施工経験記述(舗装工事)
これは1級舗装施工管理技術者 応用試験 令和元年度(2019年6月23日(日)実施) 問1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した舗装工事のうちから1つを選び、その工事について下記の問に答えなさい。
(1) 工事名を解答欄に記述しなさい。(例:県道○○線○○舗装工事)
(2) 工事内容(工事の発注者、工期、主な工種、施工量)を解答欄にそれぞれ明確に記述しなさい。
(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場を解答欄に記述しなさい。
(4) その舗装工事の施工に当たって、①留意した施工管理項目の課題を工程管理、出来形・品質管理および安全管理のうちから選び(複数の選択可)□に✓を記入し、その内容を200字以内、②課題に対して現場で実施した対策を300字以内、③得られた結果を100字以内で解答欄にそれぞれ収まるように記述しなさい。
解答欄
正解
県道○○線舗装修繕工事(その2)
16 字市道○○線ほか舗装補修工事
国道○○号○○地区舗装工事
○○団地造成工事(道路舗装工)
○○県△△土木事務所
10 字国土交通省○○地方整備局○○国道事務所
○○市建設部道路課
株式会社○○建設
令和5年10月2日~令和6年3月15日
19 字令和5年6月1日~令和5年9月29日
令和4年11月14日~令和5年3月24日
切削オーバーレイ工、表層・基層打換え工、区画線工
24 字路盤工(粒度調整砕石)、アスファルト舗装工(表層・基層)、排水構造物工
排水性舗装工、切削工、区画線工
切削オーバーレイ A=6,800m²(t=50mm、密粒度As13)、表層・基層打換え A=720m²(t=100mm)、区画線 L=3,200m
73 字下層路盤 A=3,400m²(t=200mm)、上層路盤 A=3,300m²(t=150mm)、表層・基層 A=3,200m²(各t=50mm)
排水性舗装 A=4,500m²(t=40mm)、切削 A=4,500m²、区画線 L=2,400m
現場代理人
5 字監理技術者
主任技術者
工事主任(施工管理担当)
発注者側の監督員
出来形・品質管理
8 字工程管理
安全管理
本工事は、交通量約12,000台/日の県道で、幅員7.0m、延長約970mの切削オーバーレイ(t=50mm)を12月から1月の夜間に施工するものであった。夜間の気温は0~3℃まで下がり、合材工場から現場までの運搬に約40分かかるため、混合物の温度が低下して締固めが不十分となり、所要の締固め度(基準密度の96%以上)を確保できないおそれがあった。このため、混合物の温度管理が品質管理上の課題であった。
200 字交通量約12,000台/日の県道のため、交通規制は20時から翌朝6時までの夜間に限られ、毎朝6時には交通を開放する条件であった。切削オーバーレイ6,800m²と表層・基層打換え720m²を、降雪による中止日も見込んで3月15日の工期末までに終えるには、1夜当たり約500m²の施工量が必要であった。このため、限られた規制時間内で日々の施工量を確保することが工程管理上の課題であった。
施工は夜間の片側交互通行で行い、作業帯の幅は約3.5mと狭く、すぐ横の車線を一般車両が通行していた。夜間は視認性が悪いうえ、切削機・フィニッシャ・ローラが作業帯の中で前後進を繰り返し、その近くで作業員が人力の作業を行っていた。このため、一般車両の作業帯への進入と、建設機械と作業員の接触による災害を防止することが安全管理上の課題であった。
①運搬:ダンプトラックの荷台を保温シートで二重に覆い、到着時に全車の混合物温度を測って記録し、150℃未満のものは使わないこととした。②敷均し:フィニッシャのスクリードを事前に加熱し、1回の敷均し延長を約40mに区切って温度の低下を抑えた。③締固め:ローラを1台増やしてフィニッシャの直後に10tマカダムローラを付け、初転圧を110~140℃、二次転圧のタイヤローラを70~90℃で終えるよう、放射温度計で温度を確認しながら転圧した。④確認:毎夜の施工後にコアを採取して締固め度を確認し、転圧回数の見直しに用いた。
257 字①機械編成:切削機(切削幅2.0m)を2台とし、切削班と舗設班の2班に分けて、切削を終えた区間から順に舗設する流れ作業とした。②混合物の供給:合材工場と協議し、ダンプトラック8台で約20分間隔で到着するよう出荷計画を立て、フィニッシャの待ち時間を無くした。③時間管理:交通開放温度50℃以下を守るため、舗設の終了を4時30分とし、切削・舗設の各工程の終了時刻を定めて毎夜記録した。④進捗管理:出来高を毎日バーチャートに記入し、遅れが生じたときは翌夜の施工延長と人員を増やして取り戻した。
①交通規制:規制区間の200m手前から予告看板と矢印板を設置し、交通誘導警備員(検定合格者)を両端に各2名配置した。作業帯はセーフティコーンとLEDコーンバーで区画し、規制端部には緩衝用のクッションドラムを置いた。②照明と視認性:投光機を約20m間隔に置いて作業帯の照度を確保し、作業員には高視認性の反射ベストを着用させた。③機械と作業員の接触防止:後方カメラと接近警報装置を備えた機械を使い、後退は誘導員の合図に従わせた。機械の稼働範囲には作業員を立ち入らせず、毎日の作業前にKY活動で作業手順と危険箇所を周知した。
到着時の混合物温度はすべて150℃以上で、初転圧を110℃以上で開始できた。コアの締固め度は平均98.4%(最小97.1%)で規格値の96%以上を満足し、所要の品質を確保できた。
89 字1夜当たり平均約520m²を施工でき、降雪で4夜中止したが、工期末の10日前の3月5日に全工程を完了した。毎朝6時の交通開放も全夜で守り、交通規制に関する苦情も無かった。
一般車両の作業帯への進入や、建設機械と作業員の接触などの事故は一度も無く、約20夜の夜間規制を無事故で終え、工事を完了できた。交通規制に対する沿道住民や通行者からの苦情も無かった。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- (1)〜(3)は工事の概要。工事名は契約書どおりに、工期は年月日で、主な工種と施工量は課題・対策に出てくる工種と数量が分かるように単位付きで書く。立場は現場代理人・主任技術者・工事主任など施工管理上の立場を書く。
- (4)は、①課題(200字以内)→②対策(300字以内)→③結果(100字以内)が一つの筋でつながるように書く。①では現場の条件(交通量・時期・気温・規制時間など)を数値で示し、そこから選んだ管理項目の課題を1つに絞る。②では①の課題に直接効く対策を、番号を付けて具体的な方法と数値で書く。③では対策の効果を数値や事実で示す。
- 品質管理の対策で使う数値の根拠:舗装施工便覧では、初転圧は110~140℃、二次転圧は70~90℃で終えるのが一般的で、交通開放は舗装表面の温度がおおむね50℃以下になってから行う。締固め度は基準密度の96%以上が一般的な規格値である(共通仕様書等)。寒冷期の施工では運搬車の保温、1回の舗設延長の短縮、スクリードの加熱、ローラの増強などで温度低下を防ぐ(舗装施工便覧 寒冷期の施工)。
- 記述例は当サイト作成の架空の工事である。字数は課題・対策・結果とも指定の8〜10割を使っている。管理項目の違う3通りを示した(モデル:出来形・品質管理、別解:工程管理・安全管理)。
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出典:一般社団法人 日本道路建設業協会が実施した1級舗装施工管理技術者 応用試験 令和元年度(2019年6月23日(日)実施) 問1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する