建設業経理士2級の頻出論点(出題のされ方と引っかけ)

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

建設業経理士2級は、第29回から第39回までの11回分を見ると、大問ごとに出る論点がほぼ固定されています。この記事では当サイトが重要度Aとしている7つの論点について、「どの大問でどう問われるか」「何を覚えれば解けるか」「どこで引っかかるか」を1つずつ説明します。論点ごとの過去問は各リンク先で解けます。

精算表(第5問・30点)

問われ方:残高試算表と決算整理事項が与えられ、整理記入欄・損益計算書欄・貸借対照表欄を埋めて当期純利益まで出します。整理事項は7〜9項目で、現金過不足の整理、仮設材料のすくい出し、建設仮勘定の振替、減価償却の予定計上との差額、貸倒引当金・完成工事補償引当金・退職給付引当金の設定、法人税等の計上が常連です。

覚える要点:整理事項を1つずつ仕訳にし、整理記入欄に書いてから各欄に移す、という手順を崩さないことです。工事原価に入る費用(現場分の退職給付費用、完成工事補償引当金繰入など)は未成工事支出金を経由して完成工事原価になる、という2級特有の流れを押さえます。

引っかけ:減価償却を月次で予定計上している場合、決算整理で計上するのは年間額ではなく「年間額と予定計上額の合計との差額」です。また、期中に完成した建物を建設仮勘定から振り替えたあと、その建物の減価償却を完成月から月割りで計上する、という2段階の処理が入ることがあります。

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工事進行基準・完成工事高(第1問・第2問)

問われ方:第1問の仕訳で毎回1題(4点)出ています。2年目や3年目の工事で、請負金額の追加や見積総原価の変更がある設定が続いています。第2問で金額だけを問う形もあります。

覚える要点:当期の完成工事高=請負金額×(当期末までの発生原価累計÷見積総原価)−前期までに計上した完成工事高。進捗率は必ず「累計」で計算し、見積総原価や請負金額が変わったら変更後の数値で累計を計算し直します。

引っかけ:当期の発生原価だけで進捗率を出してしまう誤りと、変更前の請負金額で計算してしまう誤りが典型です。問題文に「追加工事」「見積りを変更」とあれば、累計を変更後の数値で引き直す合図です。

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工事別原価計算表(第4問)

問われ方:3〜4本の工事について、月初未成工事原価・当月の材料費・労務費・外注費・経費を集計し、工事間接費を予定配賦して、完成工事原価と月末未成工事支出金を出します。第36回・第38回では予定賃率と直接原価基準の工事間接費予定配賦、配賦差異の月末残高まで問われました。配点は18〜20点です。

覚える要点:表の縦計(工事ごとの合計)と横計(費目ごとの合計)が一致することを確認しながら埋めます。完成した工事の合計が当月完成工事原価、未完成の工事の合計が月末未成工事支出金です。

引っかけ:月初未成工事原価がある工事は、当月発生分だけでなく月初分も完成工事原価に含めます。また「当月完成」と「前月以前から継続中」を工事ごとの備考から読み取らないと、完成・未完成の振り分けを誤ります。

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部門費振替表(第3問・第4問)

問われ方:補助部門(仮設・運搬・機械など)の費用を施工部門へ配賦する表を完成させます。直接配賦法、階梯式配賦法、相互配賦法のどれを使うかは問題の指示によります。第37回は補助部門が3つある階梯式、第39回は直接配賦法で配賦データの一部が不明という形でした。

覚える要点:配賦が終わったあとの施工部門の合計は、必ず部門費の総額と一致します。階梯式では配賦の順序が指定され、先に配賦した部門は後の部門から配賦を受けません。

引っかけ:階梯式で配賦順序を取り違えると表全体がずれます。相互配賦法では第1次配賦で補助部門どうしにも配賦し、第2次配賦で施工部門だけに配賦する、という2段階を省略しないことです。

