舗装施工管理技術者の経験記述:書き方と例文

経験記述は、1級・2級とも応用試験の問1で毎年必ず出題される記述問題です。自分が経験した舗装工事を1つ選び、工事名・工事内容(発注者・工期・主な工種・施工量)・施工管理上の立場と、施工管理上の課題とその対策(1級は結果も)を書きます。問2〜5は選択問題ですが、問1は選べないので、応用試験でいちばん準備が必要な問題です。

このページの例文はすべて資格試験対策.netが作成した架空の工事の記述例です。書き方の型として使い、ご自身の工事にあてはめて書いてください。

出題の形と字数

1級 応用試験 問12級 応用試験 問1
工事の概要舗装工事名、発注者、工期、主な工種、施工量、施工管理上の立場舗装工事名、発注者、工期、主な工種、施工量、施工管理上の立場
管理項目工程管理、出来形・品質管理、安全管理から選ぶ(複数可)指定なし(施工管理上の課題)
書く内容と字数①課題 200字以内、②対策 300字以内、③結果 100字以内①課題、②対策(解答欄に収まるように。欄はおよそ課題78字・対策218字)

書き方のポイント

工事の概要と課題・対策を一致させる

工期・主な工種・施工量は、課題と対策で書く内容と矛盾しないようにします。夏の夜間に切削オーバーレイをした話を書くなら、工期に夏を含め、主な工種に切削オーバーレイ、施工量にその面積を入れておきます。工事名は契約書どおりの名称、立場は「現場代理人」「主任技術者」「工事主任」など、施工管理上の立場が分かる書き方にします。

舗装工事ならではの条件を数値で書く

「交通量が多い」ではなく「日交通量約12,000台」、「暑い時期」ではなく「日中の気温が35℃を超える」のように、数値で現場の条件を示します。舗装では、混合物の温度、締固め度、仕上がり厚さ、交通開放時の路面温度、規制できる時間など、数値で書ける項目がたくさんあります。

課題 → 対策 → 結果をつなげる

課題に書いたことを、対策で①②③と番号を付けて一つずつ解決し、結果で「どうなったか」を数値で示します。1級の結果は100字しかないので、「締固め度は平均97.8%で規格値を満足した」「9月末の期限より4日早く完了した」のように、課題に対応する成果を短く書きます。

字数の上限を守り、8〜9割は書く

1級は課題200字・対策300字・結果100字以内と問題文で決められています。上限を超えないよう、試験前に一度、手で書いて字数を確かめておきます。2級は「解答欄に収まるように」とされているので、欄からはみ出さず、空白も残さない分量にまとめます。

選んだ管理項目から外れない

1級で「工程管理」を選んだのに、対策が品質の話ばかりになると評価が下がります。出来形・品質管理なら厚さ・平たん性・締固め度・温度、工程管理なら施工順序・班編成・作業時間、安全管理なら規制・誘導・重機との接触防止・熱中症対策など、選んだ項目に合った対策を書きます。

例文は丸写しせず、自分の工事で書く

問題文は「あなたが経験した舗装工事のうちから1つを選び」と求めています。このページの例文はすべて架空の工事です。書き方の型として使い、工事名・数量・課題・対策は自分が担当した工事の内容に置き換えてください。

管理項目別の例文

出来形・品質管理・工程管理・安全管理

出来形・品質管理の例文(1級舗装 応用 令和8年度の出題)

工事概要

  • 舗装工事名:国道○○号△△地区舗装修繕工事
  • 発注者:国土交通省○○地方整備局△△国道事務所
  • 工期:令和7年6月16日〜令和7年11月14日
  • 主な工種:切削オーバーレイ工、路盤打換え工
  • 施工量:表層5,200m²、路盤打換え780m²
  • 立場:現場代理人

留意した施工管理項目の課題(□工程管理 □出来形・品質管理 □安全管理 から選択。複数可)

出来形・品質管理

① 留意した施工管理項目の課題の内容(200字以内)

本工事は日交通量約12,000台の国道で、既設表層を5cm切削し、密粒度アスファルト混合物(13)を5,200m²舗設するものである。施工は7月から9月の夜間で、翌朝6時には交通を開放しなければならなかった。夏季は夜間でも気温が27℃前後あり、開放時の路面温度が高いと初期わだち掘れが生じるため、所定の締固め度を確保したうえで開放時の路面温度を50℃以下とすることが課題であった。

190字(字数の上限 200字)

② 前述の課題に対して現場で実施した対策(300字以内)

①開放時刻から逆算して舗設を毎夜4時までに終えるよう、1夜の施工量を650m²に抑えた。②到着時に全車の混合物温度を測り、150℃以上を確認した。③試験施工で転圧回数を決め、初転圧は10tロードローラで110〜140℃、2回、二次転圧は10tタイヤローラで70〜90℃、8回とし、放射温度計で転圧開始温度を確認した。④仕上げ転圧の後、散水車で路面に散水し、送風機を併用して冷却した。⑤開放前に20m間隔で路面温度を測定し、全点が50℃以下であることを確認してから開放した。⑥翌日にコアを採取して締固め度を確認した。

257字(字数の上限 300字)

