舗装施工管理技術者 一般試験の頻出論点の解説(舗装分野)

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

舗装施工管理技術者の一般試験は、1級60問のうち30問、2級40問のうち18問が舗装分野です。当サイト収録の10年分を論点で分けると、この分野では9つの論点が毎年のように出題されています。この記事では、その9論点ごとに「何が問われるか」「覚える要点」「誤りの肢はどう作られるか」を整理しました。施工管理・土木一般の重要度A論点(品質管理・安全管理・施工計画・土工)は、別の記事にまとめています。

舗装分野の重要度A論点

分野ごとの問題数は、1級が土木一般・設計図書8問、舗装30問、施工管理14問、法規・倫理8問、2級が同じ順に6問・18問・10問・6問です。重要度Aの論点は、1級で13、2級で11あり、そのうち舗装分野が9つを占めます。残りの4つ(品質管理・出来形管理・検査、安全管理、施工計画・原価管理、土工・排水・土質)は 施工管理・土木一般の頻出論点 で扱います。

論点分野1級2級過去問
アスファルト・混合物の材料舗装AA1級・2級
アスファルト舗装の施工舗装AA1級・2級
路床・路盤舗装AA1級・2級
舗装の設計舗装AB1級・2級
舗装の調査・試験舗装AA1級・2級
コンクリート舗装舗装AA1級・2級
各種の舗装舗装AA1級・2級
再生舗装AB1級・2級
維持修繕舗装AA1級・2級

どの論点でも、誤りの肢の作り方は「対になる語や数値の入れ替え」「数値の差し替え」「限定の語(のみ・必ず・に限って)の追加」の3型にほぼ収まります。以下では論点ごとに、この3型がどこに当てられているかを書きます。

アスファルトの材料と施工

アスファルト・混合物の材料

瀝青材料・骨材とフィラー・配合設計の3つが順に問われます。瀝青材料では、ストレートアスファルトの等級名(60〜80など)が針入度の範囲で、数字が大きいほど軟らかいこと、寒冷地には軟らかいもの・重交通や流動対策には硬いものを使うこと、乳剤の記号はPK-3がプライムコート、PK-4がタックコート、MN-1がセメントと混ぜる用途であることが要点です。骨材では、スクリーニングス(砕石製造時の細粒分、細骨材)と回収ダスト(プラントの集じん装置で回収、フィラー)の区別、海砂の塩分はコンクリートでは問題でもアスファルト混合物では問題にならないこと、すり減り減量の規格(混合物用30%以下)を押さえます。配合設計では、耐流動対策はアスファルト量を下限側・粒度を粗め、耐摩耗・剥離対策は上限側で、方向が逆であること、「F」付きの混合物は積雪寒冷地の耐摩耗用でフィラーが多いこと、動的安定度(DS)は必要に応じて確認する値で設計アスファルト量の決定には使わないことが問われます。引っかけは、針入度の大小と硬さの向き、PK-3とPK-4の入れ替え、アスファルト量の「混合物全質量」と「アスファルト全質量」のすり替えが定番です。

アスファルト舗装の施工

製造・運搬・敷きならし・締固め・継目・寒冷期の施工・交通開放が範囲です。温度は敷きならし110℃以上 → 初転圧110〜140℃ → 二次転圧終了70〜90℃ → 交通開放50℃以下の並びで覚えます。締固めの順は継目転圧 → 初転圧 → 二次転圧 → 仕上げ転圧で、継目転圧が最初です。ローラは駆動輪側から混合物に入り、低い側から高い側へ転圧し、振動ローラで二次転圧した後の仕上げはタイヤローラです。継目は下層とずらし、車輪の走行位置を避けます。ホットジョイントは先行側の端部を締め固めずに残し、コールドジョイントは継目部を清掃して乳剤を塗ります。製造では、ホッパへの落差が大きいと分離すること、細粒分が多いほど被覆に時間がかかること、荷台への軽油の塗布は品質を損なうので行わないことが出ます。寒冷期は温度が下がる前に締め固めることが最優先で、線圧の大きいローラにするとヘアクラックが増えます。引っかけは、駆動輪と案内輪、「低い方から高い方へ」の向き、継目転圧の順番、落差と分離の関係の入れ替えです。