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工事間接費の予定配賦と配賦差異(第3問・第4問)

問われ方:予算額と基準操業度から予定配賦率を出し、実際の操業度を掛けて予定配賦額を求め、実際発生額との差を配賦差異として金額と借方・貸方(または有利・不利)で答えます。第38回は従業員給料手当を工事間接費として予定配賦する形で14点でした。

覚える要点:予定配賦率=予算額÷基準操業度。予定配賦額=予定配賦率×実際操業度。配賦差異=予定配賦額−実際発生額で、実際のほうが大きければ借方差異(不利)です。

引っかけ:差異の金額が合っていても、借方・貸方の記号を逆にすると得点になりません。月初に差異の残高がある設定では、当月の差異と合算した月末残高を答える問題もあります。

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完成工事原価報告書と工事原価の集計(第2問・第3問)

問われ方:材料費・労務費・外注費・経費の4区分で完成工事原価報告書を作る問題と、第2問で材料費や当期の材料仕入高を逆算させる小問です。第37回は未成工事支出金勘定と損益勘定の記入まで含めて14点でした。

覚える要点:完成工事原価=月初(期首)未成工事支出金+当月(当期)発生工事原価−月末(期末)未成工事支出金。材料費は材料勘定を経由して未成工事支出金に入る流れを図にして覚えます。

引っかけ:材料の期末棚卸高や棚卸減耗の扱い、現場から戻った材料の控除を忘れると材料費がずれます。逆算問題では、どの数値が「与えられていて」どれを「求める」のかを式の形で先に書くと迷いません。

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建設業特有の科目と処理(第1問・第5問)

問われ方:第1問の仕訳で、一般の簿記の勘定科目を建設業の科目に置き換えて答えます。完成工事高(売上高)、完成工事原価(売上原価)、完成工事未収入金(売掛金)、工事未払金(買掛金)、未成工事支出金(仕掛品)、未成工事受入金(前受金)が基本の対応です。JV(共同企業体)の出資や分配、材料の現場出庫も出ます。

覚える要点:上の6つの対応を、仕訳のたびに声に出して確認します。材料を現場に出庫したら未成工事支出金、外注先に支払う前の債務は工事未払金、です。

引っかけ:問題で使用できる勘定科目が指定されている場合、指定にない科目(例:売掛金)を書くと不正解です。完成工事未収入金と工事未収金のように似た表記も、指定どおりに書きます。

建設業特有の科目の過去問と解説 →

重要度Bの論点で押さえておくもの

上の7論点に次いで出番が多いのは、貸倒引当金、銀行勘定調整、退職給付引当金、固定資産の取得・減価償却・売却、材料の受払・棚卸、労務費・賃率差異です。いずれも第5問の整理事項か第2問の小問として繰り返し出ているので、Aの論点が固まったらこの順で進めてください。

よくある質問

第1問の仕訳はどの論点から出ますか?

工事進行基準が毎回1題出ているほか、固定資産の取得・売却、株式・配当などの純資産、社債、引当金、消費税・法人税などから各1題です。建設業特有の科目に置き換えて答える点が共通しています。

第3問と第4問はどちらが原価計算の表になりますか?

回によって入れ替わります。工事別原価計算表・部門費振替表・材料元帳・配賦差異の計算が、第3問と第4問のどちらかに配置されます。どちらに出ても解けるように型ごとに練習してください。

精算表は何回分解けば型が分かりますか?

3回分で整理事項の顔ぶれが分かり、6回分で整理事項の組み合わせの違いに慣れます。収録している第29〜39回の精算表を順に解けば、出題のされ方は一巡できます。

1級の頻出論点はどこにありますか?

1級3科目の頻出論点は別の記事にまとめています。あわせて読むのリンクからご覧ください。

あわせて読む

出典・参考:検定試験の出題範囲等(建設業振興基金)、過去の試験問題(建設業振興基金)

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