③ 得られた結果(100字以内)

開放時の路面温度は41〜48℃で全点が50℃以下となり、コアの締固め度は平均97.8%で規格値(平均96%以上)を満足した。開放1か月後のわだち掘れ量も3mm以下で、初期わだち掘れは生じなかった。

98字(字数の上限 100字)

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出来形・品質管理の例文(2級舗装 応用 令和8年度の出題)

工事概要

  • 工事名:市道○○線舗装新設工事
  • 発注者:○○市建設部
  • 工期:令和7年5月~令和7年10月
  • 主な工種:下層・上層路盤工、表層工
  • 施工量:As舗装 A=3,500m²
  • 施工管理上の立場:工事主任

①課題

新設道路の舗装工事で、下層路盤・上層路盤・表層の各層の厚さと仕上がり高さを規格値内に収め、所定の出来形を確保することが課題であった。

66字(解答欄の目安 78字)

②対策

①丁張りを10m間隔で設け、各層の計画高を明示した。②下層路盤は一層の仕上がり厚20cm以下、上層路盤は15cm以下で敷き均し、転圧後に10mごとにレベルで高さを測定して、不足箇所は手直しした。③表層は自動レベル制御装置付きのアスファルトフィニッシャで敷き均した。④測定値は規格値の8割以内を社内目標として厚さと幅を記録し、表層完成後に3mプロフィルメータで平たん性を確認した。

189字(解答欄の目安 218字)

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工程管理の例文(1級舗装 応用 令和8年度の出題)

工事概要

  • 舗装工事名:国道○○号△△地区舗装修繕工事
  • 発注者:国土交通省○○地方整備局△△国道事務所
  • 工期:令和7年6月16日〜令和7年11月14日
  • 主な工種:切削オーバーレイ工、路盤打換え工
  • 施工量:表層5,200m²、路盤打換え780m²
  • 立場:現場代理人

留意した施工管理項目の課題(□工程管理 □出来形・品質管理 □安全管理 から選択。複数可)

工程管理

① 留意した施工管理項目の課題の内容(200字以内)

本工事は日交通量約12,000台の国道で、切削オーバーレイ5,200m²と路盤打換え780m²を行うものである。着手直後の梅雨期に降雨で12日間作業ができず、工程が約2週間遅れた。10月上旬に沿道の大型商業施設が開業して交通量が増えるため、発注者から9月末までに舗設を終えるよう求められており、残る切削オーバーレイ3,800m²と路盤打換えを9月30日までに終えることが工程管理上の課題であった。

198字(字数の上限 200字)

② 前述の課題に対して現場で実施した対策(300字以内)

①ネットワーク工程表を見直し、路盤打換えは昼間の片側交互通行で、切削オーバーレイは夜間に並行して施工する計画に変更した。②切削機とアスファルトフィニッシャを2班に増やし、1夜の施工量を350m²から600m²に増やした。③合材工場と前日に出荷量を確定し、ダンプトラックを6台から10台に増やして待ち時間を無くした。④雨天の予報がある日は切削のみを先行し、降雨後は路盤の含水状態を確認してから舗設した。⑤毎朝、前夜の実績を工程表に記入して計画と比べ、遅れが1日分を超えたときは翌夜に作業員を追加して取り戻した。

254字(字数の上限 300字)

③ 得られた結果(100字以内)

並行施工と2班体制により遅れを取り戻し、9月26日に舗設を完了した。発注者が求めた9月末の期限より4日早く終わり、区画線工も10月上旬に終えて、工期内に竣工できた。

82字(字数の上限 100字)

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工程管理の例文(2級舗装 応用 令和8年度の出題)

工事概要

  • 工事名:市道○○線舗装改良工事
  • 発注者:○○県○○市
  • 工期:令和7年7月~令和8年2月
  • 主な工種:路盤工、表層工
  • 施工量:As舗装 A=5,200m²
  • 施工管理上の立場:監理技術者

①課題

先行する水道管布設工事の遅れで舗装の着手が1か月遅れたため、残りの工期内に路盤工と表層工5,200m²を完了させることが課題であった。

67字(解答欄の目安 78字)

②対策

①水道工事の完了した区間から順に着手できるよう工区を3つに分け、工程表を見直した。②作業班を2班とし、路盤工と表層工を別の工区で並行して進めた。③ネットワーク式工程表で作業の順序と余裕日数を示し、遅れが工期に影響する作業を重点的に管理した。④合材工場と前日に出荷量と時刻を調整し、待ち時間をなくした。⑤週1回、水道工事の業者と工程会議を開き、進捗を共有した。

179字(解答欄の目安 218字)

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安全管理の例文(1級舗装 応用 令和8年度の出題)

工事概要

  • 舗装工事名:国道○○号△△地区舗装修繕工事
  • 発注者:国土交通省○○地方整備局△△国道事務所
  • 工期:令和7年6月16日〜令和7年11月14日
  • 主な工種:切削オーバーレイ工、路盤打換え工
  • 施工量:表層5,200m²、路盤打換え780m²
  • 立場:現場代理人

留意した施工管理項目の課題(□工程管理 □出来形・品質管理 □安全管理 から選択。複数可)