路床・路盤、設計、調査・試験

路床・路盤

路床の支持力評価、安定処理、路盤材料と施工が範囲です。設計CBRは区間のCBRを2・3・4・6・8・12・20の区分値へ切り下げ(四捨五入ではない)、安定処理や置換えで改良した層のCBRは上限20、CBR試験の試料は路床面から50cm以上深い所から採ります。安定材は砂質土にセメント、粘性土に石灰で、粒状生石灰は1回目の混合→消化→再混合の手順です。路盤の端部処理は、硬化の早いセメント安定処理は垂直に切り取り、遅い石灰安定処理は端部を乱してなじませます。含水比は石灰がやや湿潤側、セメントと粒度調整は最適含水比付近です。材料は上層路盤が粒度調整砕石(修正CBR80%以上)、下層路盤がクラッシャラン(20%以上)で、品質の指標は粒状材料=修正CBR、セメント・石灰安定処理=一軸圧縮強さ、瀝青安定処理=マーシャル安定度です。引っかけは、切り下げを四捨五入にする、上層と下層の数値を入れ替える、名前に「瀝青」が入るセメント・瀝青安定処理にマーシャル安定度を当てる、の3つが典型です。

舗装の設計

TA法の入力は設計CBRと疲労破壊輪数(舗装計画交通量から決まる)の2つで、名前の似た塑性変形輪数は表層材料の耐流動性の指標です。必須の性能指標は疲労破壊輪数・塑性変形輪数・平たん性の3つで、すべり抵抗値は含みません。理論的設計方法は多層弾性理論を使い、引張ひずみが疲労ひび割れ、圧縮ひずみがわだち掘れに対応します。コンクリート舗装は曲げ強度で設計し、経験にもとづく設計方法の設計期間は20年が原則です。舗装計画交通量は、一方向2車線以下なら大型車交通量の全量を、3車線以上なら70%以上を1車線に負担させます。引っかけは、疲労破壊輪数と塑性変形輪数の入れ替え、「一律に定められている」という断定、凍上抑制層や路床を舗装厚に含める記述です。

舗装の調査・試験

試験名と目的、測定機器と測定項目の対応が中心です。混合物の試験はホイールトラッキング=耐流動性、ラベリング=耐摩耗性、カンタブロ=骨材飛散抵抗性で、「水浸」が付けば剥離抵抗性です。路面の調査は、たわみ=FWD・ベンケルマンビーム、平たん性=3mプロフィルメータ、わだち掘れ=横断プロフィルメータ、すべり=振り子式・DFテスタ、きめ深さ=CTメータの組です。路床はCBR(設計CBR)、粒状路盤材は修正CBRで、同じ「CBR」でも使う場面が違います。現場透水量試験は400mlの水が流下する時間を測ります。引っかけは、試験名と目的を一つずつずらした選択肢と、透水係数(材料の性質)と浸透水量(路面の性能指標)の取り違えです。

コンクリート舗装、各種の舗装、再生

コンクリート舗装

目地と鋼材、施工機械と工程、養生、配合と運搬、連続鉄筋コンクリート舗装が範囲です。縦目地はタイバー(異形棒鋼で結合)、横目地はダウエルバー(丸鋼で荷重伝達)で、どちらも版厚の中央に置きます。鉄網を入れる場合は敷きならしを2層に分け、締固めは1層で行います。仕上げは荒仕上げ→平たん仕上げ→粗面仕上げの順で、養生は初期養生(被膜・三角屋根)と後期養生(湿潤)に分かれます。スランプはダンプトラック運搬で2.5cm、アジテータトラックで6.5cm、運搬時間はダンプ1時間・アジテータ1.5時間が目安で、運搬中にスランプも空気量も減ります。舗装用コンクリートは曲げ強度(材齢28日)で設計・管理し、暑中は遅延形、寒中は促進形の混和剤を使います。連続鉄筋コンクリート舗装は横目地がなく、主鉄筋は縦方向です。引っかけは、圧縮強度と曲げ強度、初期養生と後期養生、2.5cmと6.5cm、1時間と1.5時間の入れ替えです。

各種の舗装

排水性・透水性・ポーラス・砕石マスチック(SMA)・半たわみ性・グースアスファルト・橋面・コンポジット・ブロック・環境対応の舗装が1問ずつ入れ替わりで出ます。排水性舗装は基層が不透水で側方へ排水、透水性舗装は基層も透水で地中へ浸透が最大の論点です。ポーラス混合物は下層表面を平滑で不透水にし、強い振動を避け、冷えやすく、タックコートは多めです。SMAは見た目は粗くても空隙が小さく水を通しません。半たわみ性舗装は開粒度混合物にセメントミルクを浸透させ、グースアスファルトは流し込みで転圧しません。橋面舗装は鋼床版ではグースアスファルトの基層が防水層を兼ね、コンクリート床版では防水層を別に設けます。コンポジット舗装は上がアスファルト、下がコンクリートです。遮熱性舗装は反射、保水性舗装は気化熱で路面温度を下げます。引っかけは、排水性と透水性の構造の入れ替え、「前者」「後者」の指す語のすり替え、ブロック厚(車道8cm・歩道6cm)などの数値です。

