管工事施工管理技士 第一次検定の頻出論点:重要度 A の要点と引っかけ

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

当サイトが収録した 1級 第一次検定(令和元年度〜令和8年度の 8 回・584 問)と 2級 第一次検定(平成29年度〜令和8年度前期の 17 回・884 問)を論点ごとに集計すると、毎回必ず出て問題数も多い論点がはっきりします。この記事では、その重要度 A の論点について、覚える要点と典型的な引っかけを分野ごとにまとめます。

空調:空気調和の計画・熱負荷・換気

空気調和の計画・方式は、1級で 8 回 42 問(毎回 5 問前後)、2級で 17 回 50 問と、どちらの級でも最も多い論点の一つです。

空気調和の計画・方式

変風量単一ダクト方式(VAV)の送風機の制御は「給気ダクトの静圧」で行い、還気側ではありません。放射冷房(天井パネル)が処理できるのは顕熱だけで、除湿は外調機など空気側で行います。床吹出しは暖房に有利で、天井吹出しの暖房は暖気が上部にたまりやすい、という向きも定番です。冷却塔の送風機は「冷却水温度」で制御します。蓄熱は、氷蓄熱なら潜熱を使うので槽を小さくできる一方、冷凍機の蒸発温度が下がって効率は落ちること、開放回路は実揚程の分だけポンプの動力が増えることが、それぞれ逆に書かれて出ます。

空気調和の計画・方式の過去問(1級) →

熱負荷・湿り空気線図

空気線図の問題は、まず「混合点は外気と還気を結ぶ直線上にあり、風量の多い側に寄る」で 3 点を見分けます。加湿は、蒸気加湿がほぼ真上(温度一定)、水噴霧が左上(温度が下がる)です。熱負荷では、潜熱を含むのは人体・外気(すきま風)・湯沸かしなど水分が出るものだけで、日射・照明・構造体は顕熱のみ。外壁の通過熱は実効温度差、ガラス面の通過熱は内外の温度差で計算する、という使い分けも問われます。

熱負荷・空気線図の過去問(2級) →

換気

第一種(給排気とも機械)・第二種(機械給気で正圧)・第三種(機械排気で負圧)と、室の組合せが毎回出ます。燃焼に空気が要るボイラー室は給気を機械で行い、臭気・湿気の出る便所や浴室は第三種です。火気使用室の必要換気量の係数は、フードなし 40、Ⅰ型フード 30、Ⅱ型フード 20、煙突 2 で、捕集の効率がよいほど小さくなります。1級では二酸化炭素濃度や電気室の発熱から必要換気量を計算する問題が繰り返し出ています。

換気の過去問(2級) →

衛生:排水・通気と上下水道

排水・通気設備(1級 24 問・2級 34 問)

封水が失われる原因は、自己サイホン作用(自分の排水)、誘導サイホン作用(他の器具の排水による圧力変動)、はね出し、毛管現象、蒸発の 5 つで、「自己」と「誘導」の入れ替えが定番です。通気管は、排水が流れ込まないよう器具のあふれ縁より 150mm 以上立ち上げてから横に引き、通気立て管につなぎます。通気管の末端は、窓などの上端から 600mm 以上立ち上げるか、水平に 3m 以上離します。通気弁は空気を吸うだけで、正圧の対策にはなりません。排水槽の通気管は他の通気管につながず、単独で大気に開放します。汚水ますはインバート、雨水ますは深さ 150mm 以上の泥だめ、という区別は第二次検定の施工要領図にも出ます。

排水・通気設備の過去問(1級) →

上水道・下水道(2級 33 問)

上水道の施設は、取水→導水→浄水→送水→配水の順で、浄水場の前(原水)が導水、後(浄水)が送水です。給水栓での残留塩素は、遊離残留塩素なら 0.1mg/L 以上、結合残留塩素なら 0.4mg/L 以上。下水道の取付管は本管の中心線より上方に取り付け、取付管どうしは 1m 以上離します。流速の範囲は汚水管きょが 0.6〜3.0m/s、雨水・合流管きょが 0.8〜3.0m/s で、下限の違いが狙われます。

