経験記述(施工管理上の課題・対策・結果)
これは1級舗装施工管理技術者 応用試験 平成29年度(2017年6月25日(日)実施) 問1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した舗装工事のうちから1つを選び、その工事について下記の(1)〜(4)の問に答えなさい。
(1) 舗装工事名:工事名を明確に記述しなさい。(例:県道○○線○○舗装工事)
(2) 工事内容:工事の発注者、工期、主な工種、施工量を記述しなさい。
(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場を明確に記述しなさい。
(4) その舗装工事の施工に当たって、①留意した施工管理項目の課題を工程、出来形・品質および安全のうちから選び(複数の選択可)□に✓を記入し、その内容を200字以内、②課題に対して現場で実施した対策を300字以内、③得られた結果を100字以内で簡潔に記述しなさい。
解答欄
正解
県道○○線舗装補修工事
11 字国道○○号△△地区舗装修繕工事
市道○○線道路改良工事(舗装工)
○○県△△土木事務所
10 字国土交通省○○地方整備局△△国道事務所
○○市建設部道路課
平成28年11月〜平成29年3月
16 字平成28年9月〜平成29年2月
平成28年7月〜平成28年12月
切削オーバーレイ工、表層工、区画線工
18 字切削オーバーレイ工、区画線工
路盤工、表層・基層工、歩道舗装工
切削・表層 A=6,500m²(t=5cm)、区画線 L=2,300m
35 字切削・表層 A=9,600m²(t=5cm)、区画線 L=3,800m
車道舗装 A=2,900m²、歩道舗装 A=840m²
現場代理人
5 字監理技術者
主任技術者
出来形・品質管理
8 字工程管理
安全管理
本工事は延長1.3kmの県道で、既設表層5cmを切削して密粒度アスファルト混合物(13)で打ち換えるものであった。工程上、表層6,500m²のうち約4,000m²を1月から2月に施工する必要があり、施工時の気温は2〜5℃と低かった。また合材工場から現場までの運搬に約40分を要した。混合物の温度低下による締固め不足を防ぎ、所要の締固め度を確保することが品質管理上の課題であった。
189 字本工事は交通量の多い国道○○号の4車線区間で、表層の切削オーバーレイ9,600m²を夜間に施工するものであった。交通規制は21時から翌朝6時までに限られ、交通開放時には路面温度を50℃以下に下げる必要があった。当初の機械編成では1夜の施工量が約350m²で28夜を要し、規制可能な22夜では工期内に終わらないおそれがあった。1夜の施工量を増やし、工期内に完了させることが工程管理上の課題であった。
本工事は通学路を兼ねる市道で、延長420mの車道舗装を片側交互通行の規制下で施工するものであった。交通量は1日約3,000台で、朝夕は登下校の児童や自転車も多かった。規制帯に隣接して一般車両と歩行者が通行する中で、バックホウやダンプトラック、ローラが後進を繰り返すため、第三者および作業員と重機・車両との接触事故を防ぐことが安全管理上の課題であった。
①合材工場と協議し、出荷温度を通常より10℃程度高めた(上限185℃)。②運搬車の荷台を保温シートで二重に覆い、到着時に全車の混合物温度を測定・記録した。③アスファルトフィニッシャのスクリードを十分に加熱してから敷きならしを始めた。④1回の施工延長を80mに短くし、マカダムローラをフィニッシャの直後に追従させ、初転圧を110〜140℃、二次転圧を70〜90℃で終えるよう温度計で確認した。⑤締固め度の管理目標を基準密度の96%以上とし、施工翌日に1,000m²ごとにコアを採取して密度を確認した。
249 字①切削機を1台から2台に増やし、切削と路面清掃を並行して進めた。②1夜の施工量を480m²とし、規制開始から切削、舗設、交通開放までの時刻を工程表に定め、毎夜の実績と対比して遅れを翌夜の段取りで取り戻した。③合材工場と毎夜の出荷時刻と数量を事前に調整し、運搬車を5台確保して待ち時間なく連続して敷きならした。④転圧終了後に散水して路面温度を下げ、温度計で50℃以下を確認して交通を開放した。⑤雨の予報時は前日の15時に中止を決め、次の規制可能日に振り替えて、材料と機械の手配の無駄を防いだ。
①道路工事保安施設設置基準にもとづき、規制区間の手前に予告看板と矢印板を設け、工事区間の両端に交通誘導警備員を各1名配置し、無線で連絡を取り合って交互通行を誘導した。②規制帯はセーフティコーンとコーンバーで連続して区切り、幅1.5m以上の歩行者通路を確保した。③登下校時間帯の7時〜8時30分は重機の後進を伴う作業を止めた。④ダンプトラックの後進時は専任の誘導員を付け、重機にはバックカメラと後退警報装置を取り付けた。⑤毎朝の危険予知活動で当日の作業範囲と重機の動線、誘導の手順を全員で確認した。
到着時の混合物温度は全車が管理値内で、締固め度は全測点で基準密度の96%以上(平均98.1%)となった。寒冷期でも所要の品質の表層を確保でき、対策は有効であった。
81 字1夜当たり平均490m²を施工でき、20夜で全数量を終えた。交通開放時の路面温度はすべて50℃以下であり、交通への影響を抑えながら工期内に完成でき、対策は有効であった。
工期中、第三者および作業員と重機・車両との接触事故や住民からの苦情は1件もなく、無事故で工事を完了した。登下校時間帯の作業中止と誘導員の配置が接触防止に有効であった。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 記述例は当サイト作成の架空の舗装工事である。課題の管理項目ごとに1例ずつ(出来形・品質管理=模範解答、工程管理・安全管理=別解)を示し、各欄の別解は同じ順に対応している(別解1は国道の夜間切削オーバーレイ、別解2は市道の道路改良)。
- 品質管理の例は舗装施工便覧の寒冷期施工の留意点(混合物温度をやや高める、運搬車の保温、スクリードの加熱、施工延長の短縮、ローラの近接追従)と、転圧温度の目安(初転圧110〜140℃、二次転圧70〜90℃)にもとづく。
- 工程管理の例は、夜間の規制時間内に施工量を確保するための機械の増強・工程表での時刻管理と、舗装施工便覧の交通開放温度(路面温度50℃程度以下)による。
- 安全管理の例は道路工事保安施設設置基準による保安施設の設置、交通誘導警備員の配置、重機の後進時の誘導など、第三者と作業員の接触防止を具体的に書いた。
- 課題(200字)は「工事の概要→現場の条件(数値)→技術的な課題」、対策(300字)は「①〜⑤の具体策と数値」、結果(100字)は「数値で示した効果+評価」の順に組み立てると、字数を使い切りやすく対応関係も明確になる。
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平成29年度の前後の問題
出典:一般社団法人 日本道路建設業協会が実施した1級舗装施工管理技術者 応用試験 平成29年度(2017年6月25日(日)実施) 問1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する