繰延ヘッジ:ヘッジ手段(先渡契約)の決算時仕訳
これは建設業経理士1級 財務諸表 第31回(2022年9月11日(日)実施) 第4問 問1 先渡契約に係る仕訳(配点 4点)の問題です。論点は「ヘッジ会計・デリバティブ」(重要度B・解答の形は仕訳(記号+勘定科目+金額)または金額(千円))。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の<資料>に基づき下の設問に解答しなさい。なお、使用する勘定科目は下記の<勘定科目群>から選び、その記号(ア〜コ)と勘定科目を書くこと。
<資料> 当社(決算日:3月31日)は、20×2年4月1日にA社発行の固定利付社債を 3,000,000 円(償還期日:20×6年3月31日)で購入し、これをその他有価証券に分類した。購入と同時に、当該社債の価格変動リスクをヘッジするために、同一数量のA社社債について先渡契約(決済日:20×6年3月31日、決済価額:3,000,000 円、売り予約)を締結した。その後、市場利子率の上昇により、20×3年3月31日のA社社債の時価は 2,958,000 円、先渡契約の時価は 42,000 円となった。なお、先渡契約の締結にかかる手数料はゼロとし、繰延ヘッジ、時価ヘッジともに、実効税率を 30% として税効果会計を適用する。
問1 繰延ヘッジをした場合の 20×2年度決算時(20×3年3月31日)の仕訳を、社債に係る仕訳と先渡契約に係る仕訳とに分けて答えなさい。
(このページでは「先渡契約に係る仕訳」を答える)
解答欄
正解
| 記号 | 借方科目 | 金額 | 記号 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| ア | 先渡契約 | 42,000 | キ | 繰延税金負債 | 12,600 |
| ウ | 繰延ヘッジ損益 | 29,400 |
解き方
- ヘッジ手段の先渡契約(売り予約)はデリバティブなので時価評価する。契約時の時価はゼロ(手数料ゼロ)、決算日の時価は 42,000 なので、先渡契約 42,000 を資産に計上する(社債の値下がり 42,000 と同額の含み益)。
- 繰延ヘッジでは、ヘッジ手段の評価差額を当期の損益にせず、ヘッジ対象の損益が認識されるまで純資産の部の繰延ヘッジ損益として繰り延べる。税効果:42,000 × 30% = 12,600 を繰延税金負債(評価益なので将来加算一時差異)にし、差額 29,400 を繰延ヘッジ損益(貸方)にする。
- 仕訳:(借)先渡契約 42,000 /(貸)繰延税金負債 12,600・繰延ヘッジ損益 29,400。社債の評価差額金(借方 29,400)と繰延ヘッジ損益(貸方 29,400)が純資産の部で相殺され、ヘッジの効果が表れる。
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第31回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務諸表 第31回(2022年9月11日(日)実施) 第4問 問1 先渡契約に係る仕訳。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する