労働安全衛生法
重要度 A問題3・問題5で出題過去問 20問
労働安全衛生法は、1級管工事施工管理技士 第二次検定の平成28年度〜令和7年度(10回)のうち10回で出題された論点です(収録101問中20問・重要度A)。出題されるのは問題3・問題5です。
要点:安全衛生管理体制、作業主任者、特別教育・技能講習、足場・墜落防止、酸素欠乏。
安全管理もこの論点に含めて扱います。それぞれの要点は、問題の一覧の下にまとめています。
覚える要点
- 総括安全衛生管理者は建設業で常時100人以上の労働者を使用する事業場、安全管理者・衛生管理者・産業医は常時50人以上、安全衛生推進者は10人以上50人未満で選任する。衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場等を巡視する
- 統括安全衛生責任者は、特定元方事業者が関係請負人を含む作業従事者が常時50人以上(ずい道等は30人以上)の場所で選任し、その技術的事項は元方安全衛生管理者に管理させる。下請の請負人は安全衛生責任者を選任する(総括安全衛生管理者と取り違えない)
- 高さ2m以上の箇所には作業床を設け、作業床の端・開口部には囲い・手すり・覆い等、困難なときは防網を張り要求性能墜落制止用器具を使わせる。器具と取付け設備は随時点検し、高さ2m以上の作業は必要な照度を保つ。高さ又は深さ1.5mを超える箇所には昇降設備
- 足場(一側足場を除く)の高さ2m以上の作業床は幅40cm以上、床材間の隙間3cm以下、床材と建地の隙間12cm未満。架設通路は勾配30度以下(15度を超えると滑止め)で、手すり85cm以上と中桟35cm以上50cm以下、高さ8m以上の登り桟橋は7m以内ごとに踊場
- つり足場・張出し足場・高さ5m以上の足場の組立て等、掘削面の高さ2m以上の地山の掘削は、技能講習を修了した作業主任者を選任する。足場の組立て等の業務や、作業床のない高さ2m以上でフルハーネス型の墜落制止用器具を使う業務には特別の教育を行う
- 移動式クレーンの運転は、つり上げ荷重1t未満が特別の教育、1t以上5t未満が小型移動式クレーン運転技能講習、5t以上が免許。定格荷重を表示し、検査証(有効期間2年)は当該クレーンに備え付け、定期自主検査(1年以内・1月以内ごと)の記録は3年間保存する
- 汚水槽の内部は第二種酸素欠乏危険場所で、作業開始前に酸素と硫化水素の濃度を測り、記録を3年間保存する。酸素18%以上・硫化水素100万分の10以下に換気する(酸素欠乏は酸素18%未満、酸素欠乏等は硫化水素100万分の10超を含む)
- ガス溶接等の容器は40度以下に保ち、転倒しないよう保持する。石綿作業主任者は局所排気装置・プッシュプル型換気装置・除じん装置を1月を超えない期間ごとに点検し、定期自主検査は1年以内ごとに1回(記録3年)、常時作業者の作業の記録は40年間保存する
勉強のしかた:毎年1問、条文の空欄に語句や数値を入れる形で出る(令和6・7年度は選択欄から選ぶ問題も出た)。墜落防止・足場、クレーン、酸素欠乏、石綿の条文を数値と「選任・特別の教育・技能講習・免許」の別で覚え、統括と総括を取り違えないようにする。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、労働安全衛生法で間違えやすい点を集めました。
- 令和7年度 問題3 設問1:Cは「日常」ではなく「随時」。墜落防止の規定の高さはいずれも2メートル。
- 令和7年度 問題3 設問2:Dは「特別教育」ではない。特別教育はつり上げ荷重5t未満のクレーンの運転の業務に必要な教育で、第61条の就業制限には含まれない。
- 令和6年度 問題3 設問1:Aは発散源対策の3つ(密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置)の1つで、「集中換気装置」「排風機」ではない。作業主任者の点検は1月以内ごと、定期自主検査は1年以内ごと、記録の保存は3年間。
- 令和6年度 問題3 設問2:Dは「技能講習」ではない。足場の組立て等の業務に就く労働者には特別の教育、足場の組立て等作業主任者には技能講習の修了が必要。Eは平成31年の改正で「安全帯」から「要求性能墜落制止用器具」に改められた。
