施工経験記述(舗装工事)
これは1級舗装施工管理技術者 応用試験 令和5年度(2023年6月25日(日)実施) 問1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した舗装工事のうちから1つを選び、その工事について下記の問に答えなさい。
(1) 舗装工事名を解答欄に記入しなさい。(例:県道○○線○○舗装工事)
(2) 工事内容(工事の発注者、工期、主な工種、施工量)を解答欄にそれぞれ明確に記入しなさい。
(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場を解答欄に記入しなさい。
(4) その舗装工事の施工に当たって、①留意した施工管理項目の課題を工程管理、出来形・品質管理および安全管理のうちから選び(複数の選択可)□に✓を記入し、その内容を200字以内、②課題に対して現場で実施した対策を300字以内、③得られた結果を100字以内で解答欄へそれぞれ簡潔に記述しなさい。
解答欄
正解
県道○○線(△△工区)舗装補修工事
17 字国道○○号△△地区舗装修繕工事
市道○○線舗装新設工事
○○県△△土木事務所
10 字国土交通省○○国道事務所
株式会社○○建設(元請)
令和4年9月5日〜令和5年1月27日
18 字令和4年6月1日〜令和4年10月31日
切削オーバーレイ工、路盤打換え工
16 字表層工、基層工、上層路盤工
路盤工、表層工、区画線工
表層5,800m²、路盤打換え620m²
20 字表層3,200m²、路盤3,400m²
現場代理人
5 字主任技術者
監理技術者
工事主任(施工管理担当)
発注者側の監督員
出来形・品質管理
8 字工程管理
安全管理
本工事は延長830m、幅員7.0mの県道で、既設表層を5cm切削し、密粒度アスファルト混合物(13)を5,800m²舗設するものである。交通量が多く施工は夜間に限られ、舗設は12月で夜間の気温は3℃前後まで下がる見込みであった。合材工場から現場までの運搬に約40分かかるため、混合物の温度低下による締固め不足を防ぎ、所定の締固め度を確保することが課題であった。
180 字本工事は交通量の多い県道で、施工は夜間21時から翌6時までの片側交互通行に限られた。着手後、路盤打換え区間で占用者の水道管の移設が約3週間遅れた。年末年始の12月27日から1月5日までは交通規制ができず、1月は区画線工と後片付けに充てる計画のため、残る切削オーバーレイ4,200m²と路盤打換え620m²を12月26日までに終えることが工程管理上の課題であった。
本工事は日交通量約12,000台の県道で、夜間に片側交互通行の規制を行いながら、切削機、アスファルトフィニッシャ、ローラ、ダンプトラックを稼働させた。規制帯の幅に余裕が無く、一般車両の規制帯への進入や、後進するダンプトラック・ローラと作業員の接触が懸念されたため、第三者と作業員の安全を確保することが安全管理上の課題であった。
①合材工場の出荷温度を通常より10℃高い170℃とし、ダンプトラックの荷台を保温シートで二重に覆って運搬した。到着時に全車の温度を測り、150℃以上であることを確認した。②アスファルトフィニッシャのスクリードを事前に十分加熱し、敷きならしから転圧までの時間を短くするため、1回の施工延長を40mに区切った。③初転圧は10tロードローラで110〜140℃、二次転圧はタイヤローラで70〜90℃の範囲で行い、放射温度計で転圧開始の温度を確認した。④試験施工で転圧回数を初転圧2回、二次転圧8回と決め、回数を記録して管理した。⑤継目部はバーナで加熱してから転圧した。
280 字①ネットワーク工程表を見直し、移設の影響が無い切削オーバーレイ区間を先に施工した。②切削機とアスファルトフィニッシャを1班から2班に増やし、1夜の施工量を400m²から700m²に増やした。③合材工場と翌日の出荷量を前日に確定し、ダンプトラックを8台から12台に増やして待ち時間を無くした。④占用者と毎週工程会議を開き、移設の完了予定を2日前までに知らせてもらい、移設が終わった箇所から順に路盤打換えを施工した。⑤毎朝、前夜の実績を工程表に記入して計画と比べ、遅れが1日分を超えたときは翌夜に作業員を追加し、雨天の予報がある日は切削だけを先行させて舗設の日を確保した。
①規制の始点の200m手前から予告標識を3枚設置し、工事区間の両端に交通誘導警備員(検定合格者)を配置した。②規制帯と車道の境にセーフティコーンを5m間隔で置き、LED矢印板と回転灯で夜間の視認性を高めた。③ダンプトラックの後進時は専任の誘導員を置き、合図を統一した。④ローラと切削機に後方カメラと接近警報装置を付けた。⑤作業員に高輝度の反射ベストを着用させ、投光機で作業範囲の照度を確保した。⑥毎日の作業前に危険予知活動を行い、重機の作業半径内への立入禁止と合図の方法を全員で確認した。⑦規制の設置・撤去は交通量の少ない時間に行い、作業員は車道側に背を向けないよう指示した。
コアの締固め度は個々の値が96.1〜98.9%、平均97.6%で、規格値(個々94%以上、平均96%以上)を満足した。気温3℃前後の寒冷期の夜間でも、所定の品質を確保できた。
87 字12月22日に切削オーバーレイ4,200m²と路盤打換え620m²を終え、交通規制の期限の4日前に完了した。区画線工も1月20日に終え、工期内に竣工でき、遅れは解消できた。
夜間の規制は延べ62日に及んだが、一般車両の規制帯への進入や重機と作業員の接触事故は1件も無く、無事故・無災害で工事を完了できた。苦情も無く、安全対策は有効であった。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 課題・対策・結果の3欄は、同じ1つの課題で一貫させる。課題に現場固有の条件(夜間施工、寒冷期、運搬時間、交通量、工期の制約)を数値で書き、対策はその条件に対する具体策を番号付きで並べ、結果は対策の効果を数値で締めくくる。
- 記述例は当サイト作成の架空の工事で、管理項目ごとに3通り(出来形・品質管理=寒冷期夜間の締固め度の確保、工程管理=支障物件の移設遅れの挽回、安全管理=片側交互通行規制下の第三者・作業員の安全)を示した。工事名・工期・工種・施工量は3例に共通する1つの工事として整合させている。
- 品質管理の数値の根拠:舗装施工便覧(平成18年版)の締固め温度の目安(初転圧110〜140℃、二次転圧70〜90℃)、国土交通省の品質管理基準の表層・基層の締固め度(個々の測定値が基準密度の94%以上、10個の平均値96%以上)。寒冷期の施工は、保温運搬、出荷温度を上げる(アスファルトの劣化を考えて上げすぎない)、施工延長を短くする、ローラを敷きならしに近づけるなどが舗装施工便覧に挙がっている。
- 安全管理の対策は、道路工事保安施設設置基準、交通誘導警備員の配置(警備業法の検定合格者の配置基準)、労働安全衛生規則の車両系建設機械の誘導者・接触防止(第158条・第159条)に沿った内容にした。
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令和5年度の前後の問題
出典:一般社団法人 日本道路建設業協会が実施した1級舗装施工管理技術者 応用試験 令和5年度(2023年6月25日(日)実施) 問1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する