工事収益の認識(工事進行基準)

重要度 A第1・2・5問で出題過去問 14問

工事収益の認識(工事進行基準)は、建設業経理士1級 財務諸表の第29〜39回(11回)のうち11回で出題された論点です(収録97問中14問・重要度A。うち11問は精算表の一部として出題)。出題されるのは第1問・第2問・第5問です。

要点:原価比例法で進捗率(累計原価÷見積総原価)を出し、請負金額に掛けて累計の工事収益を求め、前期までの計上額を差し引く。当期に見積総原価や請負金額が変更された場合は、変更後の金額で累計を計算し直す。前受金(未成工事受入金)は累計収益から控除し、超過分が完成工事未収入金になる。理論では工事進行基準・工事完成基準の意義、適用要件、契約の種類(総額請負・原価補償・単価精算)ごとの収益測定を説明できるようにする。

覚える要点

  • 工事進行基準は決算日ごとに進捗度を見積り、工事収益総額×進捗度の累計から前期までの計上額を差し引いて当期の工事収益を認識する。
  • 適用要件は進捗部分の成果の確実性で、工事収益総額・工事原価総額・決算日の工事進捗度の三つを信頼性をもって見積れること。
  • 契約の種類ごとの収益測定:総額請負契約は収益総額×進捗度、原価補償契約は実際原価+一定の利益、単価精算契約は完成作業単位量×単価。後二者は進捗度を乗じない。
  • 精算表では当期首の見積変更後の収益総額・原価総額で累計を計算し、前期までの計上額を引く。前受金−前期までの計上額が残高試算表の未成工事受入金と一致することを確かめて全額を充当する。
  • 第1期の工事収益が割り切れないときは千円未満を切り捨て、前期までの累計との差で第2期を求める。
  • 工事進行基準は発生主義による認識、工事完成基準と延払基準は実現主義による認識。進行基準の基盤は収益の期間帰属の合理性と請負契約による計算の確実性。

勉強のしかた:第1問の記述では定義・適用要件・契約種類の3点を型で書けるようにし、第5問(5)は「変更後の累計−前期計上額」を精算表の中で機械的に処理できるまで反復する。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、工事収益の認識(工事進行基準)で間違えやすい点を集めました。

  • 第37回 第2問:【3】は本文中に 3 か所あるが、すべて工事完成基準。【5】は「請負工事であるという」に続くので、契約の存在が保証する「計算の確実性」を選ぶ。用語群の「総額請負契約」「原価補償契約」「単価精算契約」は契約の種類で、この文章には入らない。
  • 第32回 第1問 問1:適用要件を「成果の確実性」の一語で済ませず、三要素を必ず列挙する。原価比例法など進捗度の見積方法の説明に字数を割きすぎない。なお工事契約に関する会計基準は収益認識に関する会計基準の適用により廃止され、現行制度では「一定の期間にわたり充足される履行義務」について進捗度に応じて収益を認識する処理に引き継がれている(進捗度を合理的に見積れない場合は原価回収基準)。設問が工事進行基準の用語で問う以上その用語で答えるが、これを現行基準の説明として書かないよう注意する。
  • 第32回 第1問 問2:総額請負契約だけ詳しく書いて残り二つが薄くならないようにする。原価補償契約と単価精算契約に「進捗度を乗じる」と書かない。

この論点の問題

この論点を含む問題

次の問題では、精算表の中の一部として工事収益の認識(工事進行基準)が問われます。解説の該当箇所で、この論点の処理を確かめてください。

精算表(機械装置の除却・減損、その他有価証券の税効果、外貨建貸付金の換算、工事進行基準の見積変更)第39回 第5問
精算表(機械装置の除却・減損、その他有価証券と金利スワップの税効果、工事進行基準の見積変更)第38回 第5問
精算表(機械装置の修理と減価償却、その他有価証券の償却原価法と税効果、元利継続式定期預金、工事進行基準の見積変更)第37回 第5問
精算表(機械装置の除却、その他有価証券の償却原価法と税効果、社債の買入償還の修正、工事進行基準の見積変更)第36回 第5問
精算表(機械装置の減損、その他有価証券と金利スワップの繰延ヘッジ・税効果、工事進行基準の見積変更)第35回 第5問
精算表(機械装置の除却、元利継続式定期預金の未収利息、その他有価証券の税効果、工事進行基準の見積変更)第34回 第5問
精算表(機械装置の減損、外貨建貸付金の換算、その他有価証券の税効果、工事進行基準の見積変更)第33回 第5問
精算表(資産除去債務付き機械装置の撤去・売却、機械装置の除却、その他有価証券の税効果、工事進行基準の見積変更)第32回 第5問
精算表(機械装置の減損、外貨建貸付金の換算、社債の買入償還の修正と減債積立金の取崩し、工事進行基準の見積変更)第31回 第5問
精算表(機械装置の減損、外貨建貸付金の換算、その他有価証券の償却原価法と税効果、工事進行基準の見積変更)第30回 第5問
精算表(機械装置の除却、元利継続式定期預金の未収利息、その他有価証券の税効果、工事進行基準の見積変更)第29回 第5問

同じ大問で出る論点

第1・2・5問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。