施工経験記述(舗装工事の課題・対策・結果)
これは1級舗装施工管理技術者 応用試験 令和7年度(2025年6月22日(日)実施) 問1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した舗装工事のうちから1つを選び、その工事について下記の問に答えなさい。
(1) 舗装工事名を解答欄に記入しなさい。(例:県道○○線○○舗装工事)
(2) 工事内容(工事の発注者、工期、主な工種、施工量)を解答欄にそれぞれ明確に記入しなさい。
(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場を解答欄に記入しなさい。
(4) その舗装工事の施工に当たって、①留意した施工管理項目の課題を工程管理、出来形・品質管理および安全管理のうちから選び(複数の選択可)□に✓を記入し、その内容を200字以内、②課題に対して現場で実施した対策を300字以内、③得られた結果を100字以内で解答欄へそれぞれ簡潔に記述しなさい。
解答欄
正解
県道○○線(△△工区)舗装修繕工事
17 字国道○○号△△地区舗装補修工事
市道○○線ほか1路線舗装新設工事
○○県△△土木事務所
10 字国土交通省○○地方整備局○○国道事務所
○○市建設部道路維持課
株式会社○○建設(元請)
令和6年9月2日〜令和7年1月31日
18 字令和6年10月1日〜令和7年3月14日
切削オーバーレイ工、路盤打換え工、区画線工
21 字表層工、基層工、上層路盤工
下層路盤工、上層路盤工、表層工
表層8,400m²、路盤打換え900m²
20 字表層・基層4,600m²、路盤4,800m²
現場代理人
5 字主任技術者
監理技術者
工事主任(施工管理担当)
発注者側の監督員
出来形・品質管理
8 字工程管理
安全管理
本工事は延長1.2km、幅員7.0mの県道で、既設表層を5cm切削し、密粒度アスファルト混合物(13)を8,400m²舗設するものである。舗設は11月下旬から12月中旬の夜間に行い、気温は2〜5℃と低く、合材工場から現場までの運搬に約50分を要した。このため混合物の温度が低下して締固め不足となるおそれがあり、所定の締固め度を確保することが品質管理上の課題であった。
183 字本工事は交通量の多い県道で、施工は夜間20時から翌朝6時までの片側交互通行規制に限られた。10月に台風と長雨が続き、切削オーバーレイの施工が計画より9日遅れた。残る5,200m²に対し、年末年始の規制禁止期間までに施工できるのは約9夜で、1夜400m²の施工量では間に合わない見込みであった。1月は区画線工に充てる計画のため、12月25日までに舗設を終えることが工程管理上の課題であった。
本工事は夜間に片側交互通行規制を行い、狭い規制帯の中で切削機、アスファルトフィニッシャ、ローラ、ダンプトラックを稼働させるものであった。施工区間には交差点が3か所、沿道店舗の出入口が12か所あり、夜間は視認性も低いため、一般車両の規制帯への進入や、後進する重機と作業員の接触が懸念された。第三者と作業員の安全を確保することが安全管理上の課題であった。
①合材工場と協議し、出荷温度を通常より10℃高い175℃とし、ダンプトラックの荷台をシートで二重に覆って保温運搬した。②現場到着時に全車の混合物温度を測り、155℃未満のものは使用しないこととした。③フィニッシャのスクリードを舗設前に十分加熱し、1回の施工延長を30mに短くして、ローラをフィニッシャの直後に追従させた。④初転圧は10tロードローラで110〜140℃、二次転圧は12tタイヤローラで70〜90℃の範囲で行い、転圧開始時の温度を放射温度計で確認した。⑤試験施工で転圧回数を初転圧2往復、二次転圧4往復と定め、回数を記録して管理した。⑥横継目は既設側をバーナで加熱してから転圧した。
297 字①ネットワーク工程表を作成し、クリティカルパスとなる切削オーバーレイ工を最優先とした。②警察と協議して規制延長を150mから250mに延ばし、切削機を2台として、1夜の施工量を400m²から650m²に増やした。③合材工場と前日に出荷量と時刻を確定し、ダンプトラックを6台から10台に増やして、フィニッシャの待ち時間を無くした。④雨天が予想される夜は舗設を行わず、路盤打換え部の掘削や区画線の下地処理に振り替えた。⑤毎朝、前夜の出来高を工程表に記入して計画と比べ、遅れが生じたときは翌夜に作業員を2名増員して取り戻した。⑥週1回、発注者と工程会議を開き、残工程を共有した。
①規制区間の手前200mから工事予告看板を3枚設置し、規制の両端と交差点に交通誘導警備員を計6名配置した。②規制帯の境にセーフティコーンを5m間隔で置き、LED矢印板と回転灯で夜間の視認性を高めた。③店舗の出入口には専任の誘導員を置き、出入りする車両を規制帯の外へ誘導した。④ダンプトラックの後進時は誘導員を配置し、合図を統一した。⑤ローラとフィニッシャに後方カメラと接近警報装置を取り付けた。⑥作業員に高輝度の反射ベストを着用させ、バルーン投光機で作業範囲の照度を確保した。⑦毎日作業前に危険予知活動を行い、重機の作業半径内への立入禁止を全員に周知した。
コアによる締固め度は個々の値が95.3〜98.6%、平均97.1%で、いずれも品質管理基準の規格値を満足した。気温が低い寒冷期の夜間施工でも、所定の品質を確保できた。
83 字12月23日に切削オーバーレイ8,400m²をすべて終え、12月25日の期限までに舗設を完了した。区画線工も1月24日に終え、9日の遅れを取り戻して工期内に竣工できた。
延べ48夜の交通規制を行ったが、一般車両の規制帯への進入や重機と作業員の接触は1件も無く、無事故・無災害で工事を完了できた。沿道店舗や通行者からの苦情も1件も無かった。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 課題・対策・結果の3欄は同じ1つの課題で一貫させる。課題に現場固有の条件(夜間施工、寒冷期、運搬時間、交通規制、工期の制約)を数値で書き、対策はその条件に対する具体策を番号付きで並べ、結果は対策の効果を数値で締めくくる。
- 記述例は当サイト作成の架空の工事で、解答用紙の□の3つの管理項目ごとに1通りずつ示した(出来形・品質管理=寒冷期夜間の締固め度の確保、工程管理=長雨による遅れの挽回、安全管理=片側交互通行規制下の第三者と作業員の安全)。工事名・工期・工種・施工量は3例に共通する1つの工事として整合させている。
- 品質管理の数値の根拠:舗装施工便覧(平成18年版)の締固め温度の目安(初転圧110〜140℃、二次転圧70〜90℃)。寒冷期の施工は、保温運搬、出荷温度を上げる(アスファルトの劣化に注意し上げすぎない)、施工延長を短くする、ローラを敷きならしに近づける、継目部の加熱などが同便覧に挙がっている。締固め度は国土交通省の品質管理基準(表層・基層は個々の測定値が基準密度の94%以上、かつ平均値の規格)で判定する。
- 安全管理の対策は、道路工事保安施設設置基準、交通誘導警備員の配置、労働安全衛生規則の車両系建設機械の接触防止・誘導者の配置(第158条・第159条)に沿った内容にした。
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令和7年度の前後の問題
出典:一般社団法人 日本道路建設業協会が実施した1級舗装施工管理技術者 応用試験 令和7年度(2025年6月22日(日)実施) 問1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する