土工
土工は、1級土木施工管理技士 第二次検定の平成28年度〜令和8年度(11回)のうち11回で出題された論点です(収録121問中18問・重要度A)。出題されるのは選択問題(1)・選択問題(2)です。
土質調査・軟弱地盤対策・基礎工・土留め・下水道もこの論点に含めて扱います。それぞれの要点は、問題の一覧の下にまとめています。
覚える要点
- 高含水比の材料は天日(ばっ気)乾燥による脱水処理が基本で、困難なら固化材で安定処理。生石灰は吸水・発熱で粘性土のトラフィカビリティーを早期に改良し、反応が緩慢なので十分な養生期間をとる。
- 石灰・石灰系固化材は風速・風向に注意して粉じんを抑え、作業者はマスク・防じんメガネを使用。セメント・セメント系固化材は配合設計段階で六価クロム溶出試験を行う。
- 盛土材料は締固め後のせん断強さが大きく圧縮性が小さく、吸水による膨潤性が低いもの。路体の1層の仕上り厚さは30cm以下(路床20cm以下)、敷均し時にばっ気・散水で含水量調節。
- 軟弱地盤上の盛土は中央部の沈下が法肩部より大きいので4〜5%の横断勾配で雨水の浸透を防ぐ。側方移動で丁張が動くので形状を再確認、沈下による天端幅不足は腹付け盛土、動態観測の結果を次の施工にフィードバック。
- 構造物の裏込めは非圧縮性で透水性のある材料を用い、底部がくさび形の部分は薄層で小型機械により入念に締め固め、両側から均等に施工して偏土圧を避ける。踏掛版で段差の影響を緩和。
- 切土法面の損傷で最も多いのは雨水の流下による侵食。地下水位の高い側に十分な深さのトレンチ、法肩の上部に仮排水溝、施工中も湧水の状況を観察する。
- 法面保護工は植生工(種子散布工・張芝工:施工時期・散水養生)と構造物工(プレキャスト枠工は1:1.0より緩い法面、ブロック積擁壁工は急な法面:基礎・滑動防止・排水)で留意点の観点を分ける。
勉強のしかた:問題3〜4で穴埋めか記述が毎年出る。盛土工指針・切土工指針の文言をそのまま覚え、記述は「目的」と「施工上の留意点」を分けて1つずつ具体的に書く練習をしておく。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、土工で間違えやすい点を集めました。
- 令和8年度 問題8:2つの措置が同じ内容(例えば仮排水溝の位置違い)にならないよう,表面水と地下水・湧水に分けて書くと確実。目的(法面の安定を保つ)だけでなく,どこに何を設けるかを書く。問われているのは「具体的な措置」なので,「〜に留意する」「〜に注意する」という書き方ではなく,「〜を設けて〜する」と行う処置を書く。
- 令和7年度 問題4:(イ)は法面ではなく盛土天端の「横断」勾配。(ロ)は中央部に水がたまる「滞水」も趣旨は同じだが,盛土指針の表現は雨水の「浸透」防止。(ホ)は「試験施工」ではなく,施工中に継続して行う「動態観測」。
- 令和6年度 問題8:解答欄の(例)と同じ内容は不可。選んだ番号を書き落とさない。
- 令和5年度 問題4:(イ)は「崩壊」ではなく雨水の流下による「侵食」。(ホ)は(4)の地質と並べて観察する「湧水」。
- 令和3年度 問題4:(ハ)は「高含水比粘性土等の~の確保」なので,建設機械の走行性を表すトラフィカビリティー。「安定性」とする解答試案もあるが,高含水比粘性土の改良目的は走行性の確保である。(ロ)は「強度の不足する~材料」なので路床。
- 令和3年度 問題8:効果は工法の原理と対応させる(排水系は圧密促進・強度増加,固結系・置換はすべり抵抗の増加・沈下の低減)。工法名の書き落としに注意。
この論点の問題
土質調査・軟弱地盤対策
原位置試験・室内試験の種類と目的、軟弱地盤の改良工法(置換・圧密促進・固結など)。
- 軟弱地盤対策工法は指針の分類(表層処理・置換・載荷重・圧密排水・締固め・固結・荷重軽減・押え盛土)に沿い、工法名を明記して「概要(何をどう施工するか)」と「期待される効果」を分けて書く。
- 排水系(サンドドレーン工法)は圧密促進・強度増加、固結系(深層混合処理・薬液注入)と掘削置換はすべり抵抗の増加・沈下の低減、締固め系(サンドコンパクションパイル)は密度増大・液状化防止と、原理と効果を対応させる。
- サンドマットは表層処理工法で上部排水層とトラフィカビリティーの確保、載荷盛土は圧密促進で残留沈下を低減、荷重軽減工法は軽量材で沈下・安定を改善、押え盛土はすべり破壊の防止。
- 効果は「地盤が良くなる」ではなく「圧密沈下の促進」「すべり破壊の防止」「液状化の防止」など具体的に書き、工法名の書き落としに注意する。
勉強のしかた:記述問題で5工法から2つ選ぶ形式が繰り返し出る。指針の分類表で工法ごとに「方法+効果」を1文で書けるようにしておけば、土工の軟弱地盤の穴埋めにも使える。
この内容を問う過去問:平成29年度 問題7・令和3年度 問題8
基礎工・土留め
既製杭・場所打ち杭・直接基礎・ケーソン、土留め・仮締切りの施工と留意点。
- 切梁式土留め内の掘削は土留め壁・支保工の安定を保つことが第一で、掘削順序は偏土圧を生じさせず、所定の深さを超える過掘りをしない。
- 軟弱粘性土地盤では掘削底面のヒービングと床付け面の乱れに注意し、掘削面の長時間の放置を避ける。
- 漏水・出水時は土砂の流出やボイリングを防ぐため早期に止水・排水処理を行い、場内排水は掘削面に水をためないよう計画する。
- ①〜④の項目から2つ選んで番号を付け、解答欄の(例)と同一内容を避けて実施方法か留意点を1つずつ具体的に書く。
勉強のしかた:記述問題で切梁式土留め内の掘削(掘削順序・過掘り防止・場内排水・漏水処理)が繰り返し出る。仮設構造物工指針の観点で項目ごとに1つずつ具体策を用意しておく。
この内容を問う過去問:令和4年度 問題8・令和6年度 問題8
下水道
下水道管渠の布設・接合、マンホール、管路の更生。
- 管渠敷設の工種はバックホウによる床掘工→トラッククレーンによる管布設(据付け)工→タンパによる埋戻し工の順で、番号と工種名を書き落とさない。
- 床掘りは床付け面を乱さず過掘りを避け、管は下流から上流へ受口を上流側に向けて据え付け、管底高と中心線を確かめる。
- 埋戻しは管の両側から均等に薄層(20〜30cm程度)でまき出して締め固め、管に偏圧を与えない。
- 留意事項は品質・出来形に関するものを書き、機械の操作や立入禁止・合図などの安全管理は除外条件なので得点にならない。
勉強のしかた:出題は令和3年の記述1問。施工計画の論点で出るプレキャストカルバート・L型擁壁の工種名と留意事項と同じ形式なので、床掘・据付・埋戻しの定番セットとして一緒に覚える。
この内容を問う過去問:令和3年度 問題11
同じ分野で出る論点
選択問題(1)・選択問題(2)では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
出題実績は資格試験対策.netが平成28年度〜令和8年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。