舗装施工管理技術者 一般試験の頻出論点の解説(施工管理・土木一般)
舗装施工管理技術者の一般試験で、舗装分野の次に問題数が多いのが施工管理(1級14問・2級10問)です。品質管理・出来形管理・検査はこの試験で出題数がもっとも多い論点で、安全管理と施工計画・原価管理も毎年出ます。土木一般(1級8問・2級6問)では土工・排水・土質だけが重要度Aです。この4論点は、覚える数値と「誰が・いつ」の主体の区別で決まる問題が多いので、要点を整理しておくと短い時間で得点に変わります。
この記事で扱う論点
舗装分野の9論点(材料・施工・路床路盤・設計・試験・コンクリート舗装・各種の舗装・再生・維持修繕)は 舗装分野の頻出論点 にまとめています。この記事は残りの4論点です。
施工管理分野には、このほか工程管理(工程表の種類・ネットワーク・バナナ曲線)が重要度Bで入ります。土木一般では建設機械・契約約款・道路の附属施設・コンクリート・測量が重要度B以下です。誤りの肢の作り方は舗装分野と同じく、「対になる語や数値の入れ替え」「数値の差し替え」「限定の語(のみ・必ず・に限って)の追加」の3型が大半です。
品質管理・出来形管理・検査
1級・2級とも出題数が最多の論点で、1級で毎年4〜6問、2級で3〜4問出ます。軸になるのは管理は受注者、検査は発注者、監督職員は施工中の確認・立会い、検査職員は完成時の合否判定という主体の区別で、これだけで決まる肢が毎年あります。
- 出来形と品質の区別:出来形は形と寸法(基準高・幅・厚さ・平たん性)、品質は材料の性状(締固め度・粒度・アスファルト量)。下層(路床・下層路盤)は高さ、上層(上層路盤・基層・表層)は厚さで管理し、平たん性は交通が直接走る表層とコンクリート版だけの項目。
- 締固め度の目安:路盤(粒状・セメント・石灰安定処理)93%、加熱アスファルト混合物94%、転圧コンクリート版95.5%。アスファルトで固めた材料は基準密度、土・粒状材料やセメント・石灰処理は最大乾燥密度に対する割合で管理する。
- 試験の3段階:基準試験(着手前に基準の値を決める)、日常の管理試験(施工中)、検査(完了後)。材料と基準試験の対応は、粒状材料=修正CBR、セメント・石灰安定処理=一軸圧縮強さ、瀝青安定処理=マーシャル安定度。
- 管理の考え方:頻度は初期に多く、安定したら減らす。管理図は限界内でも並び方の癖(連・傾向・周期)に注意する。抜取り検査の前提は無作為抽出。規格値を定めるのは発注者、管理の限界を決めるのは施工者。
- コンクリートの養生の使い分け:配合強度の確認は標準養生、養生期間・型枠の取外し・交通開放の判断は現場養生。普通コンクリート版はスランプ、転圧コンクリート版は締固め度で管理する。
- ICT活用工事:3次元計測の計測密度は起工測量・出来形計測・出来形評価用の3つを区別する。
引っかけは、受注者と発注者の入れ替え、配合設計の値であるマーシャル安定度を完成した層の検査項目に紛れ込ませる肢、「初期に少なく」のような頻度の逆転、名前に「瀝青」が入るセメント・瀝青安定処理にマーシャル安定度を当てる肢です。「〜で行わなければならない」「〜に限って」という限定の語が付いた肢は、まず疑ってください。
安全管理
道路工事の保安施設と、建設機械の安全の2つが範囲で、数値の組合せ問題が多い論点です。覚える数値は次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 車線の幅員 | 1車線3m、2車線5.5m |
| 歩行者用通路 | 幅0.9m(車いす等の通行を想定しない場合0.75m)、歩行者の多い箇所1.5m、有効高さ2.1m |
| 段差のすりつけ勾配 | 5%以内 |
| 保安灯 | 150m前方から視認できる光度 |
| 工事予告の標識 | 工事箇所の50〜500m手前 |
| 安全衛生委員会 | 毎月1回以上 |
数値以外では、作業場の出入口は交通流に背面する側に設け、対面する側から車両を出入りさせないこと、建設機械の作業範囲内は警報装置やミラーがあっても立入禁止が基本であること、道路使用許可は警察署長(道路交通法)、道路占用許可は道路管理者(道路法)で、迂回路や交通規制の内容は道路管理者・警察の指示を受けて決めることが問われます。交通誘導員は現場で交通を誘導する立場で、迂回路の設定や標示を指示する立場ではありません。
引っかけは、数値の差し替え(5%を10%に、5.5mを5mに、毎月1回を年1回に)と、「のみ」「省略してよい」「軽微なので」「短時間だったので」と安全対策を省く言い回しです。安全管理の問題では、効率を理由に手順を省く記述は不適当と考えて差し支えありません。
施工計画・原価管理
施工計画書と仮設、道路に関する許可・協議、工事費の構成と原価管理が範囲です。
- 施工計画書:受注者が着工前に作成して発注者に提出する(承諾を受ける書類ではない)。品質・工程・安全・環境を扱うが、原価の情報は発注者に出す書類には載せない。契約図書どうしの不一致は発注者との協議事項。
- 仮設:任意仮設は設計変更の対象外だが施工計画書には書く。指定仮設は設計変更の対象。
