資産合計=総資本 150,000−固定資産合計 71,250=78,750。流動比率(建設業特有の科目を控除)=(流動資産−未成工事支出金)÷(流動負債−未成工事受入金)×100=145.00% → (78,750−A)÷(55,000−18,000)=1.45 → A=78,750−37,000×1.45=78,750−53,650=25,100。
  8. 現金預金手持月数=現金預金÷(完成工事高÷12)=1.45 月 → 現金預金=12,000×1.45=17,400。完成工事未収入金=流動資産合計 78,750−現金預金 17,400−受取手形 7,300−未成工事支出金 25,100−材料貯蔵品 650=28,300。
  9. 受取勘定滞留月数=(受取手形+完成工事未収入金)÷(完成工事高÷12)=(7,300+28,300)÷12,000=35,600÷12,000=2.966… → 2.97 月。
引っかけ:(注1)のとおりすべて期末残高で計算する。有利子負債月商倍率の単位は「倍」と書かれているが、月商で割った月数なので 12,000×3.1 で有利子負債が出る。固定長期適合比率は(注3)の一般的な方法なので分子は固定資産合計 71,250(有形固定資産だけではない)。受取勘定には未成工事支出金・材料貯蔵品を含めない。完成工事未収入金は流動資産合計から他の科目をすべて引いて求める。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第35回(2024年9月8日(日)実施) 第3問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する