地盤調査・土工事
重要度 B問題3・問題4・問題5で出題過去問 9問
地盤調査・土工事は、1級建築施工管理技士 第二次検定の平成30年度〜令和8年度(9回)のうち7回で出題された論点です(収録162問中9問・重要度B)。出題されるのは問題3・問題4・問題5です。
要点:地盤調査と土質試験、平板載荷試験、根切り・床付け・埋戻し、地下水処理。
山留めもこの論点に含めて扱います。それぞれの要点は、問題の一覧の下にまとめています。
覚える要点
- 平板載荷試験は一般に直径30cm以上の円形の載荷板に段階的に荷重を加え、載荷圧力・載荷時間・沈下量を測る。分かるのは載荷板直径の1.5〜2.0倍程度の深さまでで、試験地盤は直径の3倍以上の範囲を水平に整地し、礫の最大直径は直径の1/5程度を目安とする
- クイックサンドは上向きの浸透流で砂粒子が水中に浮遊する状態、ボイリングはそれが進んで沸騰したように地盤が破壊する現象。盤ぶくれは難透水層が下の被圧地下水で持ち上がる現象、ヒービングは軟弱な粘性土で山留め背面の土の重さで底面が膨れ上がる現象
- 排水工法の水位低下量は揚水量と地盤の透水性で決まる。揚水量が非常に多い・帯水層が深い・砂礫層ならディープウェル、透水性の比較的小さい細砂・シルト質の地盤で浅い範囲の水位低下ならウェルポイントが一般的
- 機械掘削では一般に床付け面上30〜50cmを残して手掘りとするか、バケットの刃を爪状から平状に替える。乱した床付け面は、礫・砂質土なら転圧で締め固め、粘性土は良質土に置換するかセメント・石灰で改良する。杭間地盤を乱すと杭の水平抵抗力が落ちる
- 埋戻し及び盛土は300mm程度ごとに締め固め、余盛りは土質に応じて行う(標仕3.2.3)。透水性のよい山砂は水締めが効き、透水性の悪い土はローラーやタンパーで締め固める
勉強のしかた:問題3(令和2年度まで)の誤りの訂正と問題5の五肢択一で出る。平板載荷試験の数値、地下水による現象の名称、排水工法の使い分け、床付け面の扱いが繰り返し問われるので、現象と原因・対策を対にして覚える。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、地盤調査・土工事で間違えやすい点を集めました。
- 令和8年度 問題5 設問2:爪状の刃は掘削力は大きいが床付け面をかき乱す。乱した床付け面は「砂質土は締め固め,粘性土は置換・改良」と土質で処置を分ける。
- 令和6年度 問題5 設問2:ヒービングは「粘性土・山留め背面の土の重量」,盤ぶくれは「難透水層と被圧地下水」で区別する。
- 令和5年度 問題4 設問1:地下水の処理(排水・止水)と設置後の維持管理(点検・計測)は除外されている。切梁の点検や軸力の計測を書かない。
- 令和4年度 問題5 設問1:対象深さが浅い(載荷板直径の2倍程度まで)ことが平板載荷試験の弱点で,基礎の幅が大きい建物では深い地層の支持力は分からない。
- 令和4年度 問題5 設問2:床付け面は「乱さない」ために平状の刃,乱したら砂質土は「転圧」。杭間地盤の乱れは鉛直支持力ではなく水平抵抗力に効く。
- 令和2年度 問題3 設問2:「揚水量が多い・帯水層が深い・砂礫層」はディープウェル。ウェルポイントは「透水性の低い細砂・シルト質の地盤で浅い範囲」。
この論点の問題
根切りの床付け面の保護令和8年度 問題5 設問2
根切り底のクイックサンド・ボイリング・盤ぶくれ令和6年度 問題5 設問2
鋼製切梁工法の支保工設置の留意事項令和5年度 問題4 設問1
地盤の平板載荷試験令和4年度 問題5 設問1
根切りの床付け面の扱い令和4年度 問題5 設問2
地下水処理の排水工法(誤りの訂正)令和2年度 問題3 設問2
地盤アンカーを用いる山留め支保工の施工上の留意事項令和元年度 問題3 設問1
平板載荷試験(礫の大きさ・整地範囲・計画最大荷重)平成30年度 問題3 設問1
根切り底の地下水による現象(クイックサンド・ボイリング・盤ぶくれ)平成30年度 問題3 設問2
山留め
親杭横矢板・ソイルセメント柱列壁・切梁・地盤アンカー、山留めの管理。
- 地盤アンカーは削孔→グラウト注入によるアンカー体の造成→養生→緊張・確認試験→定着の順に施工する。一般に定着層への到達を削孔の排出土で確かめ、グラウトは孔底から孔口にあふれるまで連続して充填し、所定の強度を確かめてから緊張する
- 地盤アンカーは一般に全数について確認試験(設計アンカー力の1.1倍程度まで載荷)を行ってから定着し、台座・腹起しはアンカーの打設角度に合わせて取り付ける。地下水位以下の削孔は口元に止水装置を設け、土砂の流出による周辺地盤の沈下を防ぐ
- 切梁はその段の深さまで掘削したら速やかに架設し、過掘りをしない(一般に切梁下1m程度まで)。腹起しと山留め壁の隙間は裏込めし、切梁には一般に設計切梁軸力の50〜80%程度のプレロードをジャッキで導入してボルトを締め直す
- 切梁の継手は座屈しにくい支柱の近くに設けて交差部を緊結し、腹起しの継手は曲げ応力の小さい切梁と火打ちの間に設ける。隅部には火打ちを設けて腹起しのたわみを防ぐ
勉強のしかた:出題は令和元年度の地盤アンカーと令和5年度の鋼製切梁の記述2問。施工の順序に沿って各段階の留意事項を1つずつ挙げられるようにし、除外されやすい山留め壁・地下水処理・維持管理の記述と書き分ける。
この内容を問う過去問:令和元年度 問題3 設問1・令和5年度 問題4 設問1
同じ問題で出る論点
問題3・問題4・問題5では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
出題実績は資格試験対策.netが平成30年度〜令和8年度の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。