原価計算制度の理論(個別・総合原価計算、原価計算基準、特殊原価調査)

重要度 A第1・2問で出題過去問 8問

原価計算制度の理論(個別・総合原価計算、原価計算基準、特殊原価調査)は、建設業経理士1級 原価計算の第29〜39回(11回)のうち8回で出題された論点です(収録68問中8問・重要度A)。出題されるのは第1問・第2問です。

要点:個別原価計算と総合原価計算の適用対象・集計単位・単位原価の求め方の違いを整理する。原価計算制度(財務会計機構と結びつき常時行う)と特殊原価調査(機構外で随時、意思決定用)を区別する。原価計算基準や建設業法施行規則の工事原価の規定(予定価格の使用、原価部門、購入付帯費、出張所経費配賦額など)の正誤を判断する。第2問の正誤・用語選択と第1問の記述で問われる。

覚える要点

  • 原価計算制度は財務会計機構と結合して常時継続的に行い、財務諸表作成・原価管理・予算統制に役立て、支出原価・過去原価を用いる。特殊原価調査は機構外で随時行い、意思決定のために未来原価・機会原価・差額原価を用いる。
  • 個別原価計算は特定製造指図書ごとに原価を集計し受注生産(建設業・自家用建物・試験研究用製品)に適する。総合原価計算は期間総原価÷生産量で見込大量生産に適するが、継続製造指図書は発行される。
  • 期末に未完成でも指図書に集計済みの原価が仕掛品原価になる。実際原価計算は費目別計算→部門別計算→工事別計算の3ステップで、予定価格を使っても実際消費量にもとづけば実際原価計算。
  • 原価部門は計算組織上の区分で、組織にない建物部門を設けてもよい。購入付帯費(引取運賃・商社手数料)は材料の購入原価に算入する。予定配賦率の目的は迅速化だけでなく配賦額の正常化で、配賦差異は発生して当然。
  • 原価の分類:発生形態別(材料費・労務費・外注費・経費)と作業機能別(純工事費と現場経費。純工事費は直接工事費と共通仮設費)。重機械の損料は変動費→運転1時間当たり、固定費→供用1日当たり。
  • 長期請負工事業では販売費及び一般管理費の全部または一部をプロダクト・コストとすることがある。

勉強のしかた:第1問の記述(制度と特殊原価調査の4側面の対比、個別と総合の相違)と第2問の正誤・用語選択の両方で出る。「限定表現(〜のみ・発生しないよう)は誤りの合図」を意識して過去問を解く。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、原価計算制度の理論(個別・総合原価計算、原価計算基準、特殊原価調査)で間違えやすい点を集めました。

  • 第39回 第1問 問2:定義だけで字数を使い切らない。「どのように活用すべきか」が問われているので業務的・構造的意思決定の両方の例を入れる。制度との対比も採点要素。
  • 第38回 第2問:1 は「工務店」という語から個別原価計算(A)と答えやすいが、問われているのは小物家具の製造で、係数による配分は等級別総合原価計算の特徴である。5 は「継続して記録」という語から制度(A)と考えやすいが、目的が積算資料(意思決定用)なので特殊原価調査になる。4 は原価計算基準の条文で、長期請負工事=個別原価計算と結びつける。
  • 第37回 第2問:1 は「単に〜のみ」「発生しないよう」という限定表現が誤りの合図になる。4 は予定価格を使えば予定原価計算だと思いがちだが、実際消費量に基づく限り実際原価計算である。5 は引取運賃などの購入付帯費(材料副費)を購入原価に含める原則を確認しておく。
  • 第36回 第1問 問2:受注生産か見込生産かという適用対象だけで終わらせない。集計単位と単位原価の求め方の違いが本質。300 字あるので指図書の役割と適用業種の両方に触れる。
  • 第35回 第2問:【1】で「発生源泉別」(ア)を選ばない。形態別=費目(材料費・労務費・外注費・経費)と結びつける。【3】【4】は純工事費と現場経費の 2 区分が先で、直接工事費・共通仮設費は純工事費の内訳になる。【5】【6】は運転=時間、供用=日の対応を逆にしない。
  • 第32回 第1問 問1:名称の列挙で終わらず、各ステップの集計単位を書く。製品別ではなく工事別として説明する。標準原価計算や特殊原価調査の話を混ぜない。

この論点の問題

同じ大問で出る論点

第1・2問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。