工事間接費の予定配賦と配賦差異(予算差異・操業度差異・基準操業度)

重要度 A第1・3・5問で出題過去問 14問

工事間接費の予定配賦と配賦差異(予算差異・操業度差異・基準操業度)は、建設業経理士1級 原価計算の第29〜39回(11回)のうち11回で出題された論点です(収録68問中14問・重要度A。うち11問は完成工事原価報告書の作成・工事原価計算表の作成の一部として出題)。出題されるのは第1問・第3問・第5問です。

要点:予定配賦率=予算額÷基準操業度で求め、予定配賦額と実際発生額の差を予算差異と操業度差異に分ける。固定予算方式では実際発生額-予算額が予算差異、変動予算方式では実際発生額-(変動費率×実際時間+固定費予算)が予算差異で、残りが操業度差異になる。第5問問3では月初の差異残高に当月発生額を加えた勘定残高を借方A・貸方Bで答える。第3問では実現可能最大操業度・長期正常操業度・次期予定操業度の違いによる配賦額の変化も問われる。

覚える要点

  • 予定配賦率=予算額÷基準操業度。公式法変動予算では変動費率は基準操業度を変えても不変で、固定費率(固定費予算÷基準操業度)だけが変わる。
  • 予算差異:固定予算なら予算額−実際発生額、変動予算なら(変動費率×実際時間+固定費予算)−実際発生額。基準操業度の選択に左右されない。
  • 操業度差異=固定費率×(実際操業度−基準操業度)。実際が基準を下回れば不利(借方)、上回れば有利(貸方)。予算差異+操業度差異=予定配賦額−実際発生額で検算する。
  • 基準操業度の種類:実現可能最大操業度(台数×(稼働日×時間−不可避の休止時間))、長期正常操業度(数年の平均)、次期予定操業度(当期の予定時間)。基準が小さいほど固定費率は高い。
  • 第5問問3の月末残高は前月末残高と当月の差異を通算し、借方Aか貸方Bで答える。月次の固定費予算は年額÷12、基準時間は年間÷12。
  • 予定配賦法の意義は計算の迅速性と、固定費の多い工事間接費で繁忙期・閑散期の配賦額変動を避ける正常性。工事間接費の内容は材料副費・現場管理者の給料手当・労務副費・機械の損耗・現場事務所経費など。

勉強のしかた:第5問問3で毎回出る予算差異・操業度差異は固定予算型と変動予算型を区別して公式を2組覚える。第3問の基準操業度問題は3種類の操業度を自分で計算し、固定費率の違いが操業度差異に効くことを確かめる。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、工事間接費の予定配賦と配賦差異(予算差異・操業度差異・基準操業度)で間違えやすい点を集めました。

  • 第38回 第3問:実現可能最大操業度は 20 台 × 275 日 × 8 時間 = 44,000 時間から不可避的な休止時間 20 台 × 100 時間 = 2,000 時間を引く(理論的生産能力と混同しない)。変動費率 350 円/時は固定費予算とは別に求め、基準操業度を変えても変えない。次期予定操業度は「次期」という語につられて第 6 年度を探さず、当期(第 5 年度)の予定運転時間 37,500 時間を使う。操業度差異の符号は「実際 - 基準」で、実際操業度が基準を下回れば不利になる。
  • 第35回 第1問 問1:工事間接費=経費と考えて現場事務所の経費だけ書かない。材料副費や労務副費など材料費・労務費の中にも間接費がある。定義だけでなく四つ程度の例を挙げる。
  • 第33回 第1問 問2:片方だけを長く書くと半分しか取れない。正常性は「固定費部分が多い→操業度の変動で配賦額が変動する」という理由まで書く。差異分析の効用は問われていない。

この論点の問題

この論点を含む問題

次の問題では、完成工事原価報告書の作成・工事原価計算表の作成の中の一部として工事間接費の予定配賦と配賦差異(予算差異・操業度差異・基準操業度)が問われます。解説の該当箇所で、この論点の処理を確かめてください。

完成工事原価報告書の作成(先入先出法・すくい出し法・月給制オペレーター・役員報酬の等価係数配賦・重機械部門費の固定予算)第39回 第5問
完成工事原価報告書の作成(先入先出法・すくい出し法・月給制オペレーター・役員報酬の等価係数配賦・重機械部門費の固定予算)第38回 第5問
完成工事原価報告書の作成(先入先出法と戻り・すくい出し法・予定賃率・役員報酬の等価係数配賦・運搬車両部門費の変動予算)第37回 第5問
完成工事原価報告書の作成(先入先出法と戻り・すくい出し法・月給制オペレーター・役員報酬の等価係数配賦・重機械部門費の固定予算)第36回 第5問
完成工事原価報告書の作成(先入先出法と戻り・すくい出し法・予定賃率・役員報酬の等価係数配賦・運搬車両部門費の変動予算)第35回 第5問
完成工事原価報告書の作成(先入先出法・すくい出し法・月給制オペレーター・役員報酬の等価係数配賦・重機械部門費の固定予算)第34回 第5問
完成工事原価報告書の作成(先入先出法と戻り・すくい出し法・予定賃率・役員報酬の等価係数配賦・運搬車両部門費の変動予算)第33回 第5問
工事原価計算表の作成(車両費予定配賦率・すくい出し法・材料副費の予定配賦・予定平均賃率・変動予算の重機械部門費・出張所経費の係数配賦)第32回 第5問
完成工事原価報告書の作成(先入先出法・すくい出し法・月給制オペレーター・役員報酬の等価係数配賦・重機械部門費の固定予算)第31回 第5問
工事原価計算表の作成(先入先出法・引当材料の副費予定配賦と残材・平均賃率・外注費のその他経費への振替・重機械運搬費の変動予算)と工事進行基準・配賦差異の分解第30回 第5問
完成工事原価報告書の作成(移動平均法・仕入先返品・すくい出し法・予定賃率・役員報酬の等価係数配賦・運搬車両部門費の変動予算)第29回 第5問

同じ大問で出る論点

第1・3・5問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。