品質原価計算・ライフサイクルコスト・VE

重要度 B第1・2問で出題過去問 5問

品質原価計算・ライフサイクルコスト・VEは、建設業経理士1級 原価計算の第29〜39回(11回)のうち5回で出題された論点です(収録68問中5問・重要度B)。出題されるのは第1問・第2問です。

要点:品質コストを予防コスト・評価コスト(適合コスト)と失敗コスト(不適合コスト)に分類し、資料の費目を振り分けて増減額を求める。ライフサイクル・コストは供給者側と顧客側の2タイプがあり、建築物では運用管理コストが大半を占めることを押さえる。車種選択のように取得原価+維持費用-残存処分価額でトータル・コストを比べ、現価係数で割り引く計算も出る。VEは価値=機能÷コストと定義し、機能分析による原価低減手法として説明する。ABC(活動基準原価計算)の用語も同じ枠で出る。

覚える要点

  • 品質コストは予防コスト(設計改善費・教育訓練費)と評価コスト(受入検査費・自主検査費)の適合コストと、内部失敗(手直費)・外部失敗(苦情処理費・損害賠償費・訴訟費)の不適合コストに分ける。
  • 品質の概念は設計品質と適合品質で、建設業の施工品質は適合品質。TQC/TQMを前提とする長期的モデルでは学習効果と機会損失の大きさから、無欠陥を目指すことが総品質コストの最小化につながる。
  • ライフサイクル・コストには供給者側と需要者(顧客)側の2タイプがあり、供給者は顧客側のLCCも考慮する。建築物のLCC(企画設計・建設・運用管理・廃棄処分)は運用管理コストが大半を占め、企画設計段階で決まる。
  • 顧客LCCの測定の意義は請負金額でなくLCCによる発注判断を促すこと。低減は建設コストの削減ではなく計画・企画段階で試算値を示し仕様に反映させること。
  • 車種選択のトータル・コスト=取得原価+登録料・保険料・燃料代+定期点検代−残存処分価額。点検回数は走行距離の累計で数え、時間価値を考慮するときは取得原価を割り引かず各年度末の支出を現価係数で割り引く。
  • VEは価値=機能÷コストと定義し、必要な機能を最低の総コストで実現する原価企画の手法。チームデザイン・機能分析・ジョブプランで進める。ABCは間接費を活動に結びつけて割り当てる。

勉強のしかた:第1問の記述(VE・顧客LCC)と第2問の用語選択・正誤・計算(品質コストの分類)で出る。費目を予防・評価・失敗に振り分ける表を作り、LCCの「運用管理コストが大半」「供給者のみは誤り」を押さえる。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、品質原価計算・ライフサイクルコスト・VEで間違えやすい点を集めました。

  • 第39回 第2問:3 は「設計品質=施工品質」と読み替えてしまいやすい。施工品質は設計どおりに造れたかを表す適合品質に当たる。6 は 4 項目の列挙が正しいので A にしがちだが、「大半を占める」のは企画設計コストではなく運用管理コストで、その運用管理コストを企画設計段階で決定づける点が重要課題になる。5 の「〜のみ」のような限定表現は誤りの合図になりやすい。
  • 第38回 第1問 問2:供給者側の LCC の説明にしない。建設コストを下げることを低減方法として書くと逆になる。低減の勝負所は施工段階ではなく計画・企画段階。
  • 第33回 第2問:建物設計改善費は「設計」コスト(エ)ではなく、不良を未然に防ぐ予防コスト。購入資材受入検査費と建造物自主検査費は検査=評価コストで、予防コストに混ぜない。訴訟費・損害賠償費・苦情処理費は外部失敗コスト、手直費は内部失敗コストで、いずれも不適合コストに含めて合計する。
  • 第30回 第1問 問2:単なるコストダウンと書かない。機能を維持・向上させながらコストを下げる考え方なので、機能とコストの関係として述べる。手法面の要素も加点対象になる。
  • 第29回 第3問:定期点検の回数を年数で割り切らずに、走行距離の累計で数える。A車は 200,000 ÷ 25,000 = 8 回とすると 3,660,000 になり誤り(8 回目は売却時点なので 7 回)。問2 では点検回数が年によって違う(1 年目 1 回、2〜4 年目 2 回)ことと、4 年目の支出から残存処分価額を差し引いてから割り引くことに注意する。取得原価は 0 年度末の支出なので現価係数を掛けない。

この論点の問題

同じ大問で出る論点

第1・2問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。