- 道路の許可と協議:道路管理者自身の工事は道路法第80条の協議、それ以外の者の工事の道路使用は道路交通法第77条の許可(警察署長)。道路の占用は道路管理者の許可。労働安全衛生法の計画届の提出先(労働基準監督署長)と混同しない。
- 工事費の構成:直接工事費+共通仮設費=純工事費、+現場管理費=工事原価、+一般管理費等=工事価格、+消費税=請負工事費。間接工事費は工期や規模に連動して変わる。
- 原価管理:原価は発生のつど日常的に把握する(月末にまとめて把握するのではない)。実行予算は請負金額とは別に組み、変更があれば見直す。残工事と未払金を把握する目的は最終利益の見込みを出すこと。
- ICT活用工事:UAVは土工の起工測量・出来形管理の代表的な技術だが、舗装工の出来形計測には精度が足りない。
引っかけは、「提出」を「承諾」に、受注者を発注者に、着工前を竣工時にと、主体と時期をずらす作りです。工事費の構成では、共通仮設費と現場管理費のどちらが純工事費に入るか、工事原価と工事価格のどちらに一般管理費が入るかを入れ替えた肢が繰り返し出ています。
土工・排水・土質
土木一般の分野で唯一の重要度A論点で、のり面の排水と保護、擁壁、軟弱地盤対策、土質調査が1問ずつ出ます。
- 排水:多量の雨水を1か所に集中させず分散させるのが原則。のり面の水はのり肩排水溝→縦排水溝→のり尻排水溝の順に流し、小段排水溝は小段の奥(上段ののり尻側)に置く。施工中は表面水を速やかに流し、浸透させない。
- のり面保護工:植生工は浸食防止・緑化、構造物工は風化・はく落防止。土圧に抵抗できるのは擁壁などの抑止工だけ。湧水のある箇所は水を抜いて開放型で保護する。
- 擁壁:重力式・もたれ式・片持ばり式(たて壁と底版で自立)・控え壁式(高い擁壁で経済的)・補強土壁の支持の仕組みを区別する。底面は水平に掘削し、浮き石は取り除く。
- 軟弱地盤対策:砂質土には締固め系(サンドコンパクションパイル・静的圧入締固め)、粘性土には圧密促進系(サンドドレーン・プレロード)。名前に「サンド」が付いても、コンパクションは締固め、ドレーンは排水で目的が違う。
- 土質調査:標準貫入試験=N値、平板載荷試験=地盤反力係数K、ポータブルコーン貫入試験=トラフィカビリティと粘着力、孔内水平載荷試験=孔壁に垂直な方向への加圧、圧密試験=粘性土の沈下、液状化の判定=粒度とN値。現場で行う原位置試験と、試料を持ち帰る室内試験を区別する。
- 土量の変化率:L(ほぐし率)は運搬計画、C(締固め率)は土量配分計画に使う。
- カルバート:剛性かたわみ性かは、管の変形を周囲の土の支持に頼る構造かどうかで分ける。コンクリート系の管は剛性。
引っかけは、サンドコンパクションパイルとサンドドレーンの目的の入れ替え、のり肩とのり尻の入れ替え、「分散」を「集中」にした記述、「浮き石は残して」のような一語の改変です。
この記事の使い方
この4論点は、当サイトの収録問題の年平均で1級が12〜13問、2級が8〜9問にあたり、合格ライン(1級36問・2級24問)の3分の1に相当します。数値と主体の区別で決まる問題が多いので、過去問を論点別に解いたあと、落とした箇所をこの記事の要点と照らし、勉強法 で勧めている一覧に書き足してください。舗装分野の要点は 舗装分野の頻出論点 に、法規・倫理などの重要度Bの論点は 1級 一般試験の過去問一覧・2級 一般試験の過去問一覧 の論点別の入口から解けます。
よくある質問
施工管理の問題は舗装の知識がなくても解けますか?
品質管理・出来形管理の問題は、締固め度の管理値や材料と基準試験の対応など舗装の知識と重なる部分があります。安全管理と施工計画・原価管理は、土木施工管理技士の学習経験があれば共通の知識で解ける問題が多い論点です。
安全管理の数値は何を基に出題されていますか?
当サイトの収録問題では、道路工事の保安施設に関する数値(車線幅・歩行者用通路・すりつけ勾配・保安灯・予告標識)と、労働安全衛生法令の数値が中心です。歩行者用通路の幅は改正で0.75mから原則0.90mに変わっているので、問題ページの現行基準の欄で確認してください。
土木一般の他の論点(建設機械・契約約款・測量など)はどの程度やればよいですか?
重要度B以下で、1級でも各1問程度です。土工・排水・土質を先に固め、残りは過去問を論点別に数問ずつ解いて、繰り返し出ている定義(任意仮設と指定仮設、ICT建設機械の用語など)だけ押さえれば足ります。
あわせて読む
- 舗装分野の頻出論点(材料・施工・路床路盤・設計・試験・コンクリート舗装・各種の舗装・再生・維持修繕)
- 勉強法(独学で合格するまでの進め方)
- 1級 一般試験の過去問一覧(論点別)
- 2級 一般試験の過去問一覧(論点別)
- 2級 一般試験の出題予想問題(有料会員向け)
出典・参考:当サイト収録の平成28〜令和8年度 1級・2級 一般試験の過去問(1級600問・2級400問)の論点別の集計と解説、日本道路建設業協会 舗装施工管理技術者資格試験の令和8年度 受験の手引き(一般試験の出題範囲)
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