- 令和5年度 問題5 設問1:総括安全衛生管理者の人数は業種で異なる(建設業は100人、製造業などは300人、その他は1,000人)。巡視の回数は衛生管理者が毎週1回、産業医が毎月1回で混同しやすい。
- 令和5年度 問題5 設問2:Dは「総括安全衛生管理者」(一つの事業場の安全衛生を統括する者)と取り違えやすい。元請・下請が混在する現場の統括は「統括安全衛生責任者」。
この論点の問題
墜落等による危険の防止(労働安全衛生法・選択)令和7年度 問題3 設問1
クレーンの運転の就業制限(労働安全衛生法・穴埋め)令和7年度 問題3 設問2
石綿等を取り扱う作業(労働安全衛生法・選択)令和6年度 問題3 設問1
足場の組立て等の特別教育、高所作業車の墜落制止用器具(労働安全衛生法・穴埋め)令和6年度 問題3 設問2
総括安全衛生管理者・衛生管理者(労働安全衛生法・穴埋め)令和5年度 問題5 設問1
統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者(労働安全衛生法・穴埋め)令和5年度 問題5 設問2
墜落制止用器具(労働安全衛生法・穴埋め)令和4年度 問題5
架設通路の墜落防止措置(労働安全衛生法・数値)令和3年度 問題5 設問1
石綿等を取り扱う作業の換気装置と点検・自主検査(労働安全衛生法・穴埋め)令和3年度 問題5 設問2
石綿等を取り扱う作業の記録(労働安全衛生法・穴埋め)令和2年度 問題5 設問1
移動式クレーンの定格荷重の表示・定期自主検査(労働安全衛生法・穴埋め)令和2年度 問題5 設問2
酸素欠乏等の定義(労働安全衛生法・穴埋め)令和2年度 問題5 設問3
総括安全衛生管理者・小型移動式クレーン・足場の組立て(労働安全衛生法・穴埋め)令和元年度 問題5 設問1
暑さ指数(WBGT)令和元年度 問題5 設問2
汚水槽内の酸素・硫化水素濃度の測定、ガス溶接の就業制限(労働安全衛生法・穴埋め)平成30年度 問題5 設問1
石綿作業主任者の職務(労働安全衛生法・穴埋め)平成30年度 問題5 設問2
総括安全衛生管理者・ガス等の容器の温度・衛生委員会(労働安全衛生法・穴埋め)平成29年度 問題5 設問1
足場の組立て等作業主任者・特別の教育(労働安全衛生法・穴埋め)平成29年度 問題5 設問2
安全衛生委員会の記録・元方安全衛生管理者・地山の掘削作業主任者・足場の作業床(労働安全衛生法・穴埋め)平成28年度 問題5 設問1
既設汚水槽の内部の作業前に濃度を測定する気体平成28年度 問題5 設問2
安全管理
建設現場の安全管理活動、墜落・酸素欠乏の防止、熱中症対策、災害統計。
- 暑さ指数(WBGT)は黒球温度・自然湿球温度・乾球温度から求める指標で、影響が最も大きいのは湿度を反映する自然湿球温度、単位は℃
- 熱中症を生ずるおそれのある作業では、自覚症状のある者や疑いのある者を見つけたときに報告させる体制と、作業からの離脱・身体の冷却・医師の診察などの手順を、あらかじめ作業場ごとに定めて周知する(労働安全衛生規則第612条の2)
- 高温多湿の作業場所では、透湿性・通気性のよい服装、水分・塩分の定期的な摂取、休憩場所の確保、作業開始前の健康状態の確認、暑熱順化の期間などで熱中症を予防する
- 酸素欠乏危険作業は作業開始前に酸素(汚水槽などは硫化水素も)の濃度を測り、酸素18%以上・硫化水素100万分の10以下に換気する。換気に純酸素を使わない
- 墜落防止の規定は高さ2m以上が基準で、作業床や囲い等が困難なら防網と要求性能墜落制止用器具を使う。強風・大雨・大雪などで危険が予想されるときは高さ2m以上の作業を行わせない
勉強のしかた:出題は令和元年度のWBGTの穴埋め1問だが、熱中症・酸素欠乏・墜落の防止は法規の問題や経験記述の安全管理でも使う。WBGTの3つの温度と単位、熱中症の報告体制と手順を一緒に覚えておく。
この内容を問う過去問:令和元年度 問題5 設問2
同じ問題で出る論点
問題3・問題5では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
出題実績は資格試験対策.netが平成28年度〜令和7年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。