施工経験記述(舗装工事の課題・対策・結果)
これは1級舗装施工管理技術者 応用試験 令和8年度(2026年6月28日(日)実施) 問1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した舗装工事のうちから1つを選び、その工事について下記の問に答えなさい。
(1) 舗装工事名を解答欄に記入しなさい。(例:県道○○線○○舗装工事)
(2) 工事内容(工事の発注者、工期、主な工種、施工量)を解答欄にそれぞれ明確に記入しなさい。
(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場を解答欄に記入しなさい。
(4) その舗装工事の施工に当たって、①留意した施工管理項目の課題を工程管理、出来形・品質管理および安全管理のうちから選び(複数の選択可)□に✓を記入し、その内容を200字以内、②課題に対して現場で実施した対策を300字以内、③得られた結果を100字以内で解答欄へそれぞれ簡潔に記述しなさい。
解答欄
正解
国道○○号△△地区舗装修繕工事
15 字県道○○線(△△工区)舗装補修工事
市道○○線舗装新設工事
国土交通省○○地方整備局△△国道事務所
19 字○○県△△土木事務所
株式会社○○建設(元請)
令和7年6月16日〜令和7年11月14日
20 字令和6年9月2日〜令和7年2月28日
切削オーバーレイ工、路盤打換え工
16 字表層工、基層工、上層路盤工
下層路盤工、上層路盤工、表層工
表層5,200m²、路盤打換え780m²
20 字切削OL5,200m²、路盤780m²
表層3,600m²、路盤3,800m²
現場代理人
5 字主任技術者
監理技術者
工事主任(施工管理担当)
発注者側の監督員
出来形・品質管理
8 字工程管理
安全管理
本工事は日交通量約12,000台の国道で、既設表層を5cm切削し、密粒度アスファルト混合物(13)を5,200m²舗設するものである。施工は7月から9月の夜間で、翌朝6時には交通を開放しなければならなかった。夏季は夜間でも気温が27℃前後あり、開放時の路面温度が高いと初期わだち掘れが生じるため、所定の締固め度を確保したうえで開放時の路面温度を50℃以下とすることが課題であった。
190 字本工事は日交通量約12,000台の国道で、切削オーバーレイ5,200m²と路盤打換え780m²を行うものである。着手直後の梅雨期に降雨で12日間作業ができず、工程が約2週間遅れた。10月上旬に沿道の大型商業施設が開業して交通量が増えるため、発注者から9月末までに舗設を終えるよう求められており、残る切削オーバーレイ3,800m²と路盤打換えを9月30日までに終えることが工程管理上の課題であった。
本工事の路盤打換え780m²は、7月下旬から8月上旬の昼間に片側交互通行の規制内で施工した。日中の気温は35℃を超える予報で、140℃以上の混合物を扱う舗設作業では作業員の熱中症が懸念された。また、狭い規制帯の中でバックホウ、ダンプトラック、ローラが同時に稼働するため、熱中症と重機との接触災害を防止することが安全管理上の課題であった。
①開放時刻から逆算して舗設を毎夜4時までに終えるよう、1夜の施工量を650m²に抑えた。②到着時に全車の混合物温度を測り、150℃以上を確認した。③試験施工で転圧回数を決め、初転圧は10tロードローラで110〜140℃、2回、二次転圧は10tタイヤローラで70〜90℃、8回とし、放射温度計で転圧開始温度を確認した。④仕上げ転圧の後、散水車で路面に散水し、送風機を併用して冷却した。⑤開放前に20m間隔で路面温度を測定し、全点が50℃以下であることを確認してから開放した。⑥翌日にコアを採取して締固め度を確認した。
257 字①ネットワーク工程表を見直し、路盤打換えは昼間の片側交互通行で、切削オーバーレイは夜間に並行して施工する計画に変更した。②切削機とアスファルトフィニッシャを2班に増やし、1夜の施工量を350m²から600m²に増やした。③合材工場と前日に出荷量を確定し、ダンプトラックを6台から10台に増やして待ち時間を無くした。④雨天の予報がある日は切削のみを先行し、降雨後は路盤の含水状態を確認してから舗設した。⑤毎朝、前夜の実績を工程表に記入して計画と比べ、遅れが1日分を超えたときは翌夜に作業員を追加して取り戻した。
①規制帯に暑さ指数(WBGT)計を置いて30分ごとに測定し、28以上のときは30分ごとに休憩を取らせた。②休憩所にスポットクーラーと経口補水液を備え、作業員に空調服を着用させた。③熱中症が疑われる者の報告先、連絡体制、救急搬送の手順を定め、朝礼で全員に周知した。④作業開始を7時に繰り上げ、13時から15時は舗設を行わないようにした。⑤バックホウの旋回範囲をカラーコーンとバーで囲って立入禁止とし、ダンプトラックの後進時は専任の誘導員を配置した。⑥ローラに接近警報装置を付け、毎日の作業前に危険予知活動を行った。
開放時の路面温度は41〜48℃で全点が50℃以下となり、コアの締固め度は平均97.8%で規格値(平均96%以上)を満足した。開放1か月後のわだち掘れ量も3mm以下で、初期わだち掘れは生じなかった。
98 字並行施工と2班体制により遅れを取り戻し、9月26日に舗設を完了した。発注者が求めた9月末の期限より4日早く終わり、区画線工も10月上旬に終えて、工期内に竣工できた。
猛暑日が続いたが熱中症による休業者は出ず、重機との接触や一般車両の規制帯への進入も1件も無かった。延べ28日間の昼間作業を無事故・無災害で完了でき、安全対策は有効であった。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 課題・対策・結果の3欄は同じ1つの課題で一貫させる。課題には現場固有の条件(交通量、施工時期、交通開放の時刻、期限、気温)を数値で書き、対策はその条件への具体策を番号付きで並べ、結果は対策の効果を数値で締めくくる。
- 記述例は当サイト作成の架空の工事で、管理項目ごとに3通り示した(model=出来形・品質管理:夏季夜間施工の交通開放温度と締固め度、別解1=工程管理:梅雨期の降雨による遅れの挽回、別解2=安全管理:猛暑期の熱中症と重機接触の防止)。工事名・工期(6月〜11月)・工種・施工量は3例に共通する1つの工事として整合させている。
- 品質管理の数値の根拠:舗装施工便覧(平成18年版)の締固め温度の目安(初転圧110〜140℃、二次転圧70〜90℃)と、交通開放時の舗装表面温度をおおむね50℃以下とすること(散水・送風などで冷却)。締固め度の規格値(基準密度の94%以上、10個の平均96%以上)は国土交通省の品質管理基準による。
- 安全管理の熱中症対策は、2025年6月1日施行の労働安全衛生規則の改正(第612条の2:WBGT28度以上または気温31度以上の環境で連続1時間以上または1日4時間を超える作業では、熱中症のおそれのある者を早期に見つけて報告させる体制と、重篤化を防ぐ措置の手順を定め、関係者に周知する)に沿った内容にした。重機との接触防止は労働安全衛生規則第158条(接触の防止)・第159条(合図)による。
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出典:一般社団法人 日本道路建設業協会が実施した1級舗装施工管理技術者 応用試験 令和8年度(2026年6月28日(日)実施) 問1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する