上水道・下水道の過去問(2級) →

設備機器と、配管・ダクトの材料

設備機器は 2級で 17 回 51 問と最も出題が多く、1級でも必須の区分で毎年出ます。吸収冷凍機は水を冷媒にして真空で運転するので、高圧ガス保安法やボイラーの資格の対象外であることがよく問われます。冷却塔のレンジは冷却水の出入口の温度差、アプローチは冷却水の出口温度と外気の湿球温度の差(どちらも約 5℃)です。送風機は、多翼(シロッコ)が低圧・大風量、後向き(ターボ)が高速・高圧。貫流ボイラーは保有水量が少なく立上りが早い反面、水処理が重要です。

材料では、ダクトの圧力区分(低圧は ±500Pa 以内、高圧 1 は正圧 1,000Pa まで、高圧 2 は正圧 2,500Pa まで)、防火ダンパーの温度ヒューズ(一般 72℃・厨房 120℃・排煙 280℃)、長辺 450mm を超えるダクトの補強リブ、排水用ライニング鋼管(DVLP)は薄肉でねじが切れないので MD 継手で接合する、という数値と組合せが繰り返し出ます。保温材の使用温度の上限は、ロックウール>グラスウール>ポリスチレンフォームの順です。

設備機器の過去問(2級) →

配管・ダクトの材料の過去問(1級) →

施工管理法:工程・据付け・配管・ダクト(二つ選ぶ問題の中心)

2級の基礎的な能力 4 問は、令和6年度前期から令和8年度前期までの 5 回すべてが「工程表」「機器の据付け」「配管の施工」「ダクトの施工」の 4 つでした。1級の応用能力 8 問も、この 4 つに施工計画・品質管理・安全管理と、保温または試運転調整を加えた構成です。いずれも二つ選ぶ形式なので、数値と順序を正確に覚えるほど得点が安定します。

  • 工程表:ガントチャートは達成度は分かるが日数は分からない、バーチャートは日数は分かるが作業の関係が分かりにくい。この 2 つの説明の入れ替えが定番。ネットワークでは、ダミーは日数 0 で前後関係だけを表し、合流するイベントの最早開始時刻は大きいほうをとる。クリティカルパスが複数あるときは、全部を短縮しないと工期は縮まらない
  • 機器の据付け:設計用標準震度は上の階ほど大きいので、重い機器は下の階に置く。ポンプの吐出し側は防振継手→逆止め弁→仕切弁の順。アンカーボルトはナットから 3 山程度出す。受水タンクの点検空間は上部 1,000mm 以上、周囲と下部 600mm 以上
  • 配管の施工:防振継手は振動の絶縁、変位吸収継手は建物導入部の沈下や地震の変位、伸縮管継手は熱伸縮と、目的で使い分ける。鋼管と銅管・ステンレス鋼管をつなぐときは絶縁継手。飲料用タンクの排水口空間は管径にかかわらず 150mm 以上
  • ダクトの施工:共板フランジ工法はアングルフランジ工法より剛性が小さいので吊り間隔を短く(2,000mm 以下)する。拡大は 15 度以下、縮小は 30 度以下。防火区画の貫通部は 1.5mm 以上の鋼板で、すき間はロックウールなどの不燃材料で埋める(グラスウールは不可)。送風機の吐出し直後の曲がりは回転方向に逆らわない

工程管理の過去問(2級) →

ダクトの施工の過去問(2級) →

法規:建築基準法・建設業法・廃棄物とフロン

2級では、建築基準法(17 回 35 問)・建設業法(34 問)・廃棄物とフロン(32 問)が重要度 A です。1級でも法規 12 問のうち各法から 2 問前後が出ます。

