精算表(決算整理の総合問題)
重要度 A第5問で出題過去問 11問
精算表(決算整理の総合問題)は、建設業経理士1級 財務諸表の第29〜39回(11回)のうち11回で出題された論点です(収録97問中11問・重要度A)。出題されるのは第5問です。
要点:残高試算表に 9 項目の決算整理を加え、損益計算書と貸借対照表に振り分ける 36 点の大問。整理仕訳を 1 つずつ書き、整理記入欄の借方・貸方の合計を一致させてから各欄へ移す。税効果(繰延税金資産・法人税等調整額)と法人税等は最後にまとめて処理する。当期純利益は損益計算書と貸借対照表の差額で二重に確かめる。
覚える要点
- 決算整理は固定資産→預金・外貨→有価証券→退職給付→工事進行基準→貸倒引当金→完成工事補償引当金→法人税等→当期純利益の順。前の項目の結果を後の項目が使う。
- 貸倒引当金の完成工事未収入金は(5)で増えた後の残高、完成工事補償引当金は進行基準分を含む当期完成工事高で計算する。
- 繰延税金資産と繰延税金負債は精算表上で相殺せず別の行に書く。繰延税金資産は有価証券分と貸倒引当金分を合計する。
- 法人税、住民税及び事業税=税引前当期純利益×30%+法人税等調整額。当期純利益=税引前−法人税等+法人税等調整額で、税引前×70%になることを検算に使う。
- 残高試算表の受取利息が借方にあるのは前期末の未収利息の再振替。仮払金・仮受金は該当する整理で全額消え、貸借対照表に残らない。
勉強のしかた:36点の最重要大問。整理仕訳を順に書いて整理記入欄の貸借合計を一致させてから各欄に移す。過去11回を時間を計って解き、税効果と法人税等の最後の2項目を落とさないようにする。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、精算表(決算整理の総合問題)で間違えやすい点を集めました。
- 第39回 第5問:換算替えするのは外貨建ての 30,400 千円だけで、長期貸付金の残り 49,600 千円は動かさない(貸借対照表は 80,000 + 1,260 = 81,260)。その他有価証券の評価差額は税効果後の純額 210 を貸借対照表の借方に書く。貸倒引当金の完成工事未収入金は (5) で増えた後の 460,200 で計算する。法人税等を 12,462 × 30% = 3,738 のまま計上すると当期純利益が 9,774 になり、税効果を考慮した利益にならない。
- 第38回 第5問:第1期の工事収益 780,000 × 108,000 ÷ 546,000 = 154,285.7… は千円未満を切り捨てるが、第2期末の累計 312,000 は割り切れるので前期までの合計は 312,000 になる。金利スワップの評価益を有価証券の評価損と相殺したり、損益(為替差損益など)にしたりしない。貸倒引当金の完成工事未収入金は (5) で増えた後の 371,000 で計算する。法人税等を 77,287 × 30% = 23,186 のまま計上すると当期純利益が 54,791 になり、税効果を考慮した利益にならない。
- 第37回 第5問:修理した 1台の減価償却は、取得原価 33,000 ÷ 5年 ではなく、期首帳簿価額に資本的支出を加えた 21,000 を残存 4年(3年+延長 1年)で割る。定期預金の利息は当初元金 20,000 ではなく、前期の利息を加えた 20,200 に 1% を掛ける。第1期の工事収益は 226,285.7… の切捨てなので、累計 460,800 との差で第2期を求める。法人税等を 108,080 × 30% = 32,424 のまま計上すると当期純利益が 76,106 になり、税効果を考慮した利益にならない。
- 第36回 第5問:(2) の償却原価法は償還までの 4年で配分する(1,200 ÷ 4 = 300)。評価差額は償却後の 49,100 と時価 48,900 の差 200 で、税効果後の純額 140 を貸借対照表の借方に書く。(3) の社債償還益は 9,850 − 9,820 = 30 で、額面 10,000 − 9,820 = 180 としない。(4) は実際 6,089 が予定 5,880 より多いので未成工事支出金を増やす(第39回とは逆向き)。貸倒引当金の完成工事未収入金は (5) で増えた後の 165,700 で計算する。法人税等を 67,214 × 30% = 20,164 のまま計上すると当期純利益が 47,410 になり、税効果を考慮した利益にならない。
- 第35回 第5問:減損の判定は減価償却後の帳簿価額 173,000 で行う(償却前の 207,600 と比べない)。その他有価証券の評価差額金は借方 28、繰延ヘッジ損益は貸方 35 で、どちらも税効果を控除した純額を貸借対照表に書く。繰延税金資産は (2) の 12 と (6) の 690 を合計して 702、繰延税金負債は (3) の 15 で、相殺しない。貸倒引当金の完成工事未収入金は (5) で増えた後の 249,700 で計算する。
- 第34回 第5問:定期預金の利息は 30,000 × 2% = 600 ではなく、元利継続後の 30,600 × 2% = 612 で計算する。受取利息の残高試算表の借方 600 を貸方と見誤らない。その他有価証券の評価差額は税効果後の純額 140 を貸借対照表の貸方に書き、繰延税金負債 60 と繰延税金資産 666 は相殺しない(精算表上は別の行)。貸倒引当金の完成工事未収入金は (5) で増えた後の 287,100 で計算する。法人税等を 50,214 × 30% = 15,064 のまま計上すると当期純利益が 35,816 になり、税効果を考慮した利益にならない。
この論点の問題
精算表(機械装置の除却・減損、その他有価証券の税効果、外貨建貸付金の換算、工事進行基準の見積変更)第39回 第5問
精算表(機械装置の除却・減損、その他有価証券と金利スワップの税効果、工事進行基準の見積変更)第38回 第5問
精算表(機械装置の修理と減価償却、その他有価証券の償却原価法と税効果、元利継続式定期預金、工事進行基準の見積変更)第37回 第5問
精算表(機械装置の除却、その他有価証券の償却原価法と税効果、社債の買入償還の修正、工事進行基準の見積変更)第36回 第5問
精算表(機械装置の減損、その他有価証券と金利スワップの繰延ヘッジ・税効果、工事進行基準の見積変更)第35回 第5問
精算表(機械装置の除却、元利継続式定期預金の未収利息、その他有価証券の税効果、工事進行基準の見積変更)第34回 第5問
精算表(機械装置の減損、外貨建貸付金の換算、その他有価証券の税効果、工事進行基準の見積変更)第33回 第5問
精算表(資産除去債務付き機械装置の撤去・売却、機械装置の除却、その他有価証券の税効果、工事進行基準の見積変更)第32回 第5問
精算表(機械装置の減損、外貨建貸付金の換算、社債の買入償還の修正と減債積立金の取崩し、工事進行基準の見積変更)第31回 第5問
精算表(機械装置の減損、外貨建貸付金の換算、その他有価証券の償却原価法と税効果、工事進行基準の見積変更)第30回 第5問
精算表(機械装置の除却、元利継続式定期預金の未収利息、その他有価証券の税効果、工事進行基準の見積変更)第29回 第5問
同じ大問で出る論点
第5問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。