施工経験記述(舗装工事の課題・対策・結果)
これは1級舗装施工管理技術者 応用試験 平成30年度(2018年6月24日(日)実施) 問1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した舗装工事のうちから1つを選び、その工事について下記の(1)〜(4)の問に答えなさい。
(1) 舗装工事名:工事名を明確に記述しなさい。(例:県道○○線○○舗装工事)
(2) 工事内容:工事の発注者、工期、主な工種、施工量を記述しなさい。
(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場を明確に記述しなさい。
(4) その舗装工事の施工に当たって、①留意した施工管理項目の課題を工程、出来形・品質および安全のうちから選び(複数の選択可)□に✓を記入し、その内容を200字以内、②課題に対して現場で実施した対策を300字以内、③得られた結果を100字以内で簡潔に記述しなさい。
解答欄
正解
県道○○線舗装補修工事
11 字市道○○線舗装打換え工事
県道○○線舗装補修工事(その2)
○○県△△土木事務所
10 字○○市建設部道路課
○○県□□建設事務所
平成29年11月〜平成30年2月
16 字平成29年7月〜平成29年11月
平成29年9月〜平成29年12月
切削オーバーレイ工、区画線工
14 字舗装打換え工(上層路盤・基層・表層)、切削オーバーレイ工
切削オーバーレイ工、区画線工、交通規制工
切削オーバーレイ A=5,800m²(切削 t=50mm、密粒度アスファルト混合物(20)t=50mm)、区画線 L=2,400m
65 字舗装打換え A=2,400m²(粒度調整砕石 t=150mm、基層・表層 各 t=50mm)、切削オーバーレイ A=3,600m²(t=50mm)
切削オーバーレイ A=4,200m²(t=40mm)、区画線 L=1,800m
現場代理人
5 字主任技術者
監理技術者
出来形・品質管理
8 字工程管理
安全管理
本工事は県道○○線の延長1.2km、面積5,800m²の切削オーバーレイで、交通量が多いため施工は夜間の片側交互通行に限られた。施工時期は12月〜1月で、夜間の気温は0℃前後まで下がり、合材工場から現場までの運搬に約50分を要した。混合物の温度が低下して締固め不足になるおそれがあり、表層の締固め度96%以上を確保することが品質管理上の課題であった。
175 字本工事は商店街を通る市道の舗装打換え2,400m²と切削オーバーレイ3,600m²で、施工は21時から翌朝6時までの夜間に限られ、毎朝6時に交通を開放する条件であった。試験施工では路盤から表層までを1夜で仕上げられる面積が約120m²にとどまり、計画の1夜160m²に対して約5夜の遅れが見込まれた。1夜の施工量を確保して工期内に完成させることが工程管理上の課題であった。
本工事は幅員6.5mの2車線の県道で切削オーバーレイ4,200m²を行うもので、昼間に片側交互通行で施工した。作業帯の幅は約3.5mと狭く、路面切削機、ダンプトラック、フィニッシャ、ローラが前後に移動する中で作業員が人力作業を行うため、建設機械の後退時の接触事故と、一般車両の作業帯への進入による事故を防ぐことが安全管理上の課題であった。
①運搬:ダンプトラックの荷台に保温シートを二重に掛け、到着時に全車の混合物温度を測定し、150℃以上であることを確認した。②敷きならし:フィニッシャのスクリードを施工前に十分加熱し、1回の施工延長を約60mに区切って、敷きならし後直ちに転圧できるようにした。③締固め:ローラをフィニッシャに近接させ、初転圧は10tマカダムローラで110〜140℃、二次転圧は8〜20tタイヤローラで70〜90℃の範囲で終えるよう、放射温度計で温度を管理した。④転圧回数は試験施工で定め(初転圧2回、二次転圧8回)、全区間で守らせた。⑤継目部はガスバーナで加熱してから締め固めた。
281 字①既設舗装の取壊しは、ブレーカによる破砕をやめて路面切削機で表層・基層を一括して切削する方法に変え、取壊しの時間を約1時間短縮した。②上層路盤の粒度調整砕石はモータグレーダで敷きならし、マカダムローラと振動ローラの2台で並行して締め固めた。③基層と表層には中温化剤を添加した混合物を用い、交通開放温度の50℃以下に早く下がるようにした。④フィニッシャの後方のローラを1台増やし、転圧の待ち時間をなくした。⑤毎夜の施工実績を工程表に記入して計画と比べ、遅れが出た場合は翌夜の施工範囲と人員配置を見直した。
①道路工事保安施設設置基準に従い、工事区間の手前に予告標識を、規制区間に矢印板とセーフティコーンを連続して配置し、規制の両端に交通誘導警備員を各1名配置して無線で連絡させた。②ダンプトラックの後退時は専任の誘導員1名が誘導し、合図の方法を統一した。③ローラとフィニッシャにバックカメラと後退警報装置を取り付け、機械の周囲2m以内を立入禁止とし、人力作業は機械を停止させてから行わせた。④毎朝の危険予知活動で、機械の作業順序と作業員の立ち位置を図で示して周知した。⑤作業帯と一般車線の境界にはバリケードを置いた。
コアによる締固め度は平均98.2%、最小96.8%で、全数が基準値96%以上を満足した。温度管理と転圧回数の管理を徹底したことで、冬期の夜間でも所要の品質を確保できた。
84 字対策後の1夜の施工量は平均170m²となり、計画の160m²を上回った。打換えは計画どおり15夜で終わり、10月末に全区間の舗装を完了した。毎朝6時の交通開放も全日守ることができた。
工期中、建設機械と作業員の接触事故や、一般車両の作業帯への進入による事故は一度もなく、無事故で工事を完了した。誘導員の専任と後退警報装置の設置が特に有効であった。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- (1)〜(3)は、実際に携わった舗装工事の工事名・発注者・工期(年月)・主な工種・施工量・立場をすべて書く。課題と対策で使う工種・数量を工事内容に入れ、互いに矛盾させない。
- (4)は、管理項目を選んで□に✓を付け、課題(200字以内)→対策(300字以内)→結果(100字以内)が1本の筋でつながるように書く。課題は「現場の条件(数値)→起こりうる問題→管理上の課題」、対策は①②…と番号を付けて具体的な方法と数値、結果は数値と評価の順にする。
- 品質管理の記述例は、舗装施工便覧(平成18年版)の寒冷期の施工(運搬時の保温、スクリードの加熱、施工延長の短縮、速やかな転圧)と締固め温度(初転圧110〜140℃、二次転圧70〜90℃)、締固め度の規格値(基準密度の96%以上)によった。工程管理の例は夜間施工と交通開放温度(50℃以下)の制約、安全管理の例は道路工事保安施設設置基準と労働安全衛生規則(車両系建設機械の接触の防止・誘導者の配置)によった。
- 記述例は当サイトが作成した架空の工事である。模範解答は出来形・品質管理、別解は同じ順に1つ目が工程管理、2つ目が安全管理の例で、工事名・発注者・工期・主な工種・施工量・立場の別解も同じ順に対応させた。答案には管理項目の見出しを書かず、✓で示す。
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出典:一般社団法人 日本道路建設業協会が実施した1級舗装施工管理技術者 応用試験 平成30年度(2018年6月24日(日)実施) 問1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する