ヘッジ会計・デリバティブ

重要度 B第3・4・5問で出題過去問 13問

ヘッジ会計・デリバティブは、建設業経理士1級 財務諸表の第29〜39回(11回)のうち5回で出題された論点です(収録97問中13問・重要度B。うち5問は会計処理の正誤・精算表の一部として出題)。出題されるのは第3問・第4問・第5問です。

要点:繰延ヘッジでは、ヘッジ手段(先渡契約・金利スワップ)の評価差額を税効果を控除した純額で繰延ヘッジ損益(純資産)に計上し、ヘッジ対象(その他有価証券)の評価差額はその他有価証券評価差額金にする。時価ヘッジでは、ヘッジ対象とヘッジ手段の評価差額をどちらも当期の損益(有価証券評価損益・先渡契約損益)にし、税効果は法人税等調整額で処理する。第4問では社債に係る仕訳と先渡契約に係る仕訳に分けて答える。正誤問題ではヘッジ会計を中止したときの繰延損失の扱い(含み益で回収できる範囲でのみ繰延継続)が問われる。

覚える要点

  • 繰延ヘッジ:ヘッジ対象(その他有価証券)の評価差額は通常どおり税効果後にその他有価証券評価差額金へ。ヘッジ手段(先渡契約・金利スワップ)の評価差額は損益にせず、税効果控除後の純額を繰延ヘッジ損益(純資産)に計上する。
  • 時価ヘッジ:ヘッジ対象の評価差額を有価証券評価損益、ヘッジ手段の評価差額を先渡契約損益として当期の損益にし、税効果は繰延税金資産・負債/法人税等調整額で処理する。
  • 評価損には繰延税金資産、評価益には繰延税金負債。繰延ヘッジ損益は税効果控除後の純額、先渡契約損益は税効果を引かない総額で計上する。
  • ヘッジ会計を中止したときは、繰り延べたヘッジ手段の損益はヘッジ対象の損益が認識されるまで繰り延べるが、繰り延べた損失がヘッジ対象の含み益を上回る部分は当期の損失にする。
  • 精算表の金利スワップの評価益を有価証券の評価損と相殺したり、為替差損益などの損益にしたりしない。

勉強のしかた:第4問は社債に係る仕訳と先渡契約に係る仕訳を繰延ヘッジ・時価ヘッジの2×2で書く型。4つの仕訳を白紙に再現できるまで繰り返し、第5問の金利スワップにも同じ処理を当てはめる。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、ヘッジ会計・デリバティブで間違えやすい点を集めました。

  • 第37回 第4問 問1 社債に係る仕訳:繰延ヘッジで繰り延べるのはヘッジ手段(先渡契約)の損益であり、ヘッジ対象の社債の評価差額に繰延ヘッジ損益は使わない。評価損なので繰延税金「資産」。有価証券評価損益(コ)を使うのは時価ヘッジ(問2)のとき。
  • 第37回 第4問 問1 先渡契約に係る仕訳:繰延ヘッジ損益は税効果を控除した純額 94,500 で計上する(135,000 としない)。先渡契約の含み益なので繰延税金「負債」。先渡契約損益(イ)で当期の損益にするのは時価ヘッジ(問2)のとき。
  • 第37回 第4問 問2 社債に係る仕訳:時価ヘッジでは、その他有価証券評価差額金(ク)を使わない。評価差額を損益に計上するので、税効果の相手科目も評価差額金ではなく法人税等調整額(エ)になる。
  • 第37回 第4問 問2 先渡契約に係る仕訳:繰延ヘッジ損益(ウ)は使わない。先渡契約損益は税効果を引かない総額 135,000 で計上し、税効果は法人税等調整額と繰延税金負債で別に処理する(繰延ヘッジの 94,500 と混同しない)。
  • 第31回 第4問 問1 先渡契約に係る仕訳:繰延ヘッジ損益は税効果を控除した純額 29,400 で計上する(42,000 としない)。先渡契約の含み益なので繰延税金「負債」。先渡契約損益(イ)で当期の損益にするのは時価ヘッジ(問2)のとき。
  • 第31回 第4問 問2 先渡契約に係る仕訳:繰延ヘッジ損益(ウ)は使わない。先渡契約損益は税効果を引かない総額 42,000 で計上し、税効果は法人税等調整額と繰延税金負債で別に処理する(繰延ヘッジの 29,400 と混同しない)。

この論点の問題

この論点を含む問題

次の問題では、会計処理の正誤・精算表の中の一部としてヘッジ会計・デリバティブが問われます。解説の該当箇所で、この論点の処理を確かめてください。

同じ大問で出る論点

第3・4・5問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。