再生

アスファルトコンクリート再生骨材の品質は旧アスファルト含有量・針入度・微粒分量で管理し、針入度は数値が低いほど硬い(劣化が進んでいる)ことを示します。再生加熱アスファルト混合物も新規の混合物と同じ基準を満たす必要があり、再生アスファルトは旧アスファルト+再生用添加剤+新アスファルトで構成されます。再生骨材の配合率が10%以下なら針入度の調整を省略できます。セメントコンクリート再生骨材は路盤材に向き、アルカリ性・六価クロム・吸水率に注意します。アスファルトコンクリート再生骨材が多い路盤材は修正CBRが下がり、温度の影響を受けます。路上表層再生(表層を加熱して再生)と路上路盤再生(路盤ごと破砕して安定処理)の区別も定番です。引っかけは、「以上」と「以下」、「いずれか」と「両方」のすり替えと、材料の規格と混合物の性能指標の混同です。

維持修繕

損傷の種類と原因、調査と評価、維持工法と修繕工法の区分、工法の選定が範囲で、1級・2級とも出題数がもっとも多い論点の一つです。損傷名はブリーディング(アスファルトのにじみ出し)とブリスタリング(膨れ)、ラベリング(摩耗)とポリッシング(骨材の磨き)、リフレクションクラック(下層のひび割れが上に映る)、わだち掘れは摩耗・流動・沈下で原因が違い補修工法も変わる、と原因まで組にして覚えます。維持工法(パッチング・シール材注入・表面処理など)は構造設計が不要、修繕工法(打換え・オーバーレイなど)は必要という区分が毎年問われます。工法と対象は、パッチング=穴やくぼみ、シール材注入=ひび割れ、段差すり付け=段差で、コンクリート舗装ではバーステッチ(ひび割れを鉄筋で縫う)・グルービング(すべり止め)が出ます。ポーラス舗装の空隙づまりは洗浄で回復し、空隙つぶれは回復しません。舗装点検要領ではアスファルト舗装の路面性状をIRIで見ます。引っかけは、薄層オーバーレイを構造の回復とする記述、「局部的」だから設計不要と思わせる記述、付着(一体化)オーバーレイで目地位置を合わせない記述です。

この記事の使い方

各論点の要点は、過去問を解く前に読むより、論点別に5〜6問解いた後で読み直すほうが頭に残ります。要点の中で自分が落とした箇所に印を付け、勉強法 で勧めている「対で覚える組・段階で覚える数値」のノートに写してください。施工管理と土木一般の重要度A論点は 施工管理・土木一般の頻出論点 に、重要度Bの論点(建設機械・工程管理・契約約款・各法規など)は 1級 一般試験の過去問一覧・2級 一般試験の過去問一覧 の論点別の入口から解けます。

よくある質問

舗装分野の重要度A論点だけ勉強すれば合格できますか?

舗装分野は1級30問・2級18問で、合格ライン(1級36問・2級24問)には足りません。舗装分野で7割以上を確保したうえで、施工管理・土木一般の重要度A論点と、法規や建設機械などの重要度Bの論点を足す進め方が現実的です。

1級と2級で頻出論点は違いますか?

論点の並びはほぼ同じで、2級では舗装の設計と再生が重要度Bになる程度の違いです。2級は文の作りが素直で、定番の数値と用語の対応を正確に覚えているかで決まります。

数値は便覧の最新版で確認したほうがよいですか?

令和8年度の受験の手引には「令和7年12月1日現在の技術基準等をもとに出題する」とあり、例年その年度の前年12月時点の基準が目安になります。当サイトの問題ページには、出題当時と現行の基準が違う場合にその旨を書いた欄があるので、まずそこで確認し、根拠まで知りたい場合に便覧を参照してください。

応用試験の問2〜5にもこの要点は使えますか?

使えます。1級の問2〜5の穴埋め・計算と2級の語群から選ぶ穴埋めは、ここに挙げた設計・材料・施工・維持修繕の要点と重なります。応用試験は記述なので、用語を正確に書けるように漢字と記号(PK-4、TA法など)まで覚えておいてください。

あわせて読む

出典・参考:当サイト収録の平成28〜令和8年度 1級・2級 一般試験の過去問(1級600問・2級400問)の論点別の集計と解説、日本道路建設業協会 舗装施工管理技術者資格試験の令和8年度 受験の手引き(一般試験の出題範囲)

この記事は資格試験対策.netが作成しました。内容の誤りにお気づきの場合は お問い合わせフォーム からお知らせください。最終更新 。