安全管理

① 留意した施工管理項目の課題の内容(200字以内)

本工事の路盤打換え780m²は、7月下旬から8月上旬の昼間に片側交互通行の規制内で施工した。日中の気温は35℃を超える予報で、140℃以上の混合物を扱う舗設作業では作業員の熱中症が懸念された。また、狭い規制帯の中でバックホウ、ダンプトラック、ローラが同時に稼働するため、熱中症と重機との接触災害を防止することが安全管理上の課題であった。

168字(字数の上限 200字)

② 前述の課題に対して現場で実施した対策(300字以内)

①規制帯に暑さ指数(WBGT)計を置いて30分ごとに測定し、28以上のときは30分ごとに休憩を取らせた。②休憩所にスポットクーラーと経口補水液を備え、作業員に空調服を着用させた。③熱中症が疑われる者の報告先、連絡体制、救急搬送の手順を定め、朝礼で全員に周知した。④作業開始を7時に繰り上げ、13時から15時は舗設を行わないようにした。⑤バックホウの旋回範囲をカラーコーンとバーで囲って立入禁止とし、ダンプトラックの後進時は専任の誘導員を配置した。⑥ローラに接近警報装置を付け、毎日の作業前に危険予知活動を行った。

256字(字数の上限 300字)

③ 得られた結果(100字以内)

猛暑日が続いたが熱中症による休業者は出ず、重機との接触や一般車両の規制帯への進入も1件も無かった。延べ28日間の昼間作業を無事故・無災害で完了でき、安全対策は有効であった。

86字(字数の上限 100字)

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安全管理の例文(2級舗装 応用 令和7年度の出題)

工事概要

  • 工事名:町道○○線舗装工事
  • 発注者:○○県△△町
  • 工期:令和6年6月~令和6年10月
  • 主な工種:路盤工、表層工
  • 施工量:As舗装 A=2,800m²
  • 施工管理上の立場:主任技術者

①課題

通学路でもある町道で片側交互通行としながら路盤と表層を施工するため、通行車両や歩行者と重機・運搬車両との接触事故を防ぐことが課題であった。

69字(解答欄の目安 78字)

②対策

①規制区間の両端に交通誘導警備員を配置し、無線で連絡を取り合って片側交互通行を誘導した。②歩行者通路を幅1.5m以上確保し、バリケードで作業帯と分離した。③登下校の時間帯は重機の移動とダンプトラックの出入りを止めた。④ローラ等には後退時の警報装置を付け、後退は誘導員の合図で行った。⑤毎朝のKY活動で当日の作業範囲と重機の動線を周知し、作業員に反射ベストを着用させた。

184字(解答欄の目安 218字)

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年度別の問題と記述例

各年度の問題ページでは、模範の記述例のほかに別の工事での記述例と、採点で見られる要点を読めます。

1級舗装 応用 令和8年度 問1施工経験記述(舗装工事の課題・対策・結果)
→
2級舗装 応用 令和8年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
1級舗装 応用 令和7年度 問1施工経験記述(舗装工事の課題・対策・結果)
→
2級舗装 応用 令和7年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
1級舗装 応用 令和6年度 問1施工経験記述(舗装工事の課題・対策・結果)
→
2級舗装 応用 令和6年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
1級舗装 応用 令和5年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
2級舗装 応用 令和5年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
1級舗装 応用 令和4年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
2級舗装 応用 令和4年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
1級舗装 応用 令和3年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
2級舗装 応用 令和3年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
1級舗装 応用 令和元年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
2級舗装 応用 令和元年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
1級舗装 応用 平成30年度 問1施工経験記述(舗装工事の課題・対策・結果)
→
2級舗装 応用 平成30年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
1級舗装 応用 平成29年度 問1経験記述(施工管理上の課題・対策・結果)
→
2級舗装 応用 平成29年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→
1級舗装 応用 平成28年度 問1経験記述(施工管理項目の課題・対策・結果)
→
2級舗装 応用 平成28年度 問1施工経験記述(舗装工事)
→

よくある質問

経験記述は毎年出題されますか?

1級・2級とも、応用試験の問1で毎年出題されます。問2〜5は選択問題ですが、問1は必ず解答する問題です。

1級は管理項目をいくつ選べばいいですか?

問題文では工程管理、出来形・品質管理、安全管理から選ぶ(複数可)とされています。複数を選ぶと課題・対策が散らばりやすいので、1つに絞って課題・対策・結果を一貫させる書き方が書きやすく、このページの例文もその形です。

例文をそのまま書いてもいいですか?

いいえ。問題文は、あなたが経験した舗装工事について書くことを求めています。例文は書き方の型として使い、工事名・数量・課題・対策は自分が経験した工事の内容で書いてください。

同じ工事で別の管理項目も書けますか?

書けます。このページの1級の例文は、同じ国道の舗装修繕工事について、出来形・品質管理、工程管理、安全管理の3通りで書いたものです。自分の工事1つで3つの管理項目を準備しておくと、試験当日に書きやすい項目を選べます。

出題テーマは各年度の本試験問題によります。例文・書き方のポイントは資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。