鉄骨工事
重要度 B問題3・問題4・問題5で出題過去問 7問
鉄骨工事は、1級建築施工管理技士 第二次検定の平成30年度〜令和8年度(9回)のうち6回で出題された論点です(収録162問中7問・重要度B)。出題されるのは問題3・問題4・問題5です。
要点:工作・溶接・高力ボルト・建方・錆止め塗装・耐火被覆・スタッド溶接。
覚える要点
- 高力ボルトは一次締め、マーキング、本締めの順に締め、一次締めトルクはM16で100N·m、M20・M22で150N·m、M24で200N·m程度(標仕表7.4.2)。1群のボルトは群の中央から周辺に向かって締め、トルシア形の本締めはピンテールが破断するまで行う
- トルシア形の締付け後は、ピンテールの破断、マークのずれによる共回り・軸回りの有無、ナット回転量が群の平均回転角度±30°の範囲、余長がねじ1山から6山であることを確かめる(標仕7.4.8)。1mmを超える肌すきにはフィラープレートを入れる
- 仮ボルトは本接合と同軸径の普通ボルト等で、高力ボルト継手は1群の1/3以上かつ2本以上、混用接合・併用継手は1/2以上かつ2本以上締める。現場溶接のエレクションピースの仮ボルトは高力ボルトで全数締める(標仕7.10.5)
- 建入れ直しは本接合に先立ち、一般に各節・各ブロックの建方ごとに行い、用いたワイヤロープは本接合が終わるまで張っておく。ターンバックル付き筋かいを建入れ直しに使わず、日照の影響の少ない時間に測る。柱の倒れは一般にH/1000以下かつ10mm以下を目標とする
- 摩擦面のすべり係数は普通の高力ボルト接合で0.45以上、溶融亜鉛めっき高力ボルト接合で0.4以上とし、めっき後にブラスト処理又はりん酸塩処理を施す(標仕7.4.2・7.12.5)。処理範囲はウェブ部で添え板の範囲より約5mm内側まで
- ガスシールドアーク溶接は風でシールドガスが乱れると溶融金属内部にブローホールが生じるので、一般に風速2m/sを超えるときは防風措置をとる。アンダーカットは止端部の母材が溝状にえぐれる表面の欠陥で、電流が大きすぎる場合などに生じる
- 耐火被覆は貫通孔部、デッキプレートと梁の隙間、取付け金物等を適切に被覆し、吹付けでは十分な養生で飛散を防ぐ(標仕7.9.3・7.9.4)。吹付けロックウールは一般に確認ピンで厚さを、試料採取でかさ密度を確かめる
- アンカーボルトは型板で基準墨に合わせて設置し、二重ナット及び座金を用いてねじがナットの外に3山以上出るようにする(標仕7.10.3)。完全溶込み溶接の余盛高さの最小値は、一般に突合せ継手0mm、裏当て金付きT継手は材厚の1/4、裏はつりT継手は1/8
勉強のしかた:問題4の記述(令和2年度までは問題3)と問題5で、高力ボルトの締付けと確認、仮ボルト、建入れ直し、溶接の欠陥、耐火被覆が出る。標仕7章の数値を工程順(アンカーボルト→建方→接合→検査→耐火被覆)に並べて覚える。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、鉄骨工事で間違えやすい点を集めました。
- 令和8年度 問題5 設問8:仮ボルトは高力ボルト継手1/3,混用接合・併用継手1/2,いずれも2本以上。エレクションピースは高力ボルトで全数締め。
- 令和7年度 問題4 設問3:工事概要などに出る「巻付け工法」と混同しない。吹付けロックウールは厚さとかさ密度の両方で耐火性能が決まる。
- 令和6年度 問題5 設問8:厚さ40mmを境に「40×1/4=10mm」「40×1/8=5mm」と連続するように決められていることを使うと覚えやすい。
- 令和3年度 問題4 設問4:締付け器具(専用レンチ・トルクレンチの調整など)に関する記述は除かれている。
- 令和2年度 問題3 設問7:図7.12.1のウェブ部では,ブラスト処理の範囲は添え板の範囲より約5mm内側までとなっている。すべり係数は普通の高力ボルト接合の0.45ではなく0.4以上。
- 令和2年度 問題3 設問8:「溶融金属の内部」に生じる欠陥はブローホール(気孔)。アンダーカットは止端部の表面の欠陥。
この論点の問題
SRC柱の建方と仮ボルト令和8年度 問題5 設問8
耐火被覆(吹付けロックウール工法)令和7年度 問題4 設問3
完全溶込み溶接の余盛高さの最小値令和6年度 問題5 設問8
トルシア形高力ボルトの締付けの留意事項令和3年度 問題4 設問4
溶融亜鉛めっき高力ボルト接合(誤りの訂正)令和2年度 問題3 設問7
鉄骨の現場溶接の防風対策(誤りの訂正)令和2年度 問題3 設問8
鉄骨の建入れ直しの施工上の留意事項令和元年度 問題3 設問4
同じ問題で出る論点
問題3・問題4・問題5では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
出題実績は資格試験対策.netが平成30年度〜令和8年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。