  • 建築基準法:主要構造部(防火の観点。壁・柱・床・はり・屋根・階段)と、構造耐力上主要な部分(構造の観点。基礎・土台・斜材などを含み、階段は含まない)の区別が毎回の引っかけ。中央管理方式の空気調和設備の基準は浮遊粉じん・CO・CO₂・温度・相対湿度・気流の 6 項目で、酸素は入らない。防火区画を貫通する管は、貫通部とその両側 1m 以内を不燃材料にする
  • 建設業法:大臣許可か知事許可かは営業所の所在地だけで決まり、工事の場所や金額では決まらない。許可業者は請負金額にかかわらず主任技術者を置く。工事現場の標識に書くのは主任技術者・監理技術者の氏名で、現場代理人は書かない。下請負人の名称は請負契約書ではなく施工体制台帳に書く
  • 廃棄物・リサイクル・フロン:建設リサイクル法の対象は、解体 80m²・新築増築 500m²・修繕模様替 1 億円・建築物以外 500 万円。特定建設資材はコンクリート、コンクリートと鉄、木材、アスファルト・コンクリートの 4 つ。産業廃棄物管理票は種類ごと・運搬先ごとに交付し、許可が要るのは他人の廃棄物を業として運搬・処分する場合。土砂は廃棄物ではないが、泥状の汚泥は産業廃棄物。フロン類の第一種特定製品の管理者の義務は、適切な設置・点検・修理・記録で、回収は充塡回収業者の仕事

建築基準法の過去問(2級) →

廃棄物・リサイクル・フロンの過去問(2級) →

1級だけの重要度 A:一般基礎の流体・熱・環境

1級の一般基礎(必須 14 問)では、環境工学(27 問)・熱工学(26 問)・流体工学(24 問)が毎回 3 問前後ずつ出ます。流体は、圧力損失が流速の 2 乗・管の長さに比例し内径に反比例する(ダルシー・ワイスバッハの式)、内径が 1/2 になると流速は 4 倍(連続の式)、の 2 つで計算問題の多くが解けます。熱は、熱通過率は直列の熱抵抗の和の逆数、カルノーサイクルの効率は両熱源の温度差が大きいほど高い、比熱比は 1 より大きい(空気で約 1.4)。環境は、建築物衛生法の管理基準(浮遊粉じん 0.15mg/m³ 以下・CO 6ppm 以下・CO₂ 1,000ppm 以下)、点音源は距離 2 倍で約 6dB・線音源は約 3dB の低下、が数値の入れ替えで出ます。

流体工学の過去問(1級) →

よくある質問

重要度 A はどうやって決めていますか?

当サイトが収録した過去問(1級は令和元年度〜令和8年度、2級は平成29年度〜令和8年度前期)を論点ごとに集計し、ほぼ毎回出題されていて問題数も多い論点を A としています。主催者が公表している区分ではありません。

1級と2級で重要度 A が違うのはなぜですか?

1級は一般基礎が 14 問の必須問題で、流体・熱・環境から毎回 3 問前後ずつ出るため A に入ります。2級は一般基礎が 6 問で各論点 1〜2 問なので B とし、代わりに施工管理法と法規の論点が A に多く入っています。

二つ選ぶ問題はどの論点から出ますか?

2級の基礎的な能力は、直近 5 回とも工程表・機器の据付け・配管の施工・ダクトの施工の 4 論点でした。1級の応用能力は、これに施工計画・品質管理・安全管理と、保温または試運転調整を加えた 8 論点です。

消火設備やガス設備は勉強しなくていいですか?

どちらも 1級・2級とも毎回 1 問ずつ出る論点で、空調・衛生設備の選択問題の中にあります。選択問題で解く数が足りるなら後回しで構いませんが、空調か衛生の片方を捨てる場合は、拾える問題として押さえておくと安心です。

あわせて読む

出典・参考:出題実績は資格試験対策.netが収録問題(1級 令和元年度〜令和8年度、2級 平成29年度〜令和8年度前期)を論点ごとに集計したもの。要点は一般財団法人 全国建設研修センターが公表した試験問題と正答肢、公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)、建築基準法・建設業法・廃棄物処理法・建設リサイクル法・フロン排出抑制法・水道法・下水道法などの法令をもとに当サイトがまとめた

この記事は資格試験対策.netが作成しました。内容の誤りにお気づきの場合は お問い合わせフォーム からお知らせください